幕間・とある某のなんとやら。
なんか企んでる子がいるそうです。
僕は⋯⋯魔術師だ。
魔術学校に通っているけれど、見習い⋯⋯が付く様な奴らと一緒にして欲しくないね。
学校での成績は⋯⋯二位。
アイツが来るまでは一位だったさ。
あのいけ好かないイケメン野郎、途中で入ってきたかと思いきやなんだアレは。
容姿端麗成績優秀、ましてや魔力量もとんでもないときた。
しかも性別問わず愛想を振りまいて、味方を確実に増やしてやがる。
この僕にまで愛想を振りまいて、しかも自分が上にいることを自覚せずに教えを乞うてくるだと?
嫌味か貴様、と何度ぶちまけてやろうかと思ったさ。
しかも、しかもだ!アイツは使い魔の召喚授業で、あろうことか!小型ながら竜種を出しやがったんだ!しかも契約すら結んで!
竜種は危険だから出すなと言われていたのにだ!それでいて契約してしまったからと許可がでるだと!ふざけるな!
それなら僕もこんなトレントじゃなく、竜種を出せばよかった!
ああくそ。
いけ好かないのはアイツだけじゃない、教師共もだ。
アイツが来てからなんだそのチヤホヤぶりは。僕が一位だった時はそんな事はしていない癖に。
むしろ当然だと言わんばかりに見下げてきやがった癖に。
アイツに対しては持ち上げ褒め称えるだと?なんだそれは。
クラスの奴らもそうだ。アイツが来てから僕と比較しやがる。
アイツはかっこよくて素敵なのに僕は根暗で陰気だと?意味ほぼ同じじゃないか。言葉もう少し学べよ。語彙力皆無か?
⋯⋯じゃなかった、比較するんじゃない。態度すら変えやがって。何が木しか出せない根暗だ。ふざけやがって。
まあ、いいさ。
これから僕は⋯⋯朝日が登り、皆が見ている状態になったら。この学校の中庭で、ある魔術を使う。
それは学校に通っている奴では到底出来そうもない、アイツですら出来ないものだ!
否、教師すら使えないだろう!膨大な魔力の保存方法、陣の作成方法、発動の注意事項!
それらを皆知らぬものだからな!
国の図書館の奥で、埃に埋もれていたものだけど⋯⋯ふん、それでこそ発動する価値があるってものさ!
なにせ⋯⋯使い魔の召喚だからな。
今、学校で教えている様な使い魔の召喚では考えられない程、複雑で!螺旋を描き入り組んだ美しい術式!
これなら、アイツの竜種すら超えるものが召喚できる!
さあ、見ていろよ⋯⋯お前達をアッといわせてやる⋯⋯。
そしてアイツを見下してやるのさ⋯⋯僕が上だと!
はは、ははははは!!!
準備は出来た。後は、朝までここで魔力を練り込むだけ。
さあ、朝が楽しみだ⋯⋯寒いけど。
早くこい、朝!
何が出るかな!ナニが出るかな!※しません
てれれてんてんててててん!