からの、日常。そして。
国が動く。
おはよー、アンナちゃんだよー。昨夜はお楽しみでしたよ。
教会がすっげーバタバタしてるね!私のせいだねー!あっはは♪
……秤神が出たって事は、ちとこれから面倒かもしれないけど。
そんな事はどうでもいい!とりあえずご飯だ!
うめぇ。
「主、おはようございます。」
おや影の頭、朝からご苦労。どしたの。
「教会の騒ぎの影で、第二王子付近が動き始めております。」
「へぇ。」
これは面白い事になりそうだ。
「引き続き監視。後、第一王子に何時でも出られる様にしとけって伝えて。」
「畏まった。では。」
動くとすれば、今日か。ま、私は何時でもいける。
とりあえず学園いこー。
「おはようございます、グリムディア侯爵様。」
「おはよう。」
ここは本当に平和だねえ。
「お聞きになられました?教会の事。」
「どんな話だい?」
「教会の上の方が殺されたらしいですわ。あと、巫女も一人犠牲に。」
「へぇ……。巫女もかい。」
「ええ、なんでも頭の硬い人だったそうですが……どの神の巫女かは、わかりませんでしたわ。」
「秤神の巫女だそうだ。」
げ、クソ王子。
「秤神か……確かに頭が硬そうだね。」
「そうですわね……。」
「……物理的にではないぞ。」
「んな事はわかってるさ。」
そーいや頭突きしてこなかったね。
「頭突きの神……。」
おいお嬢さん、何言ってんの。
「審問官が怒るぞそれは……。」
「そうですわね……。」
頭突き審問官……。うぷぷ。
「そういえば、秤神って色々な所が信仰していましたわね。」
「ああ。裁判官、審問官、他にもあったな。」
「何処があったかな。」
「怪しい所も信仰していたような……。」
「……ま、魔呪術研究機関も一部が信仰しています。」
……地雷女まで来やがった。
「そんな所まで……。」
「やはり正義というのが強いか。」
「後は魔術を無効化する、という神話から信仰しているところもありますね。」
「……かなり面倒な事になりそうだ。」
「面倒、ですか?」
そう、面倒。
「色々な所が動き出しますわね。」
「国が混乱しそうだ。」
「そうだね。……何か大きい事をやるには、うってつけの状況ってやつか。」
「混乱している間に、というやつですか。」
「おい、何かするつもりなのか?」
そこで疑うのね。
「いや?私は正直領地が栄えればそれでいいし。」
爵位に興味はない。
「ふむ……なんだか、大変な事が起きそうな気がしてきた。」
私を見て言うんじゃない。
「殿下はいらっしゃいますか?」
「おや、客人だよ。」
「……いるぞ。何の用だ、ここまで来て。」
「至急お伝えしたい事が。」
……あれは、城の侍女。つーことは、城で何かあったか。
「な、なんだと……!?」
城の侍女も、それを聞いたクソ王子も蒼白になってる。考えられるのは、あれか。
「すまない、直ぐに城に行く。」
「なにかあったのか?」
「……父上が。」
「……陛下がどうかされたのですか……?」
クソ王子が、声を潜めて答える
「……先程、崩御したそうだ。」
「なんてこと……。」
「……遺言等は。」
「ない、そうだ。」
「そうか……。」
ッッッッフゥウウウウウウウ!!!!!なんてタイミングのいい!まあ、前に言ったと思うけど私が呪いかけてただけ!!なんだけど!!!!死ぬ時まではわかんないさ!!!しかしまあ、本当にいいタイミングウウウウウウ!!!!!
さあさあさあさあ、国が割れますようふふふふ。
「そういう訳ですまないが、私は失礼する。」
「ああ、急げ。」
「わかっている!」
よしクソ王子は行ったか。
「……すまないが、私も失礼させてもらう。急遽やるべき事が増えてしまったのでね。」
「そう、ですわね。お気をつけて。」
「ありがとう。」
私も戻る、ひとまず寮。
「アンナ様、お待ちしておりました。さあ、これを。」
侯爵家当主としての服、男装。
「まずは王都の屋敷だ。」
「存じております。」
侍女ちゃん、優秀!
馬車で屋敷に。
「お待ちしておりました。アンナ様。取り急ぎ執務室へ。」
「ああ。」
書く書類が沢山!
「そういえば喪に臥す用の装飾等はまだあるか?」
「ええ、既に用意しております。」
「流石だ。」
こりゃ前々から準備してたな。やりおる。
「……ご無理をされない様に。」
「ありがとう。」
話してる間にも凄まじい速さで書類捌いてまっす!崩御が発表される前に出しておかないと。この混乱ついでにぶち込め的な?ついでに他のも捌いておく。
なあに、やましい事は一切無いよ。
「アンナ様、お昼にございます。」
「もうそんな時間か。」
はっや!時間経つのはっや!
がっつりメニュー、うめえ。そして食後のお茶とお菓子。頭が癒されるね!
「さて続き。」
がりがりがり。
「おわったぁー……。」
と伸びをしたと同時。
「アンナ様、夕食のお時間にございます。」
「うん、ありがとう。今終わったよ……。」
「お疲れ様にございます。」
さあ飯!飯ぃ!
うめぇ……。
お茶に癒されつつ、これからを考える。
崩御。てことは後継者がいる。有力候補は第一王子と第二王子。第三王子は除外。遺言がないってことはどちらかを選ぶ争いが激化する。だが第一王子は森で連絡は付くが行方不明。第二王子になるだろうね。しかし、第二王子は外患誘致をしやがった。さらに守護神ラディーちゃんから拒否されている。ふむ。
予定ではこう。一ヶ月は喪に臥す。だけどそんな時に第二王子が王になろうとして、反発をくらう。それを隣国から招きやがった兵を使ってたたきつぶす。ここですでに騎士団は見限る。力で王になる第二王子。けど隣国の兵は荒いよ、ましてや敵国なんだから民衆に対しても良い行いはしないね。これはもはや確定事項かも。そんなのを招きやがった奴に不信感は募るよね。で、騎士団は治安維持かな。そこから兵が不当に捕まった的な事を理由にして敵国攻めてくるね。それが目的だから。正直、第二王子じゃ勝てないね。ボロ負けするわ。付いて来る奴が第二王子派じゃあねぇ。ここら辺で第一王子登場。ラディーちゃんと一緒にな!あと私。ラディーちゃんの力で勝つよ!
勝ったらまあ、その後は適当に。とりあえず負ける想定もしておこうかな。どーなるかはしらん。
「主。」
影きた。待ってたよ。
「主の想定通りになりそうです。」
「そうか。」
「……よろしいので?」
「第二王子には精々ヘイトを稼いでもらわなければいけないからね。その後の為に、色々と準備をしようじゃあないか。」
「……御意。」
「これから忙しくなるよ、っふふふふふふ。」
さあ、踊れ。
この先、どうなるかアンナちゃんにも確定できない。予定は立てるが未定ってね。




