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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
181/204

決戦の、朝。

決戦は、もうすぐ。

おはようございます。アンナちゃんです。


⋯⋯。


朝から空気が固いです。


今日は決戦の日だからね、仕方がない。


私も準備して、何時でも行ける状態。


待ってる間、暇ね。


⋯⋯そうだ。


ちょっと魔力消費がでかいけど⋯⋯禁術発動。グローバ・ポインティー・サーチャ。


ざっくりどんな状況か見ましょ。


王都周辺⋯⋯は、同胞が。また増えてるわ。


その外側は⋯⋯軍が。へぇ、かなり出て来てるね。


旗を数え⋯⋯わぁ。生き残ってると思しき貴族の、ほとんどか。家のもあるね。


⋯⋯皆、愛国心の高い事で⋯⋯。


進軍速度からすると、休息入れて二時間ちょいで同胞とぶつかる。


まあまあゆっくりした速度ね。⋯⋯まあ、何も対策しなけりゃ死にに行く様なものだしねぇ。


王サマは合図から一時間後に攻撃するって言ってたし⋯⋯まあ、一時間後で。


それまでゆっくりしてましょ。


⋯⋯と思ったら、ノック。誰かしら。


「アンナ様。陛下がお呼びです。」


城の侍女。陛下が呼んでるってさ。


しょうがない、王の執務室へ。




着いた。


「お呼ビDEATHカ、陛下。」


「うむ。⋯⋯奴等は進軍しているのか、気になってな。」


はぁ。


「そんNAコト、普通ここに居てWAカる訳無いデショ。」


「⋯⋯まあ、そうだな。だが、貴様なら知るアテはあるのだろう?」


ええ。


「大体二時間後ニ衝突スル。合図HA一時間後ニ。二時間後ト少SIニ突撃ヲお願いするWA。」


「二時間後だな。⋯⋯騎士団長。」


「こちらに。」


居たのかよ。


「聞いたな。二時間後だ。それまでに準備を済ませておけ。」


「畏まりました。民へも周知しておきます。」


「頼む。」


騎士団長が出て行った。


陛下が、人払いをかける。⋯⋯この部屋には、陛下と私のみ。


「どうSIタの。」


暗い顔。


「既に民へは攻勢をかける事を周知してある。共に来るか、王都で勝利を祝うか、選ぶがよいと。」


へぇ。


「⋯⋯城に仕える者達にはこう伝えてある。脱出するも良し、戦うも良し。各々がしたい事で、この時を迎えよと。」


⋯⋯まるで、最期みたいな事を言うのね。


「⋯⋯非公式の場だからこそ言うが。悪いが、あの魔獣を見るとな。成功するとは思えんのだよ。」


⋯⋯。


「ましてや、我が妻⋯⋯。国の守護神もが、魔獣に成り変わろうとしている。この状況で、勝利できるとは到底⋯⋯。」


⋯⋯。


「サースリィルには、ここに残って貰った。プリメフィーラは、王都の外に逃がした。我が娘は、プリメフィーラの所に。これでどう転ぼうが、王の血は⋯⋯グラスゴーラは保たれる。」


⋯⋯第三王子と、第一王女。地雷女とくっついたアレと、この国で嫁いだ姫。そして娘。⋯⋯娘いたのかよ。


「後は、進退を見守るのみ。⋯⋯私は、もう疲れた。」


「⋯⋯エルヴィアディン。」


「無力な私を笑うがいい、輪廻神の巫女よ。これが、私の運命(さだめ)だったという事だ。」


⋯⋯おい。


「お前は色々な世界を渡り歩くのだろう。⋯⋯次の世界では、私とも話してくれ。お前の様な奴が居たら、楽しいだろうな⋯⋯。」


「言イテェ事ハソレダケカ、ド阿呆ガ。」


その諦めは⋯⋯頗る、癪に障るわね⋯⋯!


「運命だと?そんなものHA捨ててしまエ。オ前ノ人生、ソレデイイノカ。オ前ノ心ハ、ソレデイイノカ!オ前ノ魂ハ、ソレデイイノカ⋯⋯!」


「⋯⋯お前の様に、切り開く力があればそうするだろう。だが、圧倒的な数。圧倒的な力。圧倒的なまでの暴食に対すれば⋯⋯私は無力だ。」


「ダトシテモ!諦メテハ何モ出来ナイノヨ!」


「諦めたくなどないわ!だが、そうするしか⋯⋯ないのだよ!後悔などとうにし尽くした!せめて、ここまでの状況に陥る前に、など考え尽くした!もはや⋯⋯もはや、遅いのだ!」


涙、か。⋯⋯そう、か。


「⋯⋯ワカッタ。ナラ、モウ何MO言わないワ。」


背を向け、扉へと。執務室から出る。


「⋯⋯私の、弟と妹を。そして娘を⋯⋯宜しく頼む。」


閉める直前、聞こえた言葉は⋯⋯王としての、言葉だった。


⋯⋯。


私も生き残れるか、わからないのにね。


ソウダネ⋯⋯アンナチャン。


懐かしい声が聞こえた気がした。










さあ、行こうかアンナちゃん。

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