街に到着、よ!
ぶらり馬車で行く食べ歩き紀行。
やっほう!アンナちゃんだよ!
馬車に乗って街道を進む!うーん、のどか!
途中でハラカラを見つけたら食べて、さらに進む!
それにしても人いないなぁ、この時間って結構通るの多い気がしたけど。
やっぱりハラカラが多いからかしら。からからからー。
誰もいない道を、どんどん進む。
この道を進むのはワタシなんだからー!みたいな。
あ、馬車の残骸だ。ハラカラもいないね、けど新しめ。
軽く物色。んー、これはこれは。
貴金属が沢山。ついでに家財道具も?
引越しかしらね。金目のモノが取られてないから、ハラカラがやったのねー。
売れそうなのは貰っておこう。金があるに越したことは無い!
全部倉庫に、さあ進むよー。
からから、からから。
退屈。
んー、進むのはゴーレムに任せて、軽くお昼寝しましょ。
御者台に座ったまま、うとうと、すやすや。
すぴー⋯⋯。
⋯⋯ん。
結構寝てたみたい。
ここはどの辺り⋯⋯ああ、結構進んだみたいね。
王都から二つくらい隣の街が近い。
あー、どうしよ。
迂回する道もあるけど⋯⋯。
王都に急ぐならこの街を通るのがいいのよねー。
よし、急ぐ旅でもないけど。入るかー。
門に向かって進む。⋯⋯並んでる人、いないね。
ちょっと様子が変。
魔術発動、探査。広域。
⋯⋯⋯⋯あー。
人の反応が少ししかないね。むしろハラカラの方が多い⋯⋯ふぅん。
ハラカラにやられた街、か。だから通る人居なかったのね。
まー、大変ね。とりあえずご飯にしよう。
街に入って、と。
ハラカラの踊り食いバイキング!
馬車でぐるっと回って、見つけたのを片っ端から食べる!
美味しいね!
見つけて探して、ひとつ残らず!
食べ尽くしてやったわ。けぷ。
⋯⋯おや、人の反応あり。行ってみましょ。
到着!馬車とゴーレムをしまって。
ここは⋯⋯なんだっけ。
ああ、そうだ。探索者が集う所。国営な傭兵じゃなくて、民営の探索者。
自由度はこっちの方が高いよね、うん。
で。
入口が開きません。中から板とかで打ち付けられてるね。釘見えてるし。
どこから入るのかな、っと。
⋯⋯ああ、梯子。たしかにこれなら普通のハラカラは入れないね。
登って。
こんにちはーですわぁ。
「っ、誰だお前!」
「ヤツらか!?」
「まて!人だ!」
いえす、人間。
「どうやってここまで⋯⋯!」
「危険じゃなかったのか!」
「⋯⋯!服の血⋯⋯返り血か!」
あらやだ、汚れてた?
魔術で綺麗に。
よし。
「⋯⋯倒したのか!?」
そうですが。
「強そうに見え⋯⋯なくもないな?」
「とりあえずその剣、仕舞おうぜ?」
おっと失礼。
「まだ、外に居るのか?」
「どれほど残っているんだ?」
死体だけです。
「っ、おい!確認するぞ!」
「必ず五人一組で行くんだ!ヤバイと思ったら直ぐに戻ってこい、いいな!」
「おうよ!」
いってらっしゃーい。
「それで、だ。外はどんな様子だった。」
人っ子一人いないね?
「⋯⋯そうか。そりゃあそうだよな⋯⋯。」
なに、結構長め?
「この街がやられたのは⋯⋯一ヶ月程前だ。領軍は壊滅、傭兵は撤退。俺達も残ったのは逃げきれなかったからだ。」
ほー。
「ここに籠城して⋯⋯スキをみて戦えない奴らを逃がしながら、既に一ヶ月だ。残るのは俺達⋯⋯えぇと、28人か。」
結構逃がしたのかな。
「最初は寝転ぶ隙間も無かった程だったんだが、なんとか⋯⋯な。」
頑張ったねぇ。
「ありがとよ、だがまだ終わっちゃいねぇ。全員生きて、この街から出る。」
そうだねー。
「⋯⋯すまねぇ、会って早々愚痴っぽくなっちまって。」
いいのよ。
「おい!外、すげぇぞ!」
「どうした!?」
あ、戻ってきた。
「動くモノ、何にも居やしねえ!全部くたばってやがる!」
「スッパリ逝ってやがったぜ!清々しいくれぇにな!」
「なんだと!?」
「なあ!今なら⋯⋯!」
「っ⋯⋯!」
「またと無ぇチャンスだぜ!」
「お前等!準備しろ!!!」
「おうよ!」
「あれ全部お前がやったのか?」
はい。
「⋯⋯ヤベェ、すげぇぜ!ありがとよ!」
はいはい。
ドタバタしてるねー。ま、ここから出る機会窺ってたみたいだし。
あ、結構若い子もいるのね。老若男女、28人だっけ?
へぇ、馬車もあるのね。馬、よく残ったね。
「準備完了!いつでもいけるわ!」
「こっちもだ!」
「全員揃ったな!」
「おうよ!」
「忘れ物はねえな!」
「ああ!」
「未練はねえな!」
「ありまくりだクソッタレ!」
「よし、行くぞ!目指すは王都!」
「応!」
元気ネー。
「なあ、お前⋯⋯いや、姉御。」
姉御⋯⋯初対面なんですが。
「姉御もくるんだろ?」
んー。
ま、いっか。付いていくのも退屈しなさそうだしね。
「よし!王都までよろしくな!」
はいはい。
馬車の一団に付いていくことにしましたよっと。
⋯⋯しばらくハラカラは食べれなさそう、まいっか。
はてさて、アンナちゃんは何か喋ったかな?