小休止。
しょーじょしゅーふくちゅー。
⋯⋯。
アンナちゃんよ。
修復率⋯⋯67。
そろそろ動けそうではありますがー。
結界のせいで出られませんワ!
つーか。
外の様子が分かりません。
結界が途中から音も視界も塞ぐ様になってしまいまして。
スティティーラのヤツめ、何してくれんのよ。
あー、本当に何もわからないですわ。
暇。
修復をかなり速く出来るくらいには元気になってきた。
現在の修復率⋯⋯大体、79。
外どーなってるのかしらー。
⋯⋯。
まだ結界開かないなぁ。
万全にしろってことなのかなぁ。
⋯⋯。よし。
寝る。焦っても仕方ない。
起きた。修復率⋯⋯100!
いつでも動けるわ!
だから結界からだーしーてー!
結界を叩いて蹴って⋯⋯かったいなぁ!
早く出してよもー。
まだ戦ってんでしょー。
だーしーてー。
⋯⋯忘れられてないよね?
お腹すいてきました。
結界開くのを待つ間に暴走ラディーちゃんの殺し方をシミュレート。
出来ませんでした。不確定要素が多すぎですわー。
暴走なんて初めて見るし。
とりあえずどんな状況にも対応出来る様にしておこう。
携帯食料をもぐもぐして、待つ。
まだかなー。
!
結界に何かがぶつかったかな!
ヒビと外の空気!
そして⋯⋯血だ。
⋯⋯かなりの衝撃だったから、ぶつかった奴は⋯⋯。
ッチ。
ヒビに剣を入れて、広げる。
結界の向こうにぶつかった奴は居ないね、なら突き通して。
切り裂く!
結界の破壊を確認!
「っはハハハ!ハロハロォ、アンナちゃんの復活ですわァー⋯⋯あーあー。」
⋯⋯マジかー。
眼前。
股から口まで貫かれた騎士達。
無造作に転がった右腕の残骸。
蔦に縛られ、根に食われた探索者が二人。
砕かれた剣の欠片。
それらの目には、既に光は無く⋯⋯。
⋯⋯巫女共は!どこだ!
レーネリアちゃんは!
そして、ラディーは。
多分、あそこに。
ラディーが居た所から生える、禍々しい⋯⋯大樹。
多分、アレなんだろうなぁ⋯⋯。
真ん中辺りに、大きな洞が見える。
多分、あそこなんだろうなぁ⋯⋯。
魔術発動。探査。
⋯⋯中に、巫女二人とレーネリアちゃんと。
見知った様な、反応が複数。
そっか。来たんだねぇ。
なら私も行かないとね。
浮遊して。
枝を伝って、洞へ。
いざいざ、戦場へ!
まってなさいなー!
到着!
「⋯⋯アンナ!」
うわ、ボロボロじゃん、スティティーラ。
「アンナさん、おせーよォ!」
ごめんごめん。
「何とかコアまで到達出来たのは⋯⋯いいですけれど。」
レティシア、死にそうな顔してるんですが。
「もう無理ですわぁ⋯⋯。今はあの方々が戦っておりますわ。」
⋯⋯そうなのね。
「私はまだ行けるぜェ。ちっとばかし、休ませて貰ったがなァー。」
レーネリアちゃんは戦えると。
「私達はここまでだ⋯⋯後は、頼む。」
了解。ゆっくり休んでね。
「後で拾いに来るわ。それまで。」
「ええ。」
んじゃレーネリアちゃん、行きましょうか。
更に奥へ。
否、上へ。
洞の中、ゆったりとした螺旋状の道。
そこを上がって、その先へ。
光の見える出口を抜けて。
「うっわ、そんな風になってるんだ。」
戦闘音。奥には妖しく、禍々しく光るコア。
その手前に、異形の太枝が絡みついた⋯⋯ラディーと思しきモノ。
相対しているのは⋯⋯何でここにいるんですかねぇ。
「ゼルノー、なんで居るのさ。」
「フン、ようやく来たか。」
「おかーさま!」
「遅いですよ、師匠!」
「主役は遅れてくるものじゃよ、ほっほ。」
魔王ゼルノと、ギセン、グランダル、ヒスト、ツィディナ。
「四将勢揃いじゃないのよ。」
そして、細マッチョ、インテリ、ボサロリ、あとテルシエ。
お前ら何なの。
「何、世界の危機なんだ。これくらいしても問題無かろうよ。」
⋯⋯世界の危機?
「お前、気付いてないのか。この堕神、世界すら喰うつもりだぞ。」
マジすか。
「マジだ。」
それは大変な事になってるわねぇ⋯⋯。
「ついでに私のバカ主人共も来てるぜェ。」
⋯⋯?
「仲良し四人組ともいうがなァ。ホラ、今魔王の代わりにアレの相手してる。」
「む、行かねばな。」
あ、ゼルノが行った。で、相手してた三人と入れ替わって。
「アンナさん、お久しぶりですわ。お変わり⋯⋯ですわね。」
「話には聞いていたが⋯⋯本当に魔獣となっているのだな。」
「姿はそんなに変わんねぇけどな、存在感?がちげぇよなぁ。」
あれ、そういや黒みが薄くなってるかも。
ま、いっか。
久しぶり、アウルくん、エリューシャちゃん、アクロイくん。
「言いたい事はそこの真っ白になったバカにも沢山あるけれど。先ずはあの堕神をどうにかしないと。」
「ああ、エリーの言う通りだ。バカに言うことは後でも出来るからな。」
「バカレーネは後回し、と。」
「お前等なァ⋯⋯。」
⋯⋯もしかしてレーネリアちゃん、その姿を見せたのが今初めてみたいな?
「今まで何処行ってたかと思ったらコレだからな。」
「消えたと思ったら真っ白白ーなレーネ。何があったのやら。」
「⋯⋯話は後、今はあっちだ。そろそろ行くぞ。」
ま、いっか。
戦闘に混ざりますわぁー!
実は何気なく世界の危機。外から見ないとわかんないパターンだね!