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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
163/204

次の街までの道中!

旅をしよう。

やっほ、アンナちゃんよ。


28人の探索者、そいつらが王都を目指すのについて行ってます。


ああ、自分の馬車で一人ね。


探索者達は、五人一組で動いてるわね。


「それにしても姉御、よく魔獣が跋扈する中で一人旅できたな?」


「バッカお前、あのぶっ殺された魔獣を見ただろ?」


「一人でも十分動ける力か、すげえよな。」


「俺達のランクでいったら⋯⋯A1とかいってそうだよな。」


「AAとかいくんじゃね?」


「そんな気もするわ⋯⋯。」


なんか色々話してるのが聞こえる。ま、気にしない。


「それはそうと、姉御やっぱり喋らないんだな。」


「全部ジェスチャーよね。あと多分、魔術も使ってる⋯⋯。」


「だろうなぁ。あの適当なジェスチャーで何が言いたいかわかっちまうんだもんなぁ。」


「かなり高名な魔術師なんじゃないかしら。」


「かもしれねぇな。」


魔の将でしたが。


「とはいえ名前がわかんねぇんだよなぁ。」


「聞いてみる?」


「そうしようぜ、名前がわかんねぇのも何だしな。」


「姉御ー!」


なにかしら。


「そういや姉御の名前聞いてなかったわ!何ていうのー!」


馬車間の会話だから結構大声ね。


名前、名前かあ。


アンナ、グリディナ、リディナ⋯⋯はやめとこ。なんとなく。


困ったような笑みで、答えておく。


「名前、ないのー!?」


うーん。


「名前がねぇってのはとんでもなく珍しいな。」


「覚えてねえとか?」


「姉御ー!名前、覚えてねえのかー!?」


困ったような笑みで返す。


「マジだな、ありゃ。」


「記憶喪失ってやつかも。」


ま、そういう事にしておくか。


「ならさ、思い出すまで私らが名付けるってのはどうなのよ。」


「アリだな!」


「姉御にも確認しておこうぜ。」


「そうだな。」


「姉御ー!名前無いなら私らが名付けちゃってもいいかなー!」


んー。まあ、いいんじゃない?変なのは拒否するけど。


「おっけーだってさ。」


「なら野営の時に話し合おうぜ。」


ま、期待はしないでおく。


そんな事より付近に反応。


馬車は自動追従にしておいて。よし。


左、林の中に反応20。ハラカラだね。


馬車の上に乗って。


「なあ、姉御何してるんだ?」


「左を見て⋯⋯警戒か!」


「他の馬車にも伝えろ!」


いいね、気付いてくれた様で。


⋯⋯さあ、カワイイ子達。こっちにいらっしゃいな。


林からハラカラが出てきた。うん、20。


「魔獣だ!」


「多いぞ!」


「戦闘体勢!」


多いのか。


魔術発動、風の刃。その場回転、20程。


それを高速で射出。


ハラカラの開きが20、出来上がりですわ。


「な、マジかよ。」


「今の魔術よね⋯⋯。」


「一瞬かよ⋯⋯。」


魔術発動、テレキネス。ねんどーりきってやーつよ。


果実を引っこ抜いて、私の手元に。んー、5個か。チッ。


御者台に戻って、と。


なにしてるの、他のが群れる前に早く行くわよ。


「お、おう。進むぞ!」


何事も無かったかのように進むのですわ。


「⋯⋯姉御、クッソ強ぇよな。」


「一瞬だったぜ、一瞬。」


「全く見えなかった⋯⋯。」


「味方で良かったってこの事だろうな⋯⋯。」


「何者なんだろうか⋯⋯。」


ふぁ、暇。なんか眠くなってきた。


軽くお昼寝しましょ⋯⋯。


すやすや。






私に近づく影!


「っ、姉御、俺だよ俺!」


なんだ、リーダーっぽいのか。


「とりあえずその剣を引っ込めてくれねえか⋯⋯。」


ああ、ごめんなさい?


「っふぅ⋯⋯なんつー剣速だよ。」


それで、到着したのね?


「ああ、ここを今日の野営地点にするぜ。」


わかった。


周りにトラップを設置して、敵が来たらわかるようにして。


野営。


へぇ、ご飯作るのはローテーションなのね。


「そういや、姉御って飯つくれるのか?」


もちろんです。


「バッカお前、一人旅してんだから作れるに決まってんだろ。」


「前に携帯食料しか食ってねえ奴とか居てな⋯⋯。」


「⋯⋯それ、何が楽しくてやってたんだよ⋯⋯。」


「さぁ⋯⋯。」


悲しいわねぇ、それ。


「それでだ、姉御。あの三人の所なんだが、あそこは戦うのはつえぇんだが⋯⋯飯が誰も作れなくてな⋯⋯。」


ああ、あそこの担当に入って作れと。


「そういう訳だ、アイツら使ってくれ。⋯⋯今日の飯担当、アイツらなんだよ、頼むぜ。」


りょーかい。


準備してる三人に近づく。


男二人、女一人。よーっす。


「姉御じゃねえか、どうした?」


飯作ってくれってさ。


「ああ、頼むぜ⋯⋯俺等じゃなぁ。」


「私が作ると毒になる⋯⋯ふ⋯⋯。」


「肉焼くくらいしかできねえぜ!」


お前等よくそれで今まで過ごせてたな。


「元々飯のうめぇやつがいたんだが⋯⋯な。」


なるほど。任せっきりだったのね。それならしょうがない、か。


それじゃ、作りますか。手伝え。


材料は何があるかな、っと。


ポテト、干し肉。⋯⋯他には?


「肉ならあるぜ!狩ったのがな!」


調味料は?


「次の街に行くまで使えるのは塩とコショウだけ⋯⋯あとは毒草と薬草しかない⋯⋯ふふふ⋯⋯。」


酒は?


「あるぜ!」


うーむ。


その薬草みせて。


「はい⋯⋯これ⋯⋯。」


あ、これ香草にもなるやつ。というか香草。


「薬草を使うの⋯⋯?」


ええ、美味しくなるわよ。


あ、にんにくもあるのね、それもいいかしら?


「美味しいものが食べられるのなら⋯⋯どうぞ⋯⋯。」


それじゃ、つくりますか。


とりあえずお前等、手洗え。


洗ったら、始めましょ。


先ずは肉を捌いて、と。


食べられる所と硬いスジのところに。


小さめの鍋に水、スジを投入して沸騰。


ねえ、15分くらいしたらこのザルにだばぁして?


「わかった⋯⋯ふふ⋯⋯。」


やってもらってる間に、柔らかい肉を骨付きで、食べやすい大きさに。


ニンニクを剥いて、粒を半分に。


ねえ、この肉にニンニクを擦り付けてくれない?


「切り口を擦り付けるのか、わかった。」


「全部にか?」


全部に。多いから二人でやったら早いわよ。


「おうよ、任せとけ。」


その間に香草を刻んで、ポテトを一口大っと。


「やったよ⋯⋯。」


よし。水で洗って、汚れとか落として。


食べやすい大きさに。


ボウルに酒と塩とコショウ、あとスジ。もみもみ。


「全部擦り付けたぜ。」


にんにくのクズは?


「ここに。」


よし。


鍋に水、沸騰させて。


塩とコショウ投入。


そこにスジとポテトを投入。


自前でネギ、これを大きめに切って投入。


擦り付けて小さくなったニンニクも投入。


これ、白いの出てきたら掬いとってちょうだい。


「わかった⋯⋯ふふ、料理してる感じする⋯⋯。」


料理です!


擦り付けて貰った骨付き肉、これに自前でオリーブオイル。そこに香草をまぶして。


熱した⋯⋯かなり大きいフライパン!に。


焼く。一回で大量に焼けるフライパンってもはや鉄板な気がするけど気にしない。


蓋をして、放置!あとは焼けてくれるのを待つ!


「白いの、出てこなくなったよ⋯⋯。」


よし。上に浮いてる小さいのを捨てて、と。味見。


まあまあね。


あ、肉焼けた。よし。


盛り付けして、と。


完成。そうだ、手洗って。酢を入れた水でね。


「おお、悪いな!」


「流石に臭いですからね⋯⋯。」


「にんにく臭い⋯⋯ふふふ⋯⋯。」


爪とか溝とかよく洗ってね。


よし。


さ、食べましょ。


「出来たぞお前等!」


「姉御の手料理だ!心して食え!」


「絶対美味しいから⋯⋯ふふふ⋯⋯。」


私はほぼ見てただけよ。


「お前等がいるっつーのがなぁ⋯⋯。」


「心配よ⋯⋯。」


文句言わずはよ食え、冷める。


「頂きます。」


「うめぇ!?」


「なんだこれ!?」


「美味し⋯⋯!」


「こんなの食ったことねぇよ⋯⋯。」


「お父様⋯⋯お母様⋯⋯ぐすっ。」


なんか一名気になるのがいるけど、とりあえず私達も食べましょ。


「うめぇ、うめぇぜ姉御!」


「最高だ⋯⋯!」


「美味し⋯⋯嫁になって。」


ノー、で。


んー、まあまあね。スープ、濾した方がよかったかなー。


まいっか。


ところで、あの泣いてた子ってなに。


「あの子は⋯⋯領主の娘。」


「アイツだけが生き残ったんだよな。」


「使用人が体を張って守っていたんですよね。」


「今は⋯⋯魔獣憎し、で戦ってる。」


なるほど、ね。⋯⋯私の料理で泣くのはびっくりだけど。


色々思い出す所もあるんでしょ。


さて、ごちそうさま。


食べた皿を回収して、洗い物。三人は座ってていいよ。


「拭くの、手伝う⋯⋯。」


んー、わかった、よろしく。


ざばざば洗ってる、そんな時。


「なあ皆!姉御の美味い飯で満足した所で一つ、話したい事がある!」


おや、リーダーの。


「姉御、名前が無いらしいんだ!というか、覚えてないらしい!」


そういや昼あたりになんか言ってたな。


「そこでだ!姉御が名前を思い出すまで、皆で姉御の名前を考えたい!」


⋯⋯ま、いっか。


「そういう訳だ、いい名前を考えてくれ!」


はい。


⋯⋯私は片付けしてよう。


「ねぇ⋯⋯記憶喪失?」


そういうことにしてるけど。


「名前を知られると不都合⋯⋯?」


王都だとね。


「⋯⋯貴族絡み?」


まあ、一応ね。


「話せるのに話さないのも?」


⋯⋯。


「訳アリ⋯⋯かな。」


そういう事にしておいて。


「わかった⋯⋯秘密にしとく。」


よろしく。


「ん⋯⋯ちなみに、この流れは⋯⋯嬉しい?」


⋯⋯面白いとは思ってる。


「本当の名前は⋯⋯なんていうの?」


⋯⋯。


「そっか。⋯⋯私はニーナ。呪士、ニーナ。」


ニーナ、ね。


「いつか、本当の名前⋯⋯聞かせてね。」


ええ。


「呪うかもしれないけど。ふひひ⋯⋯。」


おい。


「それはそうと⋯⋯拭き終わった⋯⋯。」


⋯⋯まあいいや。片付け終わりね。


あっちでも決まったみたいね。


「姉御、幾つか用意した。気に入ったのがあればいいんだが。」


どれどれ。


⋯⋯。


⋯⋯⋯⋯。


少し、考えさせて⋯⋯。








また名前が増えるよ、アンナちゃん!!!

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