四人組とお別れね。
賑やか四人組ともここでお別れ。
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯っ!!!ゆ、夢か⋯⋯。」
お、おはよう、アンナちゃんよ⋯⋯。
飛び起きたわ!何今の、変な夢!
すごい汗かいてるし⋯⋯。
とりあえずシャワー浴びよ⋯⋯。
はぁ⋯⋯。
「最悪の目覚めだわ⋯⋯。」
なんだったのかしらね⋯⋯、あれ。
⋯⋯⋯⋯わかんない。
よし、気にしない方向で。
リビング。
あの子達は、まだ寝てるのね。
寝顔がかわいい。
時間的には⋯⋯まだ早いわね。んー。
王領の朝刊でも読みましょ。ほら、魔王に貰った倉庫に入るアレ。
中身解析して、同じものをいくつかつくっちゃいました。で、魔王に預けてある。
ついでに、ラディーちゃんにも送り付けた。朝刊入れてね♡って。
自分で読みに来い、なんて言ってたけど律義に入れてくれてるわ。どうせ作った人形がいれてるんでしょーけどね。
なのでいつでも朝刊が読める!やったわ。
とはいえ、今日も変わった事はなし。平和でいいことですわ。
グラスゴルが魔獣に悩まされているのも変化なし。
⋯⋯いつも通りね。
読み終わって、コーヒー淹れて。
さ、朝ごはんつくろ。
「おはようございます⋯⋯。」
「あら、おはよう。良く眠れたかしら?」
レーネリアちゃん。早いわね。
「コーヒー⋯⋯貰えますか。」
「はい。どうぞ。」
「ありがとございまー⋯⋯。」
「さ、起きる前につくっちゃいましょ。」
朝ごはんは簡単に。パンとベーコンエッグ、サラダ、さっぱりしたフルーツ。それとコーヒー。
「おらってめーら!起きろ!プロの朝飯だぞ!有り難く食え!」
「⋯⋯もう少し優しく起こしてあげたらどうなのよ。」
「人んちのリビングでぐっすり〜すやすや〜してるのが悪い。」
「ああ、そう⋯⋯。」
おたまとフライパンでガンガンと⋯⋯いやまあ、うん。
自分のじゃないけど⋯⋯フライパンがへこむ⋯⋯。
「⋯⋯⋯⋯おはよう。」
「もう少し優しく起こしてよぉ⋯⋯。」
「頭が痛てぇ⋯⋯ガンガンする⋯⋯。」
アクロイ君、おたまで殴られてたんだけど⋯⋯まあ、いっか⋯⋯。
「⋯⋯顔、洗ってらっしゃい。」
顔を洗ったら、ご飯。
「頂きます。」
うん、普通。
「普通の朝飯なのになんでこんなにうめぇんだ⋯⋯。」
「舌が肥える⋯⋯。」
そんなに変わるのかしら。
「美味さの秘訣はなんだろう⋯⋯むむむむむ。」
「美味しー⋯⋯。」
ま、いいや。
ご飯食べたら、準備。
「多分、皆探しているでしょうね。」
「ま、コイツこんなのでも一国の王子だし。」
「こんなのとはなんだ。」
「お前もコイツに仕える事になるんだぞ⋯⋯。」
「えー、エリーにする。」
「レーネがいい!」
「エリー!」
「レーネー!」
⋯⋯なにこれ。抱き合ってーら。
⋯⋯こんなノリ、私どのループでもやったこと無いからなぁ⋯⋯。というか、そんな奴ら作ってないし。
⋯⋯⋯⋯割と寂しい子供時代ね、私。
別にいいけど。私は私。
ワイワイとやりながら、出立の用意を。一応食べ物とかも持たせた方がいいよね。
お昼を用意して⋯⋯サンドイッチでいいか。
編み込みのバスケットに入れて。
「これも持っていくといいわ。」
「サンドイッチ⋯⋯何から何まで、ありがとうございます。」
「気にしないで。私がやりたいからやってるだけよ。」
「服もいつの間に洗濯したのかわかんない⋯⋯。」
「秘密。」
綺麗な服で過ごしたいよね。
ちなみに私は、白いワンピース。白い帽子もあるよ。
すんごい御令嬢!って感じの服。
似合ってんのかしらねーけどー。ケッ。
準備ももう直ぐ終わるかな。⋯⋯っと。
⋯⋯ん。
魔術発動、探査。
複数人の反応、少し近くに。騎士、侍女。
岸に流れ着いた小船を回収している人も。
何かを探している動き。
「ん、どうやらお迎えみたいよ。」
「⋯⋯そうか。」
お昼、無駄になったかもね⋯⋯まあ、いいけれど。
「外に出ましょうか。」
家を出て、洞窟を出て。
隠れた浜辺からも出て。
崖の上、草原みたいになっている所に。
「呼びかけてあげなさいな。」
「⋯⋯ああ。おーい!」
「⋯⋯!アウル様の声だ!」
「あそこだ!居たぞ!」
「アウル様!エリューシャ様!」
「ロイ様とレーネリア様も!」
おーおー、結構人使ったのねぇ。
「よくぞご無事で⋯⋯!」
「途中魔獣に会ったが、皆頑張ってくれてな。そして、この方に助けられたんだ。」
とりあえず微笑んでおく。
「そうでしたか⋯⋯。そこの御令嬢、感謝致しますぞ。」
「お昼もご馳走になってな。素晴らしかったぞ。城のシェフにも学ばせたい程だった。」
「今日のお昼ももらいました。これもきっと、素晴らしいものですわ。」
「なんと⋯⋯殿下とエリューシャ様が絶賛する程とは!それ程の腕前⋯⋯城で、腕を振るってみては如何でしょう。」
「その申し出は有難いのですが。私の居場所は、ここですので。」
「⋯⋯そうですか。残念です。」
さてと。
「お話できて、楽しかったわ。それじゃ、さようならの時間よ。」
「⋯⋯世話になった。」
「お世話になりました!」
「本当に、何から何まで⋯⋯ありがとうございました。」
「ありがとう。⋯⋯また会いに来るよ!」
「⋯⋯。」
とりあえず、微笑んでおく。
次があるかは、シラナイ。
「⋯⋯御令嬢、最後に名を伺っても⋯⋯?」
「⋯⋯⋯⋯。リディナ。」
「⋯⋯へぇ。」
レーネリアちゃんにウインクしておく。⋯⋯返してきた、可愛い。
「なるほどリディナ嬢⋯⋯。誠、ありがとうございました。」
「ええ。⋯⋯さあ、そろそろ。待っている人が居るのでしょう。そしてしっかりと怒られてきなさいな。」
「うぐ⋯⋯。」
「そうですな。⋯⋯それでは、行きましょう。」
「また会おう!」
「またねー!」
「またな!」
「⋯⋯じゃあねー!」
手を振る。見えなくなるまで。
「⋯⋯⋯⋯さようなら。」
未来を担う、有望な子達。
「さようなら。」
きっと、もう会うことは無い。
「⋯⋯サヨウナラ。」
もし、会う時があるのなら、それは。
「サヨウナRA。」
あの夢は、きっと⋯⋯。
進メヤ
進メヤ
廻リシ者ヨ