二日ぶり?の学園。
なんとなく連続投稿。つーわけで一時間後にもう一個投稿するよー。
やっほっほー、アンナちゃんだよー。朝っ!学園にいる。
「おかえりなさいませ、グリムディア侯爵様!」
「侯爵様の居ない教室は、寂しいものでした……。」
「うん、ありがとう。何か変わりはなかったかい?」
「そうですわね、隣教室の人が処刑されたのと…。」
「噂のあの子が第三王子にかなり近付きましたわ。」
「あら、あの子は隣のヤンチャな人と近付いたのではなくて?」
「え、眼鏡さんじゃなかったの?」
「……筋肉くんでは。」
「ああ、なるほど、よくわかった。」
ッハ!尻軽地雷女がよく動いてらぁ。逆ハーかね?
「フン……度し難い醜さだ。」
「ど、どうされますの?」
「いや、何もしないさ。こういうのは自滅してくものだよ。手を出してはいけない。」
「ですが……。」
わかってねーなぁ。
「だって、さ。面白いじゃないか。今が人生の絶頂、ここから転落するのみだろうね。ハハッ、ウケるゥ。喜劇から悲劇かな?悲劇のヒロインでも気取るんだろうね、でもそれでどうなるっていうんだろうね?狭い世界で満ち足りるなんて、なんとも馬鹿馬鹿しい。アッハハ、ハハハハハハハッ!」
「グ、グリムディア侯爵様……?」
「おっと、失礼。先を想像すると、面白くてね?」
さあさあ早くもっと近付いて、面白くしてくれ。
「……第三王子は、貴女様の婚約者ですのよ?それはよろしいので……?」
ああ、それか。暗く澱んだ瞳で見詰めつつ。
「生理的に合わない奴と婚姻なんて結べると思うかい……?ましてやあんな娘に現を抜かす様な奴と。」
「っ……。」
「それに、私と婚姻を結ぶということは、婿入りになるわけだ。それに耐えられると思うか?アレが。王族って事だけのアイツが。ハッ、こっちから願い下げだ。」
紛れも無い本心ッ!
「そ、そこまでですか……。」
「まず一度も会いに来てねーから。」
「それは……。」
「欲しかったら、あげるよ?」
「いらない……。」
「どうでもいいですわ。」
「アレは、ちょっと……。」
うっは、売れなかった!
「おはよう。」
噂をすればなんとやら!
「さてお嬢さん方。そろそろ授業だ。」
「ええ、ではまた。」
「休憩時間にお話しましょう……。」
「ああ、また。」
さて、席に……
「なあ、グリムディア侯爵。ちょっといいか?」
げ、話しかけてきた。お嬢さん方がめっちゃ見てる!
「…………なにか。そろそろ授業が始まるんだが。」
話しかけるなオーラ全開ッ!!
「兄上の事だ。どこにいるか、お前なら知っているかもしれなくてな。」
「知らないね、第一昨日まで私は領地にいたんたがね。」
「……兄上が襲われた。」
「そうか。」
「生き残りは一人のみ、だそうだ。」
「訃報かね、その様な連絡は来ていないが。それとも生き残りは殿下かい。」
「いや、襲撃者が、だ。兄上は逃げ延びたらしい。」
「ほう、それはよかった。」
「……その生き残りによると、殲滅したのはシャムシャラの亡霊と名乗る女だそうだ。」
「……へぇ。」
いい加減何が言いたい。
「……シャムシャラとは、輪廻神の事を言うらしい。」
あれは禁書のはずだが。
「あれは、お前ではないのか?」
「何を言っているんだ。」
「輪廻神の巫女が、襲撃当日に王都から出立している。そして兄上の所にシャムシャラの亡霊。馬車で飛ばせば休憩を入れても丁度良い時間だ。」
ほう。
「シャムシャラの亡霊は、貴様だろう?」
「馬鹿馬鹿しい。それで?」
なにがしたい。
「兄上を助けてくれた事には感謝する。だが、その後の行方が掴めない。どこにやった?」
「私に聞かれてもな。知らん、としか言えんのだが。」
「直前まで共にいたのだろう。」
「だから知らんと言っている。」
「そんな訳はないだろう!第一、後をつけていた兄上の斥候が……!」
「斥候、か。影ではなく、斥候か。」
しまった、って顔はしない方がいい。
「なるほど、そういう事か。わかってはいたがな。」
「なにを……!」
「……っふふ、神殿に気をつけな。」
兄弟殺しは、重罪。そして異端審問官が来るぞ。
「さて、既に授業が始まっているよ。席に戻らせて貰う。」
去る。
「……ッ、アンナ!」
初めて名前で呼びやがったな。
「お前は、どちらにつく!」
「……私はね。」
勢いよく振り返り、ニタリと笑い。
「私の信ずるモノにつく。我等が神に誓ってな。」
「であれば……!」
「はてさて、私がつく選択肢は二つしかなかったかな?あっはははははは!!!!」
「なっ……!」
今度こそ席にもどろー。あー、時間を無駄にしたー。
さ、センセー授業はじめてー。
「すまんが、もう少し時間を貰いたい。いいかな。」
……誰よ今度は。
「グリムディア侯爵。久し振りだな。」
「……お久しぶりです、騎士団長殿。」
なんでここに。つーか教室めっちゃざわめいてる。
「グリムディア侯爵。私もな、生き残りの取り調べをしたんだよ。……聞くとな、とても君の戦い方に酷似している。強さも、殺し方も。」
「……そうですか。」
「百人殺したのは、楽しかったか?」
「それを聞くか?普通。」
「……君が普通を語るか。」
「……それで、要件はなんだい。」
「なに、この前の頼みで借りが一つあるだろう?それを返して貰いにきた。なに、簡単な頼みだ。」
第一王子の件についてか。ふーん、それで。
「……なんだい。」
「君と、戦いたい。本気が見てみたい。そして、稽古をつけてもらいたい。」
「稽古かよ……。」
「頼む。」
どーするよ。想定外すぎる。
「あ、あの!俺も見たいですッ!見稽古ですッ!」
……武人君ェ……。
「侯爵様の本気、ですか。見てみたくはあります……。」
お前らぁ……。
「断れねぇ……。」
「よし、では宜しく頼む。午後から実技だったな。その時に。」
うへぇ……。
「ああ、そうだ。」
なんすか……。
「……学園長にも話をしないといけない。」
マジかよふざけんな……。
面倒くさい事になった……。
騎士団長は、細マッチョのチョイワル(懐かしい言葉)系ダンディー。