学園の夜!
がーくえーんちょー。
こんばんは、アンナちゃんよ!
えー、今はシレーティナです。
私は今、学園長の部屋にいる!
「⋯⋯なるほど、少人数で魔術の講義、ですか。」
「完全不定期でね。それに沢山の相手になんて話しても、伝わる訳がないでしょう?私の魔術は安くないのよ。」
「ふむ⋯⋯不定期なのは何ともいただけませんが⋯⋯手配します。」
あら、すんなり。
「しかし最低でも隔週に一度は行って頂きたいですね。週のどこでやるかも決めて頂ければ。」
「善処するわ。⋯⋯真ん中あたりがいいわね。」
「わかりました、ではそのように手配しましょう。」
「いいの?」
「ええ。隔週の講義もありますし。それに多人数での講義を嫌う教師もおりますので⋯⋯。」
「なるほどねぇ。」
把握。
「器材は揃えましょうか?魔術の講義となりますと⋯⋯色々道具も必要ですし。」
「頼みますわ。補充は、申請すればいいのかしら。」
「ええ。余程のものではない限り、補充はできますので。」
ふとっぱらー。
「言いたいことはわかりますが私のお腹を見ないで頂きたいですな⋯⋯。」
おっと、失礼。
「それで、他に必要な事はありますか。」
「⋯⋯そうね。この付近で⋯⋯実戦をさせたいのだけれど。」
「実戦⋯⋯ですか。」
「ええ。いくら机の上で出来たって、いざという時に使えなければ全く意味が無いわ。」
「⋯⋯そうですね。となると⋯⋯ふむ。地下湖付近、街から出た所にある森⋯⋯ですか。」
「地下湖付近?」
「ええ。ここ、首都の下には海に繋がった巨大な地下湖があるのです。その周辺、地下に幾つもの横道がありまして。そこに獣が沢山いるのです。」
「へぇ、それは面白そうね。」
「奥まで行きますとかなり⋯⋯入り組んでおります。この学園の、卒業試験にも使われる場所でもあります。」
「踏破されてるのかしら。」
「いいえ。首都の広さまでは踏破されておりますが、その先は未開の地。危険な獣もいるとか。⋯⋯踏破された場所は地図も作られておりますので、生徒を連れる場合はそこまででお願いします。」
チッ、バレたか。
「それと、危険地帯として指定されている場所もありますので、そちらには近付かない様にお願いします。⋯⋯貴女を侮る訳ではありませんが、ダンジョン⋯⋯いえ、ラビリンスとなっておりますので、お一人では⋯⋯。」
「生徒も連れては行けなさそうね。」
ラビリンス⋯⋯は、恐ろしいからね。迷い死んだ時もあったかしら⋯⋯?あれ、どうだったかな。うむむ。
まあいいや。
「わかったわ。他には何かあるかしら。」
「そうですね⋯⋯講義とはいえ実戦ですので、探索者の登録をお願いします。生徒達にも。」
「そうね。」
やることは変わらないからね。
「登録用紙はこちらで用意しておきますので、記入後私へお願いします。」
「あら、そっちでやってくれるのね。」
「ええ。不備で何かあっては困りますから。」
⋯⋯思うところはあるけど何も言わないでおきましょ。
「学園には生徒達を預かる責任がありますから。」
⋯⋯そう。
「人が良すぎるという顔をしておりますよ。」
「バレてるわね?」
「バレてますとも。」
まあ、いいか。
「では、後はこちらでやっておきます。そうですね⋯⋯、一週間ほど見ていただければ。」
「随分早いのね⋯⋯。」
「こちらも想定しておりましたから。」
あらら⋯⋯。
「⋯⋯ま、いいわ。よろしくね。」
「ええ。」
退出!
さてさて、色々やらないとね!
まずは⋯⋯街に行ってみましょ!
あ、ちゃんと門から出ますとも。
街に向かってごー!
街!
「賑わってるわねぇ⋯⋯殆ど学生だけれど。」
学園の門を抜けたら既に街!学生の街って感じするね!
とりあえず隠密つけて、ぶらぶらと。人相書きが出てるからね、騒ぎになってもめんどくさいし。
学生の間を縫ってふわふわと。ウインドウショッピングってやつだね!
「って言っても学生向けねぇ⋯⋯。」
何もかも学生向け、やっぱり学生ばっかりだからかな。特に服とかは注文しないと絶望的かも。
だって私アンナちゃんじゅっさい!発育がいいっていってもロリですもの!
あ、肉屋。解体ショーやってる⋯⋯うん、おにく。
たべたいなー⋯⋯。
あの衝動はこない。ここで来られても困るけどね!
魔術、幻影。成長した私の姿を纏って。
路地で隠密解除、と。
「お肉くださいなーっと。」
おばちゃーん!美味しいとこのやつ!
「あいよ!⋯⋯見ない顔だね?」
「最近教師としてここに来まして。とはいえ、まだ講義も決まってませんが⋯⋯。」
「へえ、これからの新しい教師さんかい!ここの生徒は元気なのが多いからね、がんばりな!」
「ふふ、ありがとうございます。」
ちょっとおまけしてくれた。やさしいね!
⋯⋯ていうか全員覚えてんの?あのおばちゃん。
まいっか。
倉庫に入れて、他の所へ。
野菜、お茶、消耗品、日用品、フライパン⋯⋯
魔術の道具も買いましたとも。ええ。必要なものは揃えてくれるって言ってたけどね。
場所が変わると物も変わって面白いよねー。
買いたいもの買って、路地で幻影解除して。
門から戻る!門番さんお疲れ様です。
部屋に戻ってーと。
おにくたべよう!
ちゃんと焼いてね!野菜もしっかりと!
うん。まあまあかな。
自分で淹れたお茶を飲んで。
これからどーしよかな!
講義も一週間は準備に必要とか言ってたし。んー。
よし!適当でいこう!
そうと決まったら寝る!
すやすや。
予定は未定!




