面倒だからね、うん。
さらに時は進むッ!
はーろー。アンナちゃんだよー。私アンナちゃん、20歳!……ええ、時間飛びましたよー。だってふつーの日常だったもの。割愛!
「師匠、誰に向かって話してるのですか……。」
え?そりゃあ……誰だろうね?
「とうとうボケましたか。」
ひっでー。
「私まだ若者ですしー。皆より年下だしー。」
「人間ですからね、貴女は。」
辛辣ぅ。
弟子達も自分のやりたかった研究終わらせちまって、今はさらに深めてる状況ー。
「そーいえば、進捗はどーなの?」
「俺は魔術を取り入れた戦闘方法について、武の将の所にいる弟子達と模擬戦等をしてます。いらない所を削ぎ落としている段階ですね。」
細マッチョ、さらにガタイ良くなってるし。
「私は呪術からなる症状を治癒する薬を、技の将達と共に話し合いながら作っている状況です。いくつかは完成して、実際の患者に投与している段階です。」
インテリはもはや医者って雰囲気に。
「私はほとんどの大規模魔術を成功させたので、さらなる禁術を探して各将の本棚を渡り歩く日々ですわ。大規模魔術に限れば、ここの本は読んでしまいましたし。」
ツインテ……まさに魔術師!って感じの雰囲気になっちゃって……。
「んー、りょーかーい。なにか私が手伝う事はあるかな?」
「今の所は……。たまに試合の相手をしていただけると助かります。」
「呪いを、実際に撃って頂けると。ああ、獣にお願いします。」
「禁術がどこにあるのか軽くでいいですから教えて頂けると……。」
よかった、まだやることはある。……皆基本的にこの部屋にいないからなぁ……。
「ん、試合は気が向いたらねー。呪いはそっち行ったときに。禁術は……メアに申請してみなさい。」
「わかりました。」
「あとたまにでいいからこの部屋戻ってきてねー。私がさみしいから!」
「貴女が寂しいと感じるのは世界が滅んだ時では?」
「ひどい!」
あっははは。
「それでは、行ってまいります。」
「いってらっしゃい、三人とも。」
ふぅ。
にしても暇だなー、何しようか。まあ読書なんだけど!
…………私も禁書庫行こうかなぁ。ここの本全部読んじゃったし。まさか五年かかるとは思わなかったね?
そろそろもう一度シャムシャラについて知りたいってのもある。ここにもあるらしいし、もしかしたらもっといい本があるかもしれない。
そうと決まれば、書類片付けていくかー!
がりがりがり。
私は今!禁書庫にいるっ!……ということで、やってきました禁書庫。うーん、禍々しい魔力が渦巻いてるネ。
「うっぷ……なんて禍々しい所なんですの……。」
ツインテも一緒に。
「大丈夫かー?防壁貼った方がいいよー?」
「そうしますわ……うっぷ……。」
ここは耐性がないと即座に悶えて狂って吐瀉物に塗れて死ぬからねぇ。ツインテは、少しは耐性が出来てたみたいだねー。特に、狂化の。
「貴女が平気なのが信じられませんわ……。」
あはははは。すでに壊れているからかな?なんか大丈夫なんだよねー。
「ひとまず、ツインテの探す本探そーか。これ以上は無理だと思う前に言いなさいな。無理は禁物、死ぬよ。」
「心得ましたわ……。」
さて、探すか。つっても……。
「この奥の見えない本棚の森、このどこにあるんだろーね……。」
「さぁ……?」
これ本当にみつかんの?多少はジャンル分けられてるけど、さぁ……。
「とりあえず地図とかないし、迷わない程度にざっと見て回ろうか……。」
二人で本棚の森を歩く。ここらへんは……呪い関連かな?奥に行くと、段々と魔術になるんだけど……。
「呪術多すぎぃ!」
「どれだけ呪いたかったんだって話ですわね……。」
インテリ君が来たら発狂するわ。
どんどん進むよー。
魔術が多くなってきた。けど、ここら辺は……。
「なんですかこの、発動したら威力は高いけど自分が蝕まれる系の山は……。」
失敗作じゃねーか!!!いや、嫌いな相手に教えてじわじわ殺すのかも……って。
「結局呪いじゃねーか……。」
どんだけ呪いたいんだよ!!!アホか!!!
さらに進む。……なんか、奥に行くほど空気が澱んでさらに禍々しく。
「大丈夫か?」
「まだ大丈夫ですわ。ですが、長時間は居られませんね……。」
さっさと見つけてしまおう。
どんどん進む、進む、進む。なんかエグいのが多くなってきたね?
「生きたまま苦しませてアンデッドにする方法……。」
こっちを見るんじゃない。見た目アンデッドに見えるのは気にしてるんだから!特に眼!全く、私の美貌が引き立ってしまうわ!ぷんぷん。
「あ、この本大規模魔術みたいよ?」
「い、生きたまま街を一つゾンビだらけにする魔術……。」
とりあえず確保。うげぇ、って顔をしおる。
「だ、大規模魔術には変わりありませんわ……。」
がんばー。
さて次。そろそろ奥が見えてくる……かな?
「お、ここら辺全部大規模魔術じゃん。」
「やりましたわ!」
大穴をこじあける魔術、国一つ押し流す激流を出す魔術、地獄の口を開ける魔術、深い谷を作り出す魔術、えとせとら。
「ふーむ、超巨大火の玉を落とすメテオライトの失敗作もあるね。」
てことはいくつかは失敗作の可能性あるね。
「失敗作ですか。その判別もしなくてはいけませんね……。」
そこは君の手腕次第だね。失敗作を作り替える事もできるだろう。
「俄然、燃えてきましたわ……!」
「いいね、頑張れ。」
「ただ、その前にそろそろキツくなりそうですわ。」
「ん、なら戻ろうか。その量はキツいだろう、持つよ。」
半分くらいもって、さー入り口に。
「あ、有り難うございます……。」
禁書庫を出て、部屋に直行。
「流石にキツかったですわ……。なんですのあの禍々しさ……。」
「あの奥に何かあるのかもね。」
私の欲しいものは奥にありそー。
「ひとまず、お茶でも飲んで休憩しよう。」
「ええ。」
お茶うめー。
「そういえば、禁書の中には本自体に呪いがかかってるものもあるから防壁をしっかり張ってから開けるように。」
「わ、わかりましたわ。」
禁書というだけあって、危険なんだよ。
「たとえば、今手に持ってるやつ。それは開けたら噛もうとしてくるから叩きのめしてね。」
「噛む!?」
「うん、こうがぶっと。」
歯もないのに万力みたいな。
「い、意味がわかりませんわ……。」
「意味を求めちゃいけないよ、うん……。」
本当に謎。
「ま、そういうのもあるから気をつけてねー。ガチで呪いかけてくるやつとかもあるし。」
「恐ろしい……。」
だから禁書なんだよ。
そこから二人で禁書を読む事に。噛み付かれかけたり、呪われそうになったり、ずぶ濡れになったり、下着姿にされたり、本からモノが生えて口に入ったり……。い、意味わかんねえ……。どういう事なんだ本当に……。あ、ボッキリとさせて頂きましたわ。ボキッと。……途中で戻ってきてた細マッチョが青くなって股間抑えてたけど気にしない。
「……おーけー、この本共は半分アタリで半分ハズレだね。」
「トラップ的には全部アタリを引いた気がしますが……。」
白い液体かけられて水でずぶ濡れにされて下着姿にされて雪かぶって毛布にくるまったツインテェ。
なお私も触手に巻かれたり口に突っ込まれたり下着姿にされたり……。うがいしましたよ、ええ。
「なんでこうも卑猥なのが多いんだコノヤロウ……。」
「悪意しか感じませんわ……。」
作者出てこいぶっ殺してやる……。
途中で何度燃やしてやろうかと思ったわ。
「ま、まあこれでこの本共のトラップは解除したし、読めるようになった筈だよ。」
「すでにげんなりしてるのですがそれは……。」
「頑張れ……。」
負けるなツインテ。
「これも研究のため……これも研究のため……。」
うわぁ……。
わ、私は禁書庫に行ってようかな!
「いってらっしゃいませ……。」
ツインテが萎れてるぅ……。
魔術師は。自分の技術を極めた時、その粋を集めたものを書き残す。それは同時に、自分の時代が終わった事を悟らせるものでもある。故に、次代への希望と若さへの妬みを交えて、トラップを仕掛けるのだ。
……禁書書く様な変態は大抵童帝エロじじいばっかりだったからね!エロトラップになるね!ばーか!




