とりあえず、戻る。
取り憑かれたからと言って何か変わる訳でも。
はろろ、アンナちゃんよ。
変なおまんじゅうに取り憑かれて数日。
私は今、実家にいる!
単にやれる事がないからごろごろしてるだけとも言う。だって、王都周辺の同胞、私だけが食べてもつまんないじゃない。中にも外にも沢山人いるのに。
だから、それらの準備待ち。早くしないと王都が飢えるよー?
しかも、魔王一行とセンティリア一行がもうすぐ近くに迫ってるよー。
戦力にはなるけど、国としてはどうなんだろーねー?私はもうそこまで気にしないけどね。
そういやこの前食べ放題した後、王都の兵士でどうも伝わったみたい。まあ、そうなるよね。
あれからたまーに食べに行ってるけど、手を振られる。というか、映像記録する魔道具みたいなの使ってるわねー。
手、振らないけど。
なのであまり変な戦い方はせずに、剣でぼちぼちと。
正直、観られてる撮られてるでもうすっごくやりづらい。なんなのよもー。
『イイジャン、暴れればさァ。』
⋯⋯でたな黒まんじゅう。
『同胞モ結構増えてきたヨ?ソロソロ食べないとまたこの前みたいになるヨ?』
むむむ。
『ソレニ、そろそろ王都モ限界デショ。』
そうね⋯⋯。
うーん。
とりあえず、親二そろそろやるぞー、って伝えよう。
伝えてきた。
いつでもいける、だそうで。
兵站とか後方警戒とか、そういったのだけど十分やってくれると見ていいんじゃーないかしらー。
あと、兵もいくつか出してくれる所を見繕って、話はしてあるとか。
公爵の人達は皆王都の中。なのでお父サマが主導で、かなり集めたとかー。
⋯⋯なら、そっちはお父サマにまかせて、と。
あの街行こうかな。アイツらにも話しておく。
ちょっと出かけてきますねー。
魔術発動、転移!
到着!外壁から少し離れた所!
少し歩いて。門番さんどーもー。
「⋯⋯!生きて帰ってきた!」
何を言ってんのか⋯⋯ああ、魔獣がどうのとか言ってた気が。
まあいいや。スルー。
アイツら探そ。
魔術発動、探査。知ってる反応を探す。
⋯⋯⋯⋯。
いた。まだあの宿屋か。数は⋯⋯28。へぇ、ルナーラはここに留まったのね。
ここの領主はかなりいい人だけど。なにせ⋯⋯武人君の兄貴。
イエス!ここは武人君の実家の領地!昔っからここで王都防衛をしてる家!
たしか伯爵。
そんな所だから、守ってはくれると思うのよ。多分、そういう話も出てる。
けどここに居るってのは⋯⋯ま、いっか。
本人がそれでいいなら。
もしくは、王都着いてから、とかなのかも。
まーいいけど。
さて、宿に突撃しようか。
盗撮魔@兵士。