そろそろ、やらないとね、
旅は道連れ。
や、アンナちゃんですわ。
さあリーダー、答えを聞こう。
「⋯⋯俺達は、参加しない。」
あら。王都に行って、報告するんじゃないの?
「ああ。そのつもりだったが⋯⋯。」
⋯⋯なにかあった?
「魔獣と戦闘があってな⋯⋯。16人。俺も含めて負傷した。まだ復帰出来そうにない。」
⋯⋯そっか。仲間の食い扶持も稼がないとだしね。ならしょうがない、か。
「⋯⋯それで、一つ。シレーティナに頼みがある。」
なにかな。
「ルナーラを、王都に連れて行って欲しい。」
ルナーラをか。
「姉御が了承してくれるのなら⋯⋯三人、護衛に出せる。」
うーん。誰?
「料理が下手なアイツらだ。」
あー。
アイツらならいいか。
わかったわ。ルナーラを護衛共々王都に。
「⋯⋯すまない。俺がミスったばかりに⋯⋯。」
気にしないで。今は休んで、また動ける様にね。
「⋯⋯ああ。これが治ったら、絶対に挨拶に行こう。」
そうして。
「伝えてくる。食堂で待ってろ。」
はいはい。
食堂に戻って、と。
おかみさん、酒をくれ!
「はいよ。昼間っから飲むのかい。」
頑張ったからね!景気づけもあるわ!
麦酒をぐいっと。
適当につまみも頼んで。1人呑み。
このベーコンうめぇ。
三杯目頼んだ所で、酒と一緒に待ち人が来た。
「お久しぶりです、シレーティナさん!」
やっほう、四人とも元気そうね。
「そう簡単には⋯⋯くたばらないよ。」
そう。⋯⋯話は?
「ああ、話はしてある。」
なら早いね。
ルナーラを王都に配達するお仕事。私はアタッカー、三人はディフェンダー。
馬車で群れを突っ切って、そのまま王都の中へ。
「門はどうするのです?」
問題ないわ。いい方法があるのよ。
「それは教えてくれねぇのか?」
ちょっと、ね。
「⋯⋯シレーティナさんの、とっておきですか。」
そういう事。
「とっておき?」
「貴族が持ってる脱出ルートです。王都に入るのも可能な道があるらしいですよ。」
「なるほど。」
「貴族ってのは⋯⋯まあいいけどよ。」
うふふ。
「まあいい。そのとっておきって道までは魔獣の群れを突っ切ってくんだな。」
そうよ。
「ざっとでいいから大体ここら辺通る、とかいうのは教えてくれねぇのか?」
んー。そうね。南門と西門の間あたり?
「⋯⋯ここから一直線か。」
そゆこと。楽よ?
「荒地を走るのですか?馬車が持つでしょうか⋯⋯。」
そこは私の頑丈な馬車で。馬も強靭よ?
⋯⋯なにせ、ゴーレムだしね。
「走れるならいい。」
「さっさと抜けられるなら、それで行きましょう。」
「⋯⋯わかりました、行きましょう。」
よし、決定ね。行くのは、そうね⋯⋯。
『ねェ、ねェ。』
なにようるさいわね。
「何時にするんだ?」
『行くのなラ、二日後ガイイカモよ?』
何故?
「明日でも行けますが⋯⋯シレーティナさん?」
『一番、ベストタイミングってヤツよ。』
何のタイミングだ。
「⋯⋯姉御?」
『キヒヒヒッ。教えなーい。』
⋯⋯信用ならないわね。
行くのは明日の朝で。早く行くに越したことはないわ。
「明日ですね、わかりました。」
「何を考えてたかはしらんが、朝だな。」
「準備、済ませてしまいましょう。」
よろしくね。
『アーァ。ッフフフ。』
このおまんじゅう⋯⋯何を考えている?
⋯⋯警戒はしておきましょうか。
世は地獄。はたまた、天国?