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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3300周目!
197/204

召喚+無知=襲来。

やっぱりアンナちゃんかよ!!!だろうと思ったわ!!!


ところで、この国どこ?

暗く、昏い闇の中。


身体を丸め、浮かんだ状態。


私は飛ぶ。闇の中を。


闇に侵され、私が私であるべき姿に。


闇に侵され、私が私でないその姿に。


分離する意識、強く、弱い私。


分離する意識、弱く、強い私。


神の声を聞き届け。


喚ばれる声に誘われる。


さあ、外へ、外へ。






「おい、何をしている!」


ははは!教師共が、ようやく気付いたか!


「僕があの程度の使い魔で終わる筈がない!貴様等、そこで見ていろ!これから本気の召喚をする!」


周囲に、学生共も見える。アイツもいるな!


「召喚⋯⋯?チッ、この阿呆が!」


「応援を呼べ、何が出るかわからん!」


ふん、もう遅い!


「魔力は既に、全て注いだ!贄は既に、喰らわせた!稼働する陣はもはや止まらない!」


「取り押さえろ!」


「さあ来い、我が使い魔!」


魔法陣が、燃え盛る!螺旋となって立ち上がる!


「なんだこれは!く、アイツを引き離せ!」


「大人しくしろ!危険だというのがわからんのか!」


「く、離せ!」


陣から離される、その瞬間。


「うっ⋯⋯!?」


「この臭いは⋯⋯!」


「な、なんだ!?」


炎の中に、影。それは炎を散らして。


「構えろ!」


「人⋯⋯いや、子供?」


「人の召喚⋯⋯おい、それは⋯⋯!」


「この馬鹿野郎め⋯⋯。」


「女の子⋯⋯か?」


金髪、白い肌、美しい身体、赤いドレス、赤い靴。


ゆっくりと目を開けて⋯⋯。






くひひひひっ。


あー、私の中、面倒くさい事になってるんですけどー。


なんだこれ⋯⋯私の中に私⋯⋯っとと。


召喚成功ってやつかしらね。


さっきの出てくる瞬間?なんかにゅるりと、微妙に気持ち良い感覚でしたわ⋯⋯。


⋯⋯現実を見よう。


目を開けて、キョロキョロ。おや、まあ。


「フゥン⋯⋯召喚、か。この感覚も悪くないわねぇ。」


ニタリと嗤って。


「こんにちは、皆様。魔力反応からして⋯⋯そこの、取り押さえられてる⋯⋯学生さん?かしら。」


「ぼ、僕?」


「そう、そこのプライドだけは一人前な、見習い魔術師さん。」


こーいう時は、なんて言ったかしらねぇ。えーと。


ああ、そうだわ。さっきあの神が教えてくれたわ。なんかネタっぽかったけど。


「貴様が私のマスターかしらぁ?」


「そ、そうだ!僕が、お前を召喚した!僕がマスターだ!」


「ふぅん。へー。それで。この召喚の意味、分かってるのかしら?」


「意味⋯⋯?」


ああ、うん。なるほど?


魔術発動。コンセントレート。


魔術発動。トレーサ・メモリア。


この付近にいる人の記憶、覗かせてもらうわねぇ。


⋯⋯。


ふーん?


なるほど?


ついでにこの召喚主の記憶も覗かせてもらう。


ふんふん。


えー。


そっかぁ⋯⋯。


「なるほどなるほど、結構、結構。とりあえず、お前が見た目で私を侮っていることはよーくわかったよ。」


「何?」


「そして、この魔法陣がどういうものか⋯⋯詳しく知らずに発動したってこともね。ああ、あぁ。」


なんというか⋯⋯。


「ねえ、教師よね?⋯⋯ここ、何処かの学園であってたよね?」


「あ、ああ。そうだ。魔術の担当をしている。」


「そう。⋯⋯馬鹿が馬鹿やらかしてまた⋯⋯なんというか、お勤めご苦労様です⋯⋯。」


「お、おう⋯⋯。ええと⋯⋯君は、何者だ?そして、この魔法陣⋯⋯我々には、妙に複雑な召喚陣だと読んだが⋯⋯。」


あら。まあ。


「おい、マスターは僕だぞ!」


ああ。


「ねぇ、煩い。」


闇の爪。首筋、スレスレに。


「え⋯⋯ヒッ!?」


「黙っていなさいな。」


「詠唱破棄!?高位の魔術師か!」


「質問に答えましょう。私は⋯⋯そうね。シレーティナ。勿論、偽名よ。お察しの通り、魔術師。」


「シレーティナ嬢、か。私はここの教師、ドーラという。コイツの名前は⋯⋯」


「どうでもいいわ。よろしく、勇ましいドーラ女史。貴女はまだ、信用できそうだわ。」


「どうでもいい、だとさ。残念な奴⋯⋯。」


「う、ぐ⋯⋯。」


「⋯⋯どうした?」


「黙って貰っているもの、話せる訳ないわ。では、次の質問にお答えしますわ。」


「ま、まて。先ずはこいつにかけた魔術を」


「この魔法陣は、螺旋を元に作成されたもの。線の一つ一つに意味が込められているから、その全てを理解していないと⋯⋯望んだ結果は得られないわ。召喚は出来るかもだけれど。最も、悲しい事に雑ながら多少は丁寧に書かれていた様ですから⋯⋯お陰様で召喚されてしまったわ。ああ、長い台詞面倒くさい。」


身の丈に合わない化物が召喚される可能性、しかない魔法陣だよ!ってこと。


因みに、もし乱雑に書かれていたら⋯⋯多分、とんでもないものが召喚されるんじゃあないかなぁ。乱雑な程ヤバいのがくると。


「話を聞かない⋯⋯それで、その線の意味とは。」


「ふふ。面倒くさいわ。話すと一日かかるもの。面倒くさいったらありゃしない。」


「⋯⋯ざっくりで頼む。」


「輪廻神の悪戯、縁のある狂者の召喚。嫌だわ、狂ってるのは自覚しておりますけれど。」


「輪廻神⋯⋯!」


「縁のある狂者、だと言いましたわ。私達はあの神ではありません。⋯⋯それより、一つ問題が。」


「問題だと。」


「贄が足りておりませんわ。召喚者の、肉が。」


「っ、やめろ。こんなのだが、生徒には手を出させん。」


こんなのって。ちょっと面白いわねこの人。


「後で治せばよろしいのではありませんか。それより、今の状態の方がよっぽど危険。贄が足らず、飢えた陣。見境なしに、焼き尽くしますわ?それでも良いのなら⋯⋯。」


くるりと廻る意識。


「結構、結構ってねぇ。さあ、どーするぅ?ドーラちゃん?そこの馬鹿の肉を寄越すか、それとも周囲一体焼き尽くすか。ほらほら、決めなさいなぁ。」


「っ!?なんだ、お前は⋯⋯。」


「私、ヴィリアちゃん!勿論偽名よ!あっははは!」


くるりと。


「して、いかが致しますか?私は肉が宜しいかと。ああ、シレーティナですわ。」


くるくる。


「焼き尽くしますのも悪くは無いけどね!さあさあ、選べ、時間は無いぞ!ヴィリアちゃんでぇす!」


くるりんぱ。


「⋯⋯二重人格か。」


「私の事より気にする事がありますわ。一を取るか、多を取るか。」


「悩む時間はないよぅ?ほらほら。陣が暴れだした!」


一度消えた火がまたついて、どんどん大きくなってますわー。


「さあ、早く速く。燃やし尽くしてしまう前に。」


「ほらほらさっさと決めなさいなぁ。」


「くっ⋯⋯!」


「んー、んー!」


何か言おうとしてるね、馬鹿が。


解除して、と。


「嫌だ!死にたくは無い!」


「やっぱり喋るな、ウゼェ。」


はい黙ってねー。


「⋯⋯⋯⋯なあ、えーと、今は⋯⋯。」


「はい、ドーラ女史。どちらでもいいわ。どちらも私だから。」


「シレーティナ嬢。先程、治せばいいと⋯⋯言っていたな。」


「そうだとも。」


「⋯⋯ヴィリア嬢か。治せばいいというのは⋯⋯私の力でも、いけるという事だよな。」


「⋯⋯へぇ。気付いたんだ。」


「私は生憎⋯⋯治癒の魔術は⋯⋯苦手だ。」


「ええ、知ってますわ。何故、は今必要ないかと。」


「⋯⋯そうか。つまり、だ。」


「ええ。」


「ほんの少しで、いいんだよな?切り傷程度の。」


「せいかーい!あっははははは!おっかしー!!!」


「雑な魔法陣だからな!髪の毛数本でいいんだわこれが!ひゃはははは!ウケるわ!」


小さな事をすんごい大変な事にする勢い、マジ最高!楽しい!!!


「⋯⋯⋯⋯。」


苛立つドーラ女史、ポカーンとしてる馬鹿の髪の毛ガッツリ抜いてら。おお、痛そう。


「⋯⋯贄だ、受け取れ。」


「確かに受け取りましたわ。」


女史の手の上で燃えて、受け取ったら鎮まると。


「さてと。これで召喚は終わりましたわ。⋯⋯それで、ですが。そこの馬鹿。」


もっかい喋っていいよ。


「いてて⋯⋯な、なんだ。」


「それで、誰を殺せば良いのですか?」


「え⋯⋯?」


「憎いお方?それとも全て?そういう陣で召喚されたからには、聞いておかないといけませんわ?」


「ま、まて。先程そんな事は一言も!」


「ドーラ女史、私は申した筈ですわ。輪廻神の悪戯だと。何を司っているかは⋯⋯流石に知っておりますよね?」


輪廻神、(による生死)の(かかった理不尽な)悪戯!


「まさに邪神!ってね!」


「こ、殺すなんて、そんな!」


「無知って本当に恐ろしいですわねぇ。馬鹿、むしろ阿呆?」


「待ちたまえ。」


おや。


「学園長!」


「また面倒くさそうなのが増える⋯⋯学園長?」


「ええ、私はこの学園を取り仕切っております、ティグラ・オーグと申します。」


「オーク?」


「オーグです。」


「オーガでもなくて?」


「オーグです。」


マッシブデブなオーグさんね。おーけ。


「⋯⋯この会話、貴女神話もご存知ですか。」


「直系?」


「直系です。」


「マジかよちょっと握手やっぱやだやめとこ。」


「精霊王関連でいい事ないもの!」


神話で赤の精霊王が気に入ってた男の直系とかちょっと。


「そうですか⋯⋯まあ、いいでしょう。話を戻します。」


はい。


「その誰かを殺す、という陣だという話ですが。」


「はい。」


「話ぶりからして、別に殺さなくても構わないのでは?」


「⋯⋯これから面白くなるとこだったのにもう。」


「やはりそうですか。」


ちぇ、馬鹿と女史が頭抱えてる所面白かったのに。


「因みに、使い魔契約は。」


「する訳ありませんわ、というか⋯⋯したら干からびますわよ。」


「この馬鹿、魔力足りなさすぎ。一瞬で食いつくしちゃうよ。」


「そんなつまらない状態ですので、願い下げですわ。」


「⋯⋯それでは、貴女の存在が不安定になりませんか?」


「なりません。召喚とはいえ、輪廻から飛んできた訳でもないし。」


「⋯⋯どこか、別の場所から?」


「ええ。転移の様な形かと。⋯⋯帰る気はありませんけどね。」


こっちの方が楽しそうだし。


「そうですか⋯⋯ふむ⋯⋯わかりました。」


ん?


「この学園にて、保護⋯⋯という形にはなりますが。部屋を用意しても?」


「有難いわ。」


「こちらとしても、高位の魔術師がおりますと助かりますので。気が向いたらで良いのですが⋯⋯。」


「何か手伝うか教えろと。まあ、気が向いたらね。」


「助かります。⋯⋯ドーラ女史。」


「寮、ですね。どちらを?」


「⋯⋯そうだな。シレーティナ殿。」


「食事が美味しくて賑やかな方。」


「⋯⋯だそうだ。」


「学生寮ですね。⋯⋯大丈夫でしょうか。」


「あら、私とて殺しの分別はついておりますとも。」


殺る時は殺る!殺らない時は殺らない!みたいな。


「⋯⋯生徒には危害を加えないようにお願いします。」


「わかってますとも。追い出されたくはありませんし。」


「⋯⋯では、用意をしてきます。」


「頼んだ。では、それまで私の部屋でお茶でも。」


「ええ。」


「それと⋯⋯君の処分についてだが。決まるまで、部屋に謹慎だ。」


「う⋯⋯。」


「君達、連れていけ。」


あ、周囲で見守ってた教師に馬鹿が連れてかれた。


「⋯⋯一つ、行く前に訪ねたいのだが⋯⋯よろしいかな。」


「何かしら。」


「その血の臭いはどうにかならないのですか。」


⋯⋯。


すんすん。


「⋯⋯シャワー、貸して?」


「ええ⋯⋯どうぞ。ケリー女史!」


ケリー?女史ってことは教師か。


「はい。」


うわっ何この人!まるで男の願望固めたみたいな治癒室のエロいねーちゃんみたいな!無表情だけど!


「この方をシャワー室へ。汗を流したいそうだ。」


「わかりました。⋯⋯ケリーと申します。治癒術を担当しております。」


「うわマジかよ⋯⋯よろしく、シレーティナとヴィリアよ。」


「青い方がシレーティナ、赤い方がヴィリア、ですね。」


「⋯⋯赤い?」


「目の色が。」


え。


マジか。


「では頼んだ。終わり次第、私の部屋へ。」


「ええ。では、こちらへ。」


後で確認しておこう⋯⋯。




「それにしても、広いわね。」


「ええ、ここはこの国随一の学園ですから。」


ほう。


「魔術だけでなく、騎士や薬師、他にも様々な分野を学べるのです。」


「一つを学ぶついでに⋯⋯というやつかしら?」


「ええ。それぞれ、得意な分野事に分かれていく形になりますね。」


「へぇ⋯⋯面白い。」


「着きました。どうぞ。タオルはそこに。」


「遠慮なく借りるわ。」


「着替えは⋯⋯。」


「ある。」


「では、終わり次第お呼び下さい。そこで待っておりますので。」


ん。


ささっと脱いで、倉庫に入れて。


へえ、仕切られてる⋯⋯本当にシャワーだけの部屋なのね。沢山並んでる。


まあいいや、借りましょ。


石鹸はー、っと。あったけど⋯⋯自分の使おう。


うわ、どうも髪が重いと思ったら血でべっとり。これが原因か。


そうだ、ついでにあのシスター服も洗っておこう。


⋯⋯お湯が⋯⋯赤い⋯⋯。


魔術で綺麗に落として、自分にもかけながら。


⋯⋯これ、血の匂いが身体に染み付いてる気がする。


ええい魔術!えーと綺麗になるやつ!


そういや、目の色が違うとか言ってたわね。


「だ、そうだねぇ⋯⋯うわ本当に赤い。マジかよ。」


青ー、赤ー、青と思わせて赤ー。


うわオッドアイみたいになった。


「⋯⋯自分で遊ぶもんじゃないね。」


赤で。ヴィリアちゃん!


さてと、さっぱりしたし出ましょ。


拭いて、倉庫から新しい下着と服!


黒いドレス!んふふー。


靴は赤いのでいいか。


シスター服を魔術で乾かして、と。シワになっちゃやだやだ。


髪も乾かしてと。軽く化粧してと。


よし。


「待たせたわ。」


「終わりましたか。⋯⋯ヴィリアさん、ですね。」


「いえすあいあーむ!」


「では学園長の所へ。」


つれないなぁ。


てくてくと、ケリー女史の後についていって。


「そういや、アンタなかなかいい身体してるよねー。」


⋯⋯言った瞬間、ピタッと止まって。


⋯⋯なんか、錆びた丁番の様な音がしそうな首の動きで振り向いてきました。目!ハイライトないよ!


「⋯⋯男運ないのね、貴女⋯⋯。」


「⋯⋯⋯⋯女運も無いですが。」


ああ、うん⋯⋯。


「なんかごめん⋯⋯苦労したんだね⋯⋯。」


「謝らないで下さい、虚しくなりますから。」


「私でよければ相談乗るから⋯⋯。」


以下、無言!


⋯⋯。空気がつらい。


「着きました。」


「来ましたか。」


「では、私はこれで。」


ケリー女史、行っちゃった。⋯⋯後で部屋聞いて何か持っていこう。いやほんとごめん。


「どうぞ、貴女の口に合うかどうかはわかりませんが。」


これは⋯⋯緑色のお茶?


緑茶だ!


「ここ、ヨムニール!?」


「⋯⋯ああ、失礼致しました。ここはヨムニールの首都、ヨムニールです。⋯⋯緑茶で気付かれるとは、なかなか⋯⋯。」


「学園の建物はヨムニール感なかったけれど⋯⋯そうかぁ。」


東の果てまで飛ばされたかぁ。


「ええ、学園だけは少し変えてみよう、と建立当時にあった様でして。」


「へぇ、道理で⋯⋯。センティリアかと思ってたわ。」


「おや、それもお分かりで。ええ、当時センティリアから技師を呼んだとか。」


「西の端から東の端まで⋯⋯大変だねぇ。」


「今でこそあまり交流はありませんがね⋯⋯。」


交流も大変だっただろうなぁ。


「さて、と。それでですが。」


「はい。」


「この学園に居るという事で、幾つか注意点を。」


はい。


「生徒や教師に、危害を加えない様にお願いします。特に生徒には面倒な⋯⋯コホン、少し特殊な家の方もおりますので。」


「なるほど傲慢な貴族。こっちにもいるんだねぇ⋯⋯。」


「ええ。それと、この学園は例外もおりますが基本的に十七からが基本ですので、少々⋯⋯妙な目で見られるかもしれませんが、ご了承ください。」


「慣れてるから、いいわ。」


「⋯⋯そうですか。⋯⋯詮索はしません。」


敵意だの殺意だの好意だの色々な目で見られてきましたし。情欲に塗れた目とかもあったし。そこら辺感じ取っても受け流せる下地は完璧よ。


「後は⋯⋯これを。学園に出入りする為の身分証明のような物です。」


「仕事が早い。⋯⋯これ教師って書いてあるけれど?」


教師 シレーティナ=ヴィリア、だそうで。


「ええ、それが一番手っ取り早いので。学生、という感じでも無いでしょうし。」


「⋯⋯まあ、いいわ。」


「それはよかった。⋯⋯後は、そうですね。ここでは平民貴族家の地位等関係なし、と謳っております故。」


「なるほどねぇ。みんななかよく、ってやつね。」


「ええ。⋯⋯後は個人の自由裁量かと。但し、学園の円滑な運営を害する様な事になりますと。」


「上からズドン、が来るわけね。おお、公爵様こわーい。」


「⋯⋯やはり、ご存知でしたか。」


「ええ。⋯⋯いじめちゃ、嫌よ?」


「⋯⋯犯罪的な様相になりそうですので、遠慮しておきましょう。」


「小さい子をいじめるオジサマとか凄く犯罪的⋯⋯。」


「ええ⋯⋯。」


お茶うめぇ。


と、ノックが。


「失礼します。完了しましたので、報告に。」


あ、ドーラ女史。


「そうか。⋯⋯では、ヴィリア嬢。基本的には自由行動となりますが⋯⋯講義の邪魔等はあまりされませぬ様お願いします。」


「わかったわ。⋯⋯講義、聞いててもいい?」


「ええ、それもよろしいかと。もしかしたら、面白い発見があるかもしれませんしね。」


「楽しみにしてるわ。」


「何かわからない事があれば、我々にお尋ね下さい。」


「ええ。」


「では、また。ドーラ女史、お部屋の案内を。」


「はい。こちらへ。」


学園長の部屋から出て、部屋に。


⋯⋯ドーラ女史、歩くの速い。飛ぶか。


「ねえ、歩くの速くない?」


「シレーティナ嬢、貴女が恐いんだよ!って浮いてるし!」


「歩くの速いんだよ。速く着くに越した事はないけどー。」


「⋯⋯ヴィリア嬢だったか⋯⋯。」


「いえすあいあーむ。見分けは目の色らしいよ。」


「なるほど、赤がヴィリア嬢か。口調で判別していたよ。」


「なるほどそれもありか。⋯⋯ンフフ。」


「先に言わせてもらう、訳が分からなくなるからやめてくれ⋯⋯。」


ちぇ。どっちも同じ話し方にしたら面白いかと思ったのに。


ま、いっか。


もう少し進んで、寮!


「でけぇ」


「そりゃあ、生徒が沢山居るからな。ここは女子寮、隣にあるのが女性教師寮だ。」


「男子寮は?」


「この林の向こうに見えるあれだ。林で見えないが、手前に男性教師寮。」


へー。


「入るぞ。」


寮長に挨拶して、鍵を貰って。おお、食堂あるのね!朝夕の御飯はここでとろう!


で、部屋。4階、一番奥の角部屋。最上階だと⋯⋯。


「広い。」


「広過ぎて用途が見つからなかった部屋、というやつだ。昔は使っていたらしいが⋯⋯。」


「一応掃除はしてた感じね。」


「ああ、一ヶ月に一度程だったが。」


「でしょうね。」


「まあ、先程やったからな⋯⋯綺麗にはなっているだろう。ここを好きに使ってくれ。但し、騒音と異臭は勘弁だ。」


「りょーかい。⋯⋯異臭とは。」


「たまにいるんだ、料理しようとして⋯⋯。」


「ああ聞きたくない、食物に対する冒涜だわ。」


「ああ⋯⋯。そういう訳だ、頼むぞ。」


「ええ。⋯⋯そういえば、買い物はどこで?」


「来た道を戻って、学園の校舎手前に店がある。そこで買うか、学園を出て外で買うか、だ。」


「そう、ありがと。」


「ああ。⋯⋯では私は失礼するよ、講義が近いのでな。」


「貴重な時間、感謝するわ。」


ドーラ女史、退出。⋯⋯さて。


倉庫から荷物出して、模様替えだー!


ここの生活も楽しそうだね、んふふふふ。



ヨムニールでした!しばらくヨムニールでぶらぶらするよ!


暫し休息のアンナちゃん。二つに分かれたアンナちゃん!


シレーティナは華の香り。剣より扇が似合ってる感じ。

ヴィリアは血の香り。扇より剣が似合ってる感じ。


みたいな感じかなー?


傍から見るとうわ、あの子一人で会話してる⋯⋯ってなる。

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