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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
185/204

堕ちし神と。

神は其処に。

黒の森。


その最深部。


一段高い、その先。


黒い木々に囲まれ。


黒い花の咲き乱れる。


光射す、広場。


その中央に佇むのは。


魔獣へと堕ち、その力を禍禍しく変容させた。


森黒神。


立ち向かうは、魔獣へと堕ちた巫女と、精霊の祝福を受けた錬金術師。


露払いをするは、正義と美の巫女。


周りを固めるは、侯爵家の騎士と、腕の良い探索者。


そして彼等は前へ踏み出す。


堕ちし神の領域へ。


トレイル・ドライアーディが神域へと、殺意を持って踏みしめる。




ドーモ、アンナちゃんです。


言葉は要らない。


ただ、力を持ってして進むのみ。


「サァ、行クヨ。」


ラディー。貴女には、死んでもらう。


「サア、来ナサイナ!サモン・トレイル!シェイド・ビースト!」


魔獣召喚!


かなり、数が多い!


「雑兵は受け持とう。」


「姉御達は、アレを!」


頼んだよ、騎士達、二人組!


「デハ⋯⋯露払いト行コウ。」


「道ハワタシタチガツクリマスワー!」


頼んだ、巫女巫女!


「我等ガ正道!我等ガ正義也!」


「我等ガ美!奴等ガ醜也!」


「「奴等コソ異端!我ガ神ノ名ニカケテ!」」


「ソウダロウ、我ガ神ヨ⋯⋯!」








輪廻ヨ、今ダケハ⋯⋯手ヲ貸ソウ。貴様ガ正義ダ!

醜キモノヲ潰シテシマイナサイナ!








イクヨ、アンナチャン♪







「オーケー、デスワ。」


「ックク、これが巫女ってやつかァ⋯⋯。スゲェじゃん。」


そうかな?


「⋯⋯なら、私は⋯⋯遠き記憶の、幻へと祈ろうか。」


ェ、何それ。


「⋯⋯遠い夢の、遠き背中に。フィーラ⋯⋯。」


誰だろう。


「⋯⋯よし。さァ、行くぜェ!」










懐カシキ遥カ上位ノ憎シキ世界。










「突撃ィ!」


「ッシャオラァ!」


「貴様等ノ魂ハ⋯⋯羽根ヨリモ軽イ!」


「醜悪ナ、消エ失セナサイ!」


「姉御達には近づけさせねえ!」


「雑兵が、消えろ!」


巫女二人が道を開いて。


探索者二人が広げて!


私達が突貫して!


後ろは騎士達が守る!


どんどん行くよ!


ラディーは⋯⋯こちらを見ている。


何を考えているのかは⋯⋯知らない。


「ンな事より眼前突破ってなァ!」


「そうネ⋯⋯フフフフフ。」


進む。


進む!


突き進む!!!


そうして目の前に迫った、くらいで。


「サモン・トレイル。」


「⋯⋯チッ、面倒な⋯⋯。」


周囲にまた、沢山の魔獣!


「こっちは任せなァ!」


りょーかい!


「サモン・トレイル。」


ラディーの前に召喚される⋯⋯ドラゴン!


「ヤッパリ、コーイウノハドラゴンガ出テコナイトネ!」


「邪魔、消えナ!」


「マカセナサーイ!」


あっちょっと。


「遊ンデコヨウ。」


レティシアが吹っ飛ばして、スティティーラと一緒にボコり始めたんですけど。


「イケズダネ⋯⋯。」


いけず⋯⋯?


「まァ、なんだ。とりあえず問題はねーな!」


⋯⋯。


「問題ナーシ!」


それじゃあ、ラディー。


「覚悟ハ、出来てるカシラ?」


「神殺しとやら、してみようじゃあないかァ。」


「殺シテミナサイナ!フフフ⋯⋯アハハハハハハッ!」


双剣担いで、突撃!


突撃、斬撃、禁術発動!


ブラスティラヴァ、いくよ!


「んならこっちはコレで行こうかァ!」


メイス担いで、レーネリアちゃんも突撃!


「創造⋯⋯形成!ゴル・アル・キミア!」


うわ出た、金の濁流!


「バリアー♪」


防がれたわ。


「金ガ周りにあるんだシ。コレいってみようか!」


魔術発動、コンセントレイト・マグナ!


禁術発動!エルヴブラスト!


ほうら、痺れなァ!


あら、効いてない。


「やっぱり、魔術ダメなんじゃねェ?」


そうかも。


「それナラ切り倒すが手っ取り早イ!」


魔術発動、風の刃!剣に纏わせて!


「生成、具現!鎌鼬!」


「⋯⋯チッ!」


避けた、ね。


「避けたなァ。」


ニタリ、と。


「ヤーーッパリねえ!魔獣になった所デ、弱点ハ変わんないノネェ!」


トレイル・ドライアーディ。基本、魔術は効かない。


しかし、物理攻撃に対しては⋯⋯魔族と同じ程度。


近づいてそのまま張り付く事が出来れば、勝てなくもない。


周りの獣を同時に対処が出来るのなら。みたいな。


魔獣になって変わったかと思ったけど、変わらない。


ましてや周りの魔獣は、騎士達と探索者二人が対処してる。


「邪魔な壁は無イ。ナラ、斬るのみヨネ。」


「ブッ潰してやらァ。」


「ソッカ。」


だから遠慮なく死ね、ラディー。


「いっくよォー!」


「そーらァーッ!」


レーネリアちゃんがメイスでぶっ叩く。


私の方に飛んできたのを、二閃!


蹴り飛ばして!


レーネリアちゃんが打ち上げる!


構え。溜めて。落ちてきた所を。


「コウナルノハワカッテタ。」


胸を狙って、貫く!


「ガ、ファ。ワカリキッテ、イタ。」


「なら、死ネ。」


「ダカラ、コレヲマッテイタ!」


「させるとでも思ってんのかァ?」


背中から、お腹に、メイスが貫く。


「ガ、フヒ、ヒヒハハハハハ!トレイル・トレイン・ロア・ア・ロア!」


止まんないんだけどこの子!


「デッド・エンド・オール⋯⋯アウェイク・ソウル!」


「コノ国ニハ、私ノ下僕ガ根ヲ張ッテイル⋯⋯。」


「コノ王都ニハ、沢山ノ魔獣ガ下僕トシテ蠢イテイル⋯⋯。」


「コノ森ニハ、我ガ下僕ガ根ヲ下ロシテイル!」


「ソレラ全テノ魂⋯⋯私ニ、寄越セ。」


「ロア・ア・ロア。グリーディア・グラトニカ。」


魔獣が、木が、草が、花が。


全て灰となって、消えていく。


「邪魔ダヨ、オ前達。」


剣が引き抜かれて、離される。


魂の光が、ラディーに取り込まれていく。


光に包まれ、癒えていく。


⋯⋯ああ。


なんとも。


ムカつく光景。


とっても⋯⋯




勿体ない。


そう思うよね⋯⋯シャムシャラ。








ソレハ貴様ガ喰ラッテ良イ魂デハ⋯⋯無イ!








「エ、アァアアア!?!?」


魂を扱うのなら⋯⋯。


「我が神ノ領域だ、ソレは!」


「輪廻ニ廻ラヌ魂ヲ、我ガ神ハ許サナイ!」


「貴様ニ喰ワセル魂ナド、一欠片モナイ!」


「故ニ!」


「故ニ。」


「故ニ」


「ソノ魂」


「輪廻ヘト」


連レ去ロウ。


「シャムシャラノ巫女ガ⋯⋯貴様ヲ殺ス。」


集え魂!乱れろ魂!


「ソシテ暴レ狂イ踊レ。」


シャムシャラが神技をこの手に。


「「暴レヨ魂、螺旋ヲ踊レ。」」


「ラディーが取り込んだ魂、それを連れ去り踊らせるんだよぉ?アハハハハッ!」


そーれぇ。


「ガ、ガグゲガガ。」


「うっわ、ビックんビックんしてる。くやしいでもかんじちゃびくびくびーっくびっくびっくびっく○ー○ら!みたいなぁっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」


「お、オイ?アンナさーん?」


「いよーっす、フィーラの祝福チャーン?」


もーすぐアレの肉体、耐えきれなくてグニョグニョってなるから離れた方がいいかもしれないかもたぶんきっとめいびーだぜぇー?アハハハハハッ!


「⋯⋯アンナさんではない、ヤバいやつ。⋯⋯テメーが、まさか。」


今アンナちゃんってヴィリアちゃんってー、名乗ってなかったぁー?良くね?なんかよくねー?はいそーです!


「私、シャラたん!今ヴィリアちゃんの中にいるの!」


中にはいないけどね!どっちだよって!


テユーカー、たん、たんだって!ウケる!アッハハハハハハハ!


「あーひゃひゃひゃひゃはははははははは!」


「狂ってやがんな⋯⋯クソが。」


「キミには言われたくねー!ひゃひゃひゃひゃひゃ!」


「⋯⋯ましてや、ヴィリア、っつーのはテメーに連呼されたくねぇなァ?」


「アッハハハハハ!アンナちゃんも狙ったとしか思えなーい!マジうけるわ!ねー、ヴィリアちゃァン???」


「黙ってろクソ邪神。」


「今の名前より全然そっちの方がいいとおもうけどなーっ!魂的にー!ひゃひゃひゃひゃひゃ!」


なんの話って?知らなーい!レーネリアちゃんもヴィリアちゃんって名前持ってるだけー!


ね、フィーラちゃん。


「そんな事よりあそこでイってるラディーちゃんもうすぐ暴走するよー!」


「オイ、暴走だと?」


「いやん♡てなわけでシャラちゃんかえりまーす!ばいばーい!頑張ってネー!ギャハハハハハハハハハ!」


ぷつん、と。


「っ、オェ、っぶゲフォ、っえァ⋯⋯。」


え、な、なに?


「ナニサレタ⋯⋯?」


「⋯⋯アンナさん、か?」


「ソウ、よ。」


内臓被害甚大なのですがこれは何をされたのでしょうかね?


「それとラディーはどうなってんの、あれ。」


「⋯⋯暴走するらしい。」


どういう事ですかねぇ?


「アンナさんの神にでも聞いてくれ⋯⋯。」


⋯⋯。


把握。


「魔術発動⋯⋯なんでもいいや、修復を⋯⋯。」


内臓ぐちゃぐちゃ、せめて戦える様に少しは修復を。


「⋯⋯それより、アイツらはどうしたんだ。」


⋯⋯周りの魔獣、居ないよね。


魔術発動、探⋯⋯査⋯⋯


「っ、オェ⋯⋯だめだぁ⋯⋯。」


外に向かう魔術回路もほぼ焼き切れてるんですが。


出来るのは⋯⋯自己修復と、自己強化くらいか。


「大丈夫か?」


「ギリギリかしら⋯⋯。」


魔獣の回復力とやらも、ほぼ機能してません。


「回復に専念してくれ、それ迄は私が。」


頼んだよ。


座り込んで、目を閉じて。


回復ー⋯⋯。


「間に合ったか。」


「アンナは⋯⋯回復中かしらぁ。」


巫女二人の声が聞こえる。


「先程⋯⋯邪神を降ろしてね。」


「⋯⋯輪廻神か。」


「魂の吸収が途中で乱れたのがそうかしら。」


「そういうことで。」


「で、あの有様か。」


「流石というか⋯⋯まあ、いいですわ。」


「それより、他の奴等は?」


「もうすぐ来るだろう。」


「噂をすれば、ですわ。」


複数人の足音。⋯⋯数は、合ってるね。


「全員無事か!」


「ああ。」


「⋯⋯姉御は。」


「回復中。」


「守護神は。」


「すげぇ悶えてるんだが。」


「⋯⋯吸収を妨害した影響で、もうすぐ暴走するらしい。」


「⋯⋯そうか。」


「ンなら、次でラストバトルってヤツだな!」


「アンナの回復が間に合うかどうか。」


「間に合わなけりゃ、俺達でやるしかねえだろ。」


「無論、そのつもりだ。」


「各自、今のうちに装備と所持品の点検を。」


「ハッ、剣は既に折れてらぁ。だが予備がまだ一本ある。」


「魔力は二割程。ですが、とっておきのクソマズ回復薬が二つ。」


「この鎧はもうダメだな。どれ、軽量化といこうか。」


「矢は既に尽きた⋯⋯剣で行こう。」


「こんなこともあろうかと、ナックルがある。」


「⋯⋯なあ。剣なら作れるぜ。素材なら、地面にあるしな。」


「⋯⋯何?」


「錬金術師をナメんなよォ。⋯⋯大量に作っとくか。分解!形成!構築!」


⋯⋯なんか、地面から出てくる音がする。


「ほう、これはなかなか⋯⋯!」


「好きなのを使え、数打ちみたいなモノだけどね。」


「有るのと無いのじゃ随分違うぜ、助かった!」


「出来れば矢も作りたいが⋯⋯木が、な。」


あ、それなら。


倉庫開放、なんか沢山ストックしてある木!


「⋯⋯アンナさん、休んでろと。」


このくらいなら問題ないのジェスチャー。


「だがまあ、助かる。形成、結合、構築!」


「⋯⋯助かります、レーネリア様、アンナ様。」


「⋯⋯⋯⋯まあ、いい。」


「所で、巫女達は何を。」


「二人で両手合わせて⋯⋯円陣?」


「あれは⋯⋯多分、魔力の共有をしてるんですよ。」


「魔力って分けれねえんじゃねえの?」


「とても息の合った者同士なら、出来るらしいです。」


⋯⋯あの二人ならできるかもね。


魔力をかなり使う技をするスティティーラ。


そこまで魔力を使わないけど、かなり持ってるレティシア。


なら、共有を考えてもおかしくないかな。


「⋯⋯!様子が変わったぞ!」


「皆、構えろ!」


「⋯⋯ヨシ。」


「イケマスカ?」


「何ラ問題ハナイ。」


「デハ、イキマショ。」


⋯⋯修復率、大体46。


「アンナさんはもう少し回復してて。」


⋯⋯ごめんね。


「⋯⋯アンナヲ悪ニ、結界ヲ正義ニ。」


⋯⋯えっ、ちょっと。


「悪ヲ通サヌ光ノ結界。」


ちょっと⋯⋯?


「貴様ノ力ガ必要ダ。シカシテソレハ今デハナイ⋯⋯。」


ああ、もう。


馬鹿野郎が⋯⋯。


「ッ、アアアアアアアアアアアアアアアアAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!」


「来るぞ!」


「今コソ我等、正義ヲ⋯⋯秤ノ裁キヲディアケストラニ示サン!」


「我等ニ⋯⋯ヴェルセキューラノ美ナル戦イヲ!」


「騎士の誇りに光を、フィブラーシュの導きあれ!」


「ここが死地。なら!俺達に⋯⋯エリュシューの凶笑を!」


「我等に岩すら融かす熱を、ヘヴァナイストラの怒りを!」


「⋯⋯フィーラ。今こそ、その叫びを。」


⋯⋯汝等に、シャムシャラの生を。








正義ヲ示セ。

美ヲ求メヨ。

我等精霊ノ導キヲ与エン。

サア、ワラッテ。

怒リニ震エヨ。

遥カ遠キ世界ニマデ。

巡ルトイイヨ。







「いざ行かん!堕ちし神を討ち果たす!」


ここは、神が御座す場所也ヤ。








秤神。戦姫神。精霊光神。守墓神。融岩神。精霊王。輪廻神。

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