弟子君達とおべんきょー。
罰ゲームしながら。
ハーイ、アンナちゃんだよー。今日も今日とて、部屋で本読んでる。過去のループでも読んでたけど、読み切れてないんだよね、ここの本。
尚、罰ゲームでバニースーツ着てます。ツインテも。男共は、海パン。
あ、侍女ちゃんありがと。ここの侍女もなかなか便利ね。買出しも行ってくれるし。
プライベートスペースは、個人的な物を沢山置いてまーす。とはいえ寝る以外の用途なし。着替えくらいかな?
「グリディナ様、今宜しいですか。」
おやツインテ。どうしたよ。……胸が慎ましい。少し恥ずかしがってるのがなんかかわいい。
「魔法陣描写用の紙がなくなりまして……。追加をお願いしたいのです。申請書は、こちらで。」
「はい、承った。結構書いてるみたいだけど、どうよ。」
「それがあまり……。今、話題のメテオライトを書いているのですが……。」
メテオライト、ね。
「まともな文献、あったかな。みつけた?」
「いえ……。」
でしょーね。メテオライトの文献は遺跡にあるはずだ。それも、厳重に封印されてね。何百年か前の人がそこに入れたっつー話。
それでも描写までこぎつけるとは、やるね。
「んー、そだね。書いたの見せて。」
「メテオライト、ご存知なので……?」
そりゃーね。
「あれ撃ったの私だし。」
はい、真ん丸目頂きましたー。ささ、みせてみな。
「こ、これです。」
ふーむ。
「まずこことここ、それとここ。間違ってるね。これじゃ石と炎を降らせる事になるよ、自分の真上に。
「え……。」
「というか、まずメテオライトの魔術がどんな代物かわかってないね。あれは石だけど、ちょっと違うものさ。」
「違うもの、ですか。」
「まず語源を調べてみなさいな。」
はい、いったいった。
「有難うございます。」
メテオライト、あれは天球の先に宇宙が広がってる事から知って、そこに浮かぶ隕石を召喚、座標指定して、遥か上空に出さないといけないんだよね。……ツインテちゃん、のっけっから激ムズなものを……。
ちなみに、召喚できる魔力さえあれば撃てます。難易度の大半は想像力が占めるね。
一度みせてあげてもいいかもね。
「グリディナ様、申請書をお持ちしました。」
おやインテリくん。……もうちょい筋肉つけたほうがいいよ。あと胸見すぎ。巨乳好きかい?
「んー、あー、これね。足りなくなった?」
「ええ。かなりの数が必要みたいで。」
……これ、そんなにいったかな。
「……調合、合ってる?沢山作るつもりなのかな。」
「えっ、……インク壺一つ分程度の筈ですが。」
「あー、調合見直してみな。申請は承ったから、それまで文献見直してね。」
「わかりました。」
特殊なインクを使って行う、解呪。たしか、身体が徐々に石になる呪いか。解呪後の薬も作ってるのかな?その材料も頼んでおこう。あれこそ沢山必要だからね。
「師匠、お尋ねしたい事が!」
細マッチョくん。元気だねぇ。……めっちゃ海パン似合ってるわ。あと脚見過ぎ。脚フェチか貴様ァ!……ちょっとたってね?なにがとはいわねーけど。ナニが。
「なにかな。」
「身体強化なのですが、魔力が到底足りないのです。ですが、過去の文献では魔力が低い者も行っていた、とありまして。」
「うん。」
「少しやってみますので、なにかご指摘があればお願い致します!」
……やり始めた。うっわ、これは……。
「ストップ、ストップ。それじゃ身体が爆発するわ。」
「ば、爆発……。」
「もっと、薄く、流れるように。……そうだね、君がわかり易いように言うと……。」
あれかな。
「君のは、岩を無理矢理砕いて押し流してる感じ。ってやつかな。」
「岩ですか。」
「身体強化は、流れる水のように。川のせせらぎが軽やかに流れるイメージ?」
「水……。」
「そうだね、ほんの少しの魔力を身体全部に回らせてみるといい。魔力がどう流れ、どの向きで、どう動いているのか。瞑想しながらやってみな。」
「……有難うございます!」
部屋の端でやりはじめたよ。……説明、あってたかな。軽くやってみるか。
ゆったり、大河の流れのように。ゆっくりと身体を回る魔力を感じて。
「……グリディナ様!?どうし……おぉ……。」
弟子全員集まってきたわ……。折角だし、ちょっと舞ってみるか。
剣を抜いて、仮想の敵をイメージ。……ラディーちゃん。舞う。
「すご……。」
「これが、身体強化……!」
ゆったり、そして激流。よし、殺した。
「ふぅ。これが、身体強化だよ。」
「すごい……イメージが湧いてきました!有難うございますッ!」
言うより見せた方が速かったか。……格好がバニースーツっつーのがアレだけど。
「さ、戻りな。」
うーん、やっぱり身体動かしたいなぁ。
とりあえず申請書を侍女に渡す。おねがいねー。
「……私も、実際の魔術を見てみたいです。」
「自分もです。」
やっぱそーなるかー。よし。
小規模でもメテオライトは撃てる、いいね?
窓を開ける。
「外見ててねー。」
「は、はい!」
メテオライト、小規模で連発したら綺麗な筈。途中で燃え尽きてくれるからね。
「天が落ちる、されど地には届かず閃光になるってね。さーぁ、連発っ、メテオライトォ!」
宇宙から小さな親指大の石を召喚、座標固定、方向指定、発射。
「りゅーーーーうせーーーいぐーーーーーん!!!!!あっはははは!」
ああ、なんて綺麗なのでしょー。
「綺麗……。これを、大きくした物が……。」
一発だけ、拳大で。ここに来るようにしたよ。うふふ。
「ふふ、この空の上には何があるのかなぁ。」
「え、一個こっちにっ!」
自分の魔術だからね、止め方も知ってる。近付いたのを、ゆっくりと減速。足元に転がるように。
「熱いから触ったらだめだよー。」
「これが……。」
「これ一個で、この街の半分の面積が穴になる。」
「これで、ですか!?」
「重いものが高いところから落ちると、下のものはどーなる?」
「壊れます。」
「高い所から物が落ちる時、結構速いよね。」
「はい、崖の上から石が落ちた時も低い所より高い所から落ちた方が速いですし、穴も開きます。」
「……!」
「それが、もっと高い所からだと?もっと大きいものだと?って事だよ。」
「それがそのまま威力に……!」
「そう。で、その威力を増すためにさらに大きい物を、ってなるとどこから?ってなるよね。」
「それが、先程仰っていた語源、そこから持ってくると?」
「そう。メテオライトはね、元々自然現象なんだよ。地上からではあり得ない物が落ちてくる。それを魔術で再現したもの。」
「……どこからくるのですか。」
「……ふふ。」
上を指差す。
「空から、ですか。」
「どこにあるのかは、調べてね♡」
天球のさらに向こう側を推測した文献はここにある。
「……有難うございます!」
さて、次は呪術だったね。
「呪術は、元の呪いを見せた方がいいかな。」
「お願いします!」
召喚、角付きうさぎ。近くにある森から引っ張ってきたよ。
「呪え、固まれ、石のように。苦しみもがいて死に給え。」
うさぎが石にゆっくりなってくね。
「これが……っ。」
「どんなものかわかったかな。んじゃ、解呪。」
懐からインクを出して、書く。進行が止まる。
「修復のための薬も、必要だね。」
ふりかける。逆回しのように、元通り。
「こういう代物だ。いいかい?」
「っはい!」
「では、各自研究にもどってねー。」
本棚ダッシュ。一人は部屋の隅で瞑想。
いやー、仕事したわー。
本読も。
バニースーツ、鏡見たけどこれエロいわ……。
どんなに真面目に話してても、エロいバニースーツと海パン……!