城!
アンナちゃん、城でわいわいと。
やっはろー!アンナちゃんよー!
黒いフードを被ってますわ!色々面倒くさいし。顔、隠しとこー。
という訳で。
王都!城の前に到着!
兵士がわらわら出てきてるけど気にしない!
「何者だ!ここを何処だと心得ている!」
何者、ねぇ。
「コノ状況デ、わざわざAノ群れを突き抜けて来TA奴に対して⋯⋯何者、NEェ?」
「ヒッ⋯⋯!?」
ヒッ?
『殺気デテルヨォ?クヒヒヒヒッ。』
おっと、失礼。
それよりも。
「ルナーラ・ラウディ様ヨリ、王NI大至急お伝えシTAイ事がアル。通SE。」
「ルナーラ・ラウディ⋯⋯ラウディ家のか!」
「王は今とても忙しい、会うことは」
「通SE、ト言ッテイルンダ⋯⋯聞KOエナイノKAシラァ?」
「な、ぁ⋯⋯。」
『無能ダネ、コイツラ。突ッ切ロウ?』
いやそれはまた面倒くさい事になりそうだし⋯⋯。
よし。
魔術発動、拡声。
「ハァーーーROォーーーゥ!!!!王サマー!エルヴィアディン!聞こえてマスカァー!ラウディ家の令嬢GAめっちゃくちゃ大事ナ情報を野を超え山超え魔獣ノ群レを超えて!はるばる持ってきたノニ門で止められてんですけどォー!」
「き、貴様っ!」
「アーアー!最悪ダナー!外DEハ反撃ノ準備シマクッテテー!王都奪還作戦の発動間近デー!その話について持ってキタノニー!肝心NO王都ガこれじゃア意味無いネー!」
「な、なっ。」
「『何処ガヤラレテー!何処ガ生KIてるかトカー!わかんないNOニネー!アッハハハハハハー!』」
よし。
「そんじゃ、帰リマース!精々ちっぽけなプライドともう無い食料に縋り付いて飢え死ぬといいヨー!」
馬車に戻って。さ、帰ろー?
「シレーティナさん⋯⋯その⋯⋯。」
「言いたい事はすげぇあるが、まずなんだ。話せるのな。」
そこかよ。
「そこですか!?王に対する物言いの方がすこぶる問題ですけど!?」
「⋯⋯知り合い、なの?」
そりゃあ知ってるわ。貴族ですし。誰が王になるとか大体わかる。今回のループで関わってないけどね!
「⋯⋯で、どうすんだ。」
どうするもなにも、ねぇ。会えないなら意味はなし。
「⋯⋯ほ、本当に帰るのですか!?」
しゃーないじゃないの。
「そこの馬車、待て!」
ん?誰かし⋯⋯おおう。
騎士団長だ。名前は割愛。
「王都奪還作戦、と言ったな!話を聞こう!」
ふーん。
飛ばして?
「いやいやいや!?止まるんじゃないのですか!?」
だってー。
「王からの命令だ!城に来い!」
ああ、はいはい。なら止まって。引き返すよー。
「びっくりしますよ!もう!」
王の命令ならしゃーないけどさー。
つーか命令はえーな、思いっきり聞こえてたかしら。
騎士団長にほいほいついて行って、城に行くよー。
という訳で王城!
謁見の間の前、なうですわ。
「⋯⋯これから、陛下とお会いするのですよね⋯⋯。」
「入ったらどうすればいいんだ?」
「作法とか⋯⋯しらない。」
基本的にルナーラの真似して、入ったら進んで、跪けばいいのよー。
「入ったら真ん中まで進んで跪けばいい。お前達はラウディ嬢の後ろで、真似をしていればいい。」
おー、騎士団長さんきゅーですわ。
さ、入るわよー。
扉が開いて、中へ。⋯⋯うん、やっぱりエルヴィアディンだ。老けたわね。
臣下のいる場所に、第三王子⋯⋯王弟だね、と地雷女もいるか。あいつら結局くっついてやんの。
他にも色々見知った顔。あ、妹ちゃんもいるわ。
それはそうと、王妃の席は空席か。⋯⋯⋯⋯まさか、ね。
入ったらルナーラ、三人、そして私の順番に入って、と。
三人、動きカックカクで面白いのを眺めつつ。
跪いたのを見て。
「⋯⋯貴様、なぜ跪かん。」
安定の私ですわ。
「YAっほゥ、エルヴィアディン。と、クソ王子ィ。AH、今は王弟ダッタかしRAァ?光の地雷女ト結局くっついTAンダネェ。」
ピクリとするクソ王子と地雷女。
「貴様、何を!」
「待て。⋯⋯その声、聞き覚えがある。」
あるぇ、王サマと今回ループで話したっけ⋯⋯?
そして妹ちゃん、目を輝かせて⋯⋯気付いたの!?
「私ノコトはDOうでもイイでしョ。報告ヨ、ルナーラ。」
「そうだな。⋯⋯聞こう。」
「は、はい⋯⋯。」
自分で言っといて何だけど、いいんだ⋯⋯。
ルナーラから、ラウディ領地が壊滅した事。
探索者の人と生き残りを逃がした事。
籠城していたら、私が助けてくれた事。
武人君の領地に今いる事。
王都周辺は、凄まじい量の魔獣がいる事が報告されたわ。
「⋯⋯そうか。まずは死んだ者達の冥福を祈ろう。」
うん。
「して、外で叫んでいた内容について、今の報告には無かったようだが。」
「それについては⋯⋯。」
私が⋯⋯いやこれも、ルナーラに。
「読ンDE。」
紙を渡して。
「えと、はい。えー、では⋯⋯。」
軽く読み上げて頂戴。
「⋯⋯作戦概要。基本、魔獣の様子を見つつ進行。期限は王都の食料が尽きる前。それまでに各自用意を。尚、企画、立案のグリムディア家を情報集結地とする。」
「1、王都を取り巻いている魔獣に対して少数による散発的な攻撃。その後魔獣の増減を観測。減少が見られた場合、これを一定数まで継続。」
「これは終わッテRUわ。」
減らしたけど結局すぐ増えたので中止です。
「⋯⋯2、王都内部への侵入、また王城への報告。侵入する隊はラウディ家令嬢を主とし、報告も之に。」
「今デスNE。」
現在進行形。
「3⋯⋯。王都より機をみて合図、後全軍突撃。王都を奪還。」
「謁見後、出SU予定。」
ですわ。
「以上の三段階をもって、作戦とする。布陣、戦力配置等は各自の判断とする。が、国家の存亡が掛かっている事を忘れぬ様に。尚、万が一王都が陥落した場合は全作戦を中止、グラスゴルの維持へと移行する。」
以上。
「⋯⋯ふむ。して、作戦は順調なのかね。」
「ええと⋯⋯。」
「順調DEATHワ。」
懸念はあるけど、概ね順調。
「そうか。⋯⋯合図は、いつ出す。」
「何時DEモ?強いTEいえバ、明日の朝かNA。」
「ふむ。」
伝令が朝出て大体早馬で昼過ぎ⋯⋯そこから各人に回って全てが準備完了するとしたら夜、ハラカラ相手に夜の進軍は危険過ぎるので朝。
「そうか。⋯⋯なかなかに雑な作戦ではあるが⋯⋯この時勢なら仕方が無い、か。」
「マズ連絡が頗る取RI辛いDEATHからネ。」
そこは勘弁してね。
「よし。⋯⋯諸君、明日の朝、合図より一時間後を目安に攻勢をかける。」
「待ってください陛下!その者の言葉を信用なさるのですか!?」
「信用するも何も、ない。我々の食料はもはや尽きている。もって、一週間⋯⋯いや、そこまで持たないだろう。ならば、この話に乗るしか我々が生き延びる道はない。」
へぇ、かなりギリギリだったのね。
「ただただ魔獣に恐怖し、飢えて死ぬか。博打に乗り、戦って死ぬか。⋯⋯私は、戦って生きたい。ならば、攻勢に出るのみ。そうだろう、諸君。」
静かに、けれど深い威厳を持って告げられる声。っくく。
「貴方ナラ乗ってくREルと思ってたワ、エルヴィアディン。」
「フン、乗らざるをえんだろう。アンナ・グリムディア。」
「アRA、やっぱり気づいTEらしタ?」
案の定気付かれてたのねー。まあいいけどー。
フードをとって、顔を見せる。
「アン「お姉様!やっぱりお姉様なのね!」
おおう、妹ちゃんが思わずといった感じで走って⋯⋯抱きしめてきたわ。ついでにクソ王弟の声も遮ってらぁ。
「ヤッホウ。遊びニ来たYO。」
大きくなったねぇ。私は⋯⋯。
「お姉様は昔と⋯⋯変わらない⋯⋯ですね⋯⋯?」
この姿、流石に気付かれますよね。はい。
「しかも、なんだか声が⋯⋯?」
そこも気付くか。チッ。
どこかで聞き覚えの有るようなノイズ、が混じった声だしね。
「色々アルんDAヨ。『色々⋯⋯NE。』」
「お姉様⋯⋯?」
おい、おまんじゅう。
『クヒヒヒヒッ。姉妹の再会⋯⋯イイネェ。クヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ。』
⋯⋯おまんじゅう?
『今ハ、コノ時間ヲ楽シムトイイヨ⋯⋯クヒッ、クヒヒヒヒヒヒヒヒッ。』
何を考えて⋯⋯!
「ウォッホン!⋯⋯姉妹の再会も宜しいが。それはまた場所を移してだな⋯⋯。」
「あぁっ、失礼致しました、陛下!」
⋯⋯はーい。
「では、これにて場を締めよう。⋯⋯と、そうだ。ルナーラ・ラウディ嬢を、ラウディ家当主へと任命する。」
「と、当主ですか⋯⋯。」
いきなりだなオイ。
「指南役として、グリムディア家当主を付ける。⋯⋯構わんだろう?」
「⋯⋯畏まりました。」
妹ちゃんが指南役。つーか本当にいきなりだなオイ。
「任命式は⋯⋯時間が無い、今やらせてもらう。騎士団長。」
「ハッ、こちらに。」
いきなりだなオイ!?ていうか騎士団長、既に用意してあるし。
剣とマント、ラウディ家の家紋付き。⋯⋯まさか何時でも出来る様に全貴族のやつを用意してあったりとか⋯⋯。
おおこわ。
そんなこんなで突如始まった任命式、混乱するルナーラを置いてきぼりにしながら恙無く進んで。
「以上で任命式を終える。これから宜しく頼むぞ。」
「は、はひ⋯⋯。」
そんなこんなでラウディ家の当主様に。
「⋯⋯では、これにて場を締めよう。」
退場。
謁見の間を出て。
「では、部屋に案内致します。」
⋯⋯客間、一人ずつ割り当てられてるわ。はえーよ。
まあ、いいか⋯⋯。
騎士達が慌しく動いて居るのを横目に、部屋へ行きましょー。
おまんじゅうは何を考えているのか。