また黒い森!
一旦小休止。
やっほ、アンナちゃんよ。
「ヤッ!ホーーーーー!!!!!レピィちゃんヨ!」
⋯⋯⋯⋯。
「コダマしないネー⋯⋯。」
ここ山じゃないから。
「チェー。」
また、繭の前にいる。
ところでこの繭、いつ孵化するの?
「ンー⋯⋯わかんない。」
⋯⋯おい。
「多分、結構先か、もうすぐじゃないかナー。」
⋯⋯曖昧ね?
「まあいいじゃん。それまで遊んでイレバ。どうせ孵化したら、ここら辺が大変な事になるんだシー。」
それはちょっと困るんですが。
「ナンデ?この国ニ愛ナンテナイデショ?」
⋯⋯。
「ソレニ。どうせまた別の世界行クノデショウ?」
⋯⋯何故知っている。
「ソリャあ⋯⋯私が私だからネ?」
わかんないわ。
「私達、そして主は貴女に少しだけ興味を持っているカラネ。クヒヒヒヒッ。」
⋯⋯嫌なのに目をつけられたかしら。
「トハイエ、まだなんか変なのイルネ、くらい。過去に何回か接触はしてると思うけどネ?」
うーん?覚えてない。
「マ、それより凄く興味を惹かれテルノモ居るからネ。そっちの方行ってるんじゃないかナ?」
へぇ。ま、そいつには犠牲になってもらおうかしらー。
「多分、もう少ししたら会えるんじゃないかなー?」
⋯⋯ふぅん。
「それより、マタ同胞が増えてきたヨ。」
湧くの早いね?
「同胞が死んだ後ニハ瘴気が漂う。それが多ければ多いほど、それは澱んで、靄になる。その靄からは、純粋な同胞が生まれやすいンダヨ。」
⋯⋯何だって?
「同胞を同じ所で殺せば殺すほど、濃縮されて強い同胞が出るんダヨネー。そしてそれは、同胞同士で喰らい合うンダヨ。」
⋯⋯それって。
「ソウ。同胞同士で喰らえば、更に濃縮サレル。ソウシテ濃く、強く。濃縮された靄は、身体に石となって。身体を動かす膨大な力になるんだよー。そうしてさらなる先へと進んで化ケル。」
同胞を食べるという行為は。
「ンフフ。その身体に、力を蓄える事になるネ?⋯⋯アンナ・グリムディア。貴女ハ、どれだけ食べたカナ?ここで殺した数、どれくらいカナァ?」
それじゃ、まるで。
「蠱毒⋯⋯ダネ?」
蠱毒ノ王。
「アレ、気付いてなかったノ?貴女、既に⋯⋯モンスター、ダヨォ?なんでそんな力を維持出来てると思ってるノ?ナンデ同胞をそんなに食べたくなると思ってたノ?ナンデ、腕で同胞ヲ食べられると思ってたノォ?」
⋯⋯⋯⋯。
「アンナ・グリムディア。貴女は、モウ。人じゃないンダヨ?自覚、しなさいなァ。」
⋯⋯⋯。
いや。
私は、まだ。
「真っ黒な身体、真っ赤な目。靄を纏って、全テヲ喰ライ侵シ染メル。どう見ても、同胞ダヨネェ。」
私は⋯⋯!
「私ハ未ダ!人間ヨ!」
この魂が、人で在り続ける限り!
「⋯⋯アッソォ。ま、いいけドォ。魂トカ、私にはわかんないシィー。」
貴女とは、違うのよ!
「見てて面白いカラいいけどネェ。⋯⋯⋯⋯ああ、そうだ。いい事思い付いたワ。」
⋯⋯何よ。
「貴女の事、近くで見ててあげるネ?」
え?
「間借りスルネー。」
あっちょっ、何して。それ私の影⋯⋯にぃ!?
⋯⋯入っちゃった。え?
「暫ク、ここに居るカラネー。ンフフ。話相手くらいにはナルヨー。ヨロシクゥ。」
⋯⋯⋯⋯。
と、取り憑かれた⋯⋯。
どうすんのよこれ⋯⋯。
「とりあえず、同胞でも食べたらァー?ドウセ、もう同胞無しじゃ生きられないデショ。」
そ、そんなことは⋯⋯。
食べたいけど⋯⋯。
「大人しく欲望に素直になっちゃいなよユー!」
⋯⋯はぁ。
どうしよ⋯⋯。
取り憑かれたァ!