表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
160/204

そろそろ。

歩む道程は。

⋯⋯アンナよ。


また、時が進んで。


4年。


私、アンナさんじゅうさんさい。


あれから直ぐ、私はあの浜辺を引き払った。


町の人には、大事な用事ができた、と。


あの子達には、書置きをひとつ、遺して。


私は、旅に出る事にした。


何処に行く、当てもなく。


街を避けるように。


荒野。草原。森。山脈。砂漠。大雪原。


歩いて進む。


この世界を。


私の足跡を付ける様に。


⋯⋯。


あれから、あの夢をよく見るようになった。


夜。昼。朝の微睡み。


全て、あの夢。


どんなに浅く眠ろうとも。


とんなに深く眠ろうとも。


喰ラエ。


喰ラエと。


私に囁く。


正直、煩くて適わないわ。


しかも。


あの夢を見る度、身体の黒が進んでいる気がする。


いや、気の所為なんかじゃないわね。


ゆっくり、確実に。今迄よりも速く。


⋯⋯そろそろ、潮時なのかもしれないわね。


そう思いながら、今日も歩き続ける。


歩けど、歩けど。


魔獣。


どんな所にも、魔獣。


街の近くにも、魔獣。


人の入らない場所にも、魔獣。


獣は、たまに見かける。


私は、見かけた魔獣を片っ端から殺していく。


例え、相手に戦意がなくても。


例え、擦り寄る様に近付いてきたとしても。


例え、服従の意思を見せたとしても。


私は、コイツらを殺していく。


⋯⋯。


否。


喰らっていく。


剣を振れば。


肉は切り裂かれる。


右腕で魔石に触れれば。


それは取り込まれていく。


満腹感。


けれど、お腹は空く。


魔獣の肉を焼いて、食べる。


靄が残っていても、それは美味しい。


最近、鏡は見ていない。


否、幻影は見ている。


けれど、幻影の下は見ていない。


きっと、もう真っ黒でしょう。


最近、幻影も⋯⋯効かなくなってきているけれど。


右腕の結界は、既に壊れた。


もう一度、張り直す。


靄は閉じ込めた。


けれど、色はもう隠せない。


真っ黒。


真っ赤。


影のように、真っ黒。


けれど。


私は私。


例え身体が魔獣になろうとも。


私の心が。


否。


私の魂が在るのなら⋯⋯!


「私HA、人GEンだ⋯⋯!」


私が私で在る限り。


私は、進ム。


進み続ける。




「あらあらぁ。これはまた、珍しいものを見たわねェ⋯⋯。」


⋯⋯?


「まるでレピィだこと。⋯⋯っふふ。これはまた⋯⋯愉快愉快。」


誰⋯⋯っ!?


「ああ、振り向かないで。囚われてしまうから。」


とても、危険な。


「ふぅん⋯⋯いい魂をしているわね。よきかな、よきかな。」


とても、懐かしい。


「内なる姿を曝け出しなさいな。」


初対面の。


「狂気を。」


狂った様な。


「冷徹を。」


凍え冷えた。


「恐怖を。」


恐ろしい。


「さあ、貴女。」


囚われてしまうほどの。


「しばらくゆっくり、眠りなさい。そしてその後は⋯⋯。」


黒く禍々しい。


「いつも通りに⋯⋯遊びましょう?」


聲。


「いつまでも美しい、貴女を魅せて⋯⋯?」


WATASHIHA。


ワタシは。


私は。


⋯⋯。


⋯⋯⋯⋯。


安らぎ、そして睡りへと。





狂聲。


狂騒。


震エヤ。


震エ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ