出兵、そして第一王子。
物量ってこわいよね!
はろはろー、アンナちゃんだよー。私は今、馬車の中!周りには領軍およそ500!そう500だよ!少ないって?そりゃそーさ、領地守る奴が居なくなるじゃん。全員出すとか馬鹿だろう。第二王子じゃあるまいし。
さてそろそろ王都に近くなるのよ。
「団長、近くの森に入れ。そこで野営の準備。」
「はっ、アンナ様が離れる間隠れるのですな!」
そうだとも。
「ああ、その間に私は第一王子の所に行ってくる。合図がきたら、出ろ。」
「かしこまりました!お気をつけて。」
つーわけで、ラディーちゃんの所にごー。
「ちーっす、元気かー。」
「グリムディア侯爵。」
よう第一王子。
「もう直ぐ出るぞ。」
「私モ行クンダヨネ?」
「そうさー、こいつに箔をつけてやってくれい。」
「ワカッタヨー。ンフフ、私ノ縄張リニ入ッタコト、後悔サセテアゲル。」
「あっはは、頼もしいね!」
「ラディーには世話になる。」
お?
「イーンダヨ、殿下♪」
おお?
「お前ら仲良くなってんのな……。」
「そう、だな。」
「イヤン♡」
あー。
「……お前らな…………。」
ジト目。
目を逸らすんじゃない、第一王子。ヤったのか、ヤっちまったのか。この野郎爆発しろ。
いいもん、欲求不満は戦争で消費するもん。
「……とりあえず、連絡があったら行くぞ。」
「わかった。」
「ワカッタヨー!」
「主。」
「きたか!」
一時間くらい待って、影きた。待ってたよ。
「第二王子が敗走しました。敵は追撃しつつ、王都の目の前に。」
「ほう。」
「王都の門が閉まっており、第二王子が入れない等というアクシデントもあり。第二王子は逆側に移動して先程ようやく王都に入った模様。」
「ぶっはははははははははははははははは!!!!!締め出しくらってんのかよ!!!!!!王なのに!!!!!王なのに!!!!!!!!!!あーーっはっはっはっは!!!!!!!」
ウケる!!!
「……現在敵は壁に張り付き取り囲んでいる状態。やるなら。」
「今か。」
さー、楽しいお時間ですよ。
「聞いたな、お前ら。行くぞ。」
「ああ。」
「ヤルヨー!」
「合図を送れ!」
「御意!」
さあ、戦争だァ!
声が世界に響き渡る。
「私は、この国の第一王子である!守護神の名により、敵を葬り去る!」
「我コソハ、トレイル・ドライアーディー。我ガ領域ヲ犯ス者共ヨ。死シテ償ワン。」
隠した兵が熱を帯びる。
「皆の衆今こそ立ち上がる時よ!集え、そしていざ行かん!」
「サア、進メ、進メ。ソシテ全テヲ喰ライ尽セ。」
怯える民が火を灯す。
「剣を握れ、弓を持てっ!そしてこの国を護り給えっ!」
「我ガ領域ノ糧トナレ。」
全てが手に剣を握る。
「いざ、神の名の元にッ!」
「我ガ名ニオイテ祝福シヨウ。」
天を仰ぎ、拳を上げる。
「すべての者よ!雄叫びを上げろッ!!」
「吼エロ。」
「「「ウオオオオオオオオオアアアアアアアア!!!!!!」」」
おー、王都周辺に潜ませていたいろんな所の兵が叫ぶ。王都の中からも叫ぶ。すげー。
「突撃ッ!!!」
「突キ破レ。」
王都を囲んでいた敵に対し、二倍の数を集めた軍。それを、壁のように取り囲んで物量で押しつぶす。簡単な作戦ともいえない暴力!それが快勝して緩んだのをぶっ殺すのにいい!あっははは!
あ、ちゃんと逃げ道はつくっておいたよ、元の道にお帰りくださいってね。
あっという間に逃げ道に殺到する敵。そして、包囲を抜けたその先に。
「やあやあ、諸君。御機嫌如何かな???」
まずは一撃、魔術で爆炎!
「な、なんだぁ!?」
「シャムシャラの亡霊が殺しに来たぞゥ!アッハハハ♪」
私のステージが此処に在る!
「さあさあさあさあさあさあ!!!獲物がたっくさぁん♡ヒャハハハハハッ!!!」
ざっと見残数7000!アッハ♡
本気で、楽しませて貰うねぇっ!
「そうら爆炎!爆炎!冷凍!雷!からの爆炎っ!」
大爆発っ!
「魔術師かよっ……!怯むな!近付けば殺せる!」
「相手は一人だ!押し潰せ!」
「アッハハハハハ♡」
何の為に剣を持ってると思ってるのかなー????
剣に空気の刃を、全長10mくらいで!
「ギャッ」
「なん」
「ヒギ」
「グボロッ」
「エンd」
「イヤァーッ!」
そうらそうら!死体の山だァ!私はどんどん近付いていくぞぉーっ!
「ッヒ、逃げ……!」
私の後ろに行った?アッハ、わざわざ開けた所にありがとう!
「雷ドーン!」
20発くらい!
「なんてことだ……!」
前に私、後ろに軍の壁!ほうら、死兵となってでも私の所に来なァ!楽しませてやるよ!
「そうらそうらァ!シャムシャラの亡霊が喰らい尽してやる!!」
横があいてる?……あいてると思う?そこラディーちゃんのつくった森が、すげー勢いで迫って来てる。こえーよ。ホラーだよ。そんなこんなで、逃げ道は私の所のみ!
生きて帰れたらいいね!無理か!
「クソ、クソ、クソ!ぶっ通せエエエエエ!!!!」
死兵になったのー。あっはは、とても。
「たァのしいィ♡」
斬ってー斬ってー撃って斬ってー撃ってー撃ってーまた斬ってー。
エンドレスダンス!
「こ、降参だぁ!やめてくれっ!」
白旗を上げた人。
その旗は赤く染まってるよ!
「こうs……」
お前の血でな!ぎゃははははははは!!!
「こーんなたァのしいィ舞踏会だ!途中で終わりなんか認めないよォ!!!」
全部狩り尽くすまで止まらないっ!
アハハハハハハハハハハハハ!!!
「あ、あああ、ああ……。」
「サヨーナラァ♡」
最後の一匹。
「ッフフ、フフフハ、フハハハハハハハハハハハッ!!!!ゴチソーサマァ!!!!アッハハハハハハ!!!!」
全部真っ赤に染まっちまったー!
「ぼ、亡霊……。」
「死神……。」
……あってる。味方にドン引きされてらー!アッハァ♡
さぁて、と。
ここから私は――
その先にある選択肢は。死か、栄光か、それとも。どれを選ぶ、輪廻の巫女よ。




