城にて。
姉妹の会話がしたい。
どうもー、アンナちゃんですわー。
客間に通されて、一服⋯⋯と思ったら。
「お姉様ー!」
妹ちゃん。そしてラウディ新当主とその護衛三人組。
なんで私の部屋に集まってくるのかしら⋯⋯。
とりあえず、お茶。三人も同じ席に座らせる。私の部屋だ、好きにさせてもらうよ。
「構いませんわ!お姉様と居られるならそんな事は些事ですわぁ!」
⋯⋯左様ですか。
「えっと⋯⋯シレーティナさん⋯⋯じゃなくて、アンナ様、なのですよね⋯⋯。」
「そうですわ!お姉様は私のお姉様で!アンナ・グリムディアと言うのですわ!」
はい。アンナちゃんです。
「ついでに、グリディナと言う名前もあるぞ。」
ん?
「ノックはしたからな。」
「へ、陛下!?」
「そのままで良い。⋯⋯混ざらせてもらうぞ。」
それと、クソ王弟と地雷女と⋯⋯もう一人。
あれ、何処かで。
「やっほう、屋上の剣客さん。」
あ、サボり魔。
「王宮魔術師長だ。知っている顔だろう。」
うーん、なんだか懐かしいわね。
「それNIシテも、皆老けタWAネ。」
「お前が変わらなさ過ぎるんだ。」
うるせぇクソ王弟。
「⋯⋯その対応も変わらんな。」
チッ。
とりあえず皆でお茶。四人ほど肩身が狭そうですが、陛下。
「自然体でいい、今は非公式の場だからな。」
そう言われて自然体になれる奴がいたらすげーよ。
「⋯⋯なら。普通に。」
⋯⋯すげーのがいた。
「⋯⋯まあ、よい。」
陛下もびっくりだよ。
とりあえず一口飲んで。うん、城のお茶。
「それにしても、本当に変わらないですね⋯⋯。」
「学園にいた時と同じ姿。⋯⋯気になるよね。」
「⋯⋯お姉様はお姉様ですわ。けれど、そこは私も気になりますわね。」
そこを突っ込まれるかぁ。
「⋯⋯。秘密DE。」
「それにその声も、だな。何処かで聞き覚えがあるような。」
「そうだね。⋯⋯恐いと感じるノイズ。」
「⋯⋯⋯⋯キニスルナ。」
四人ほど、少し思う所がある様で。強ばりつつも何も言わず。
「⋯⋯ソレヨリ、私としてHA王妃ノ席が空いTEルのが気になるノだけDO。」
沈黙。
「⋯⋯それは、だな。」
「よい、私が言う。⋯⋯私の妻は、森にいる。」
森?
「黒い森で⋯⋯目覚めを待っている。」
「なんてコっTA⋯⋯ラディーちゃんかよ⋯⋯。」
最悪のパターンかしら。
「その反応だと、今どうなっているのか知っている様だな⋯⋯。」
「見て来TAモノ。」
黒い花を取り出す。⋯⋯少し、端っこが赤に変色してる。
「それは⋯⋯!」
「旅に出RU前ニ、貰っタ。」
「⋯⋯知っている。お前のも、その色に⋯⋯。」
懐から出てくる同じ花。やっぱり、端が赤に。
「ここ数日になってからだ。赤に変わり始めたのは。」
⋯⋯そっか。
「もうスぐ、なんだNE。」
「あぁ⋯⋯。」
沈黙。⋯⋯暗い!
「デ、その話ヲしに来TAノ?」
「いや。来る時の前に雑談でもしようかとな。⋯⋯すまんな。暗くさせた。」
「いきなり来て暗過GIルのヨ!阿呆か!」
「お前陛下に対して⋯⋯。」
「私もどうかと⋯⋯。」
「!?」
うわ、地雷女にも言われてら。
「⋯⋯うむ⋯⋯⋯⋯。」
ヘコんだ。陛下ヘコんだ。
「それはそうと、その⋯⋯地雷女というのは何だ?」
「私ノ事HA聞いてるのDEショ?」
「ああ、そういう⋯⋯。お姉様の過去、ですか。」
「私、何をしたのでしょうか⋯⋯。」
「色々⋯⋯。」
殺されたり処刑されたり邪魔されたり。
「まともに関WAルと禄なコトがNAイ⋯⋯。」
触れたら死ぬ。まさに地雷。
「うぅ⋯⋯。」
「⋯⋯私のクソ王子、というのは。」
「同上。」
「くっ⋯⋯。」
はい。
「お姉様、私は⋯⋯?」
「ちょっと性格の悪い可愛い妹。」
「お姉様ぁー!私はお姉様も可愛いですわぁー!」
抱き着くんじゃあない。
「⋯⋯えっと、私は、その。」
ルナーラ⋯⋯その⋯⋯。
「初絡みDEATHワ。」
「そ、そうですか⋯⋯。」
ついでに三人組もね。
「⋯⋯まあ。でしょうね⋯⋯。」
はい。
数人撃墜したところで。ゆっくりお茶を啜る。
⋯⋯お茶が飲みにくい。離れなさい。
「嫌ですわ!久しぶりのお姉様ですもの!」
はぁ。
こんなシスコンになってるとはね⋯⋯。
というか胸に顔を埋めるんじゃあない。
「ふかふかの⋯⋯お姉様の匂い⋯⋯ふあぁ⋯⋯。」
匂いとか言うな。
「⋯⋯睦まじいな。」
「背後に百合の花が見えます⋯⋯。」
やめんか。
「平然としているアンナ様もなかなかに⋯⋯。」
なによ。
「なんだか⋯⋯。塔を建てたくなる⋯⋯。」
塔ってなんだ⋯⋯。
というか妹よ。服の中に手を入れるんじゃないお腹をさわさわするんじゃあない!
「んへへへへ⋯⋯。」
「そして当主が壊れる、と。ふむ⋯⋯。」
「おねーさまぁ⋯⋯。」
あっこらそこは駄目だから!
あっ、ちょっ。
「ひャんっ⋯⋯!」
「⋯⋯いいな。」
「良いものだ。」
「これはなかなかに⋯⋯。」
「姉御⋯⋯エロい⋯⋯。」
「見せ物ジャNEェ!」
いい加減にせんかっ!
「あいたぁっ!」
このバカ妹⋯⋯!
「愚かな妹にお姉様成分をもっとくださいまし⋯⋯!」
成分ってなんだ。やらんぞ。
「つれないお姉様も素敵ですわぁ⋯⋯。」
「⋯⋯なんだか、その。お姉様という意味が違う意味に聞こえて来ました⋯⋯。」
「大丈夫、私もです⋯⋯。」
何が大丈夫なんだ。
というか、愚妹よ。お前相手がいるのでしょう。
「死にましたわ。」
oh⋯⋯.
「魔獣に食われてしまいました。」
「⋯⋯GOメん。」
ううむ⋯⋯。
「世継ぎは出来てますけどね、ここに。」
ほう。
「⋯⋯そうなのか?」
陛下が反応するの⋯⋯。
「⋯⋯代々かなりの力を持つ侯爵家の跡継ぎだぞ。普通なら、お前が出て行ったのがわからん。」
色々あるんですよ。
「それは、巫女としてか。」
「⋯⋯あの。巫女というのは⋯⋯?」
ルナーラは知らない、と。
「⋯⋯この人は、輪廻神の巫女だよ。あの、邪神の。」
邪神の巫女ですわー。
「そ、そうなのですか⋯⋯。」
⋯⋯そんなに引かなくても。
「コWAクナイYOー。『クヒヒヒヒッ。』」
おまんじゅう!!!
「⋯⋯謁見の時から気になっているが。時たま出る、その禍々しい声。それはなんだ。」
「⋯⋯気にし『ちゃア駄目ですよぅ、おーさまァ?』このクソまんじゅうガ!」
「⋯⋯まんじゅうとは、何でしょう。」
コイツ、いい加減イラついてきたんですけど!
『ナラ、引っ張り出しちゃうー?クヒヒヒヒヒッ!』
出してやろうじゃないのよ!
『魔獣を飼ってるコト、知られちゃうよォ?ムシロ、幻影も⋯⋯イイノカナァー?クヒヒッ、ヒヒヒヒヒヒッ!』
⋯⋯こいつ。
「お、お姉様⋯⋯?」
『信じてくれてる仲間の前で、やっちゃうのかナァ?』
⋯⋯クソ。
まだ、躊躇いがある。
「コレについてHA、突っ込まNAイで。」
「⋯⋯お姉様。隠し事が、多いですわ。」
『疑われてるネー!クヒヒヒヒヒッ!』
こんの⋯⋯!
「⋯⋯失礼SUるワ!」
「あっ⋯⋯!」
窓から出る。⋯⋯逃げ出す。
コイツがいる限り、まともな事が起こらない!
ああもう。
本当に⋯⋯!
おまんじゅうは、何をしているのか。