あんのうんえっくす!
何かと遭遇するよ!
やあ、アンナちゃんよ。
ここはラディーちゃんの森、最深部。
探査ではここら辺に、ラディーちゃんっぽい反応?と、その周辺にノイズ。
⋯⋯ノイズってのが気がかりだけど、とりあえずそこに向かってる。
あれかな⋯⋯遺跡で会った女。あれもノイズ発してたし。
会ってみればわかるか。
もうすぐ。この一段高くなった所を乗り越えて⋯⋯と。
到着!
泉のある、開けた場所。黒い花、黒い木、黒い葉。上から光が差し込んで、綺麗。
⋯⋯な、場所なんだけど。
あれは何かな。禍々しい見た目の、塊。
近付いてみる。⋯⋯でかいわね。
黒と、赤。微妙に動いてる。表面に捻じ曲がった木とか蔦が這ってるわ。中は⋯⋯液体?
「触ラナイホウガイイヨォ?アハハハッ♪」
誰っ!
⋯⋯あれ?振り向いても、誰もいない。
「下ダヨ、下。ココダヨォー?」
下。⋯⋯⋯⋯黒い、なにこれ?スライム?
⋯⋯魔獣?
「プルプル、私ハ悪イオマンジュウジャナイヨー♪」
おまんじゅう⋯⋯。おいし
「オイシクナイヨッ!?」
チッ⋯⋯まあ、いいわ。
それで、これは何?
「ソレハネ♪貴女モ入ッタコトアルデショ♪ウフフフフ!」
⋯⋯え?
「優シイ優シイ揺リ籠、暖カイベッド♪ソノ中デ同胞ハ、一ツ先ヘト進化スルンダヨ♪」
揺り籠⋯⋯。
「ナンデコノ街、コンナニモ同胞ガ集マッテルト思ウ?」
⋯⋯まさか。
「ソウ、コレハ繭。⋯⋯サテ、コノ中ニハ誰ガ入ッテイルデショーカ♪」
お前⋯⋯!
「アア、私ジャナイヨー?私ハタダ、見ニ来タダケ。」
「コレガ私ノ同胞ト成リウルカ⋯⋯。」
「神ト信仰サレルモノガ、私ノ主ヘ近付ク為ノモノト成リウルカ?」
黒いモノが。グニョグニョと、大きく形を変えて。
「私の主、その元へ。近付く為のモノに成りうるか、よ。ねえ?アンナ・グリムディア。」
黒い身体。赤い瞳。魔獣、されど魔獣とは一線を画した。
「レピィは只それだけを見に来ただけヨー。ンフフ。」
レピィ⋯⋯え、えぇー⋯⋯。
誰?
あ、ズッコケた。
「いやあの、この状況で私が誰かわからないとか言わせないヨ?」
ごめん、わからないわ。生憎、魔獣のお友達は居ないのよ。
「⋯⋯話に聞いてたアンナ・グリムディアじゃない⋯⋯。冷たい⋯⋯。」
スライムのお友達も居ないのよー。
「スライムじゃない⋯⋯。」
おまんじゅう?
「悪いおまんじゅうじゃないよー⋯⋯。」
なるほどおまんじゅうちゃん。
「違うからァ!私はレプリエイラっていう名前があるのヨォ!」
あー。なるほどー。いい名前ねー。
「ンフ!主に貰った名前ですから!いい名前に決まってる!」
そうねー。
で、これどうするの?
「何もしないヨ?出てくるのを待つダケ。」
そう⋯⋯。外の同胞、どうする?
「食べたら?美味しいよ?」
そうね、美味しいわね。
「それに、アンナ・グリムディアの怨敵もいるヨ?」
⋯⋯怨敵?
「ホラ、殺されかけたモンスター。アレ、この群れのボスやってるヨー?」
⋯⋯ほう。
ねえ、一つ。お付き合い願えません?
「エー。人の為ニ戦うのとかヤダー。」
人の為?そんなの私もイヤよ。
私は私の為に戦うのよ。あとお腹空いた。
「アァ、確かにお腹空いたネー。」
外食といきませんこと?
「⋯⋯それならいっかナー。アイツら美味しいしー。」
それじゃ、この繭が孵化するまで食べまくりましょ?
「オッケー。⋯⋯アー、人の姿とった方がイイ?」
後々面倒になるからね、それで。
「リョーカーイ。」
またグニョグニョ。おー、肌の色まで完璧。外ハネ黒髪の美少女。可愛いわね。
目、それどうにかならないのかしら?
「ンー⋯⋯アー⋯⋯これでどう?」
黒か。ま、いっか。
よし、じゃあいきましょ。
「食べ放題!同胞には少しも悪いと思ってないけど!」
そんなものよねー。
よし。なんか色々準備とかすっ飛ばしてるけど、気にしない!
食べ放題の開幕よー!
⋯⋯ある意味元凶なんだけどそれ。何仲良くなってるのアンナちゃん⋯⋯。