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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
154/204

それでも時は進んでいく。

ようやくここまで来た⋯⋯。

やっほう、アンナちゃんよ。


隠居しながら町はずれに住む薬師としてやりはじめて、また時は進んで。


アンナちゃん29歳。


町の人達からは完全に認められて、よく話したりする。


結婚しないのか、なんて聞かれたりはするけれど⋯⋯しないわ。


一人身を謳歌してるのに。独身貴族!


最近だと、たまに⋯⋯ラディーちゃんから、貰った花を通してお話したり。


今まで連絡寄越さなかったのはなんでだー!だって。いやーねぇ、忙しくて。


世間話をしながら、今世界がどうなっているかの情報収集。


魔獣、最近大きいのが目立つ様になってきたみたい。それこそ、ワイバーンとかジャイアントブルとか⋯⋯。


あと、熊。熊がよく出てくるってさ。奥地から逃げ出してきたのでしょうね。


出てきたら毎度騒ぎになるくらいの大きさのやつが、ね。


生態系、崩壊し始めてますねぇ⋯⋯。


これはいよいよ、かしら。


ラディーちゃんもよく、能力で手助けしたりするそうよ。流石に兵の処理能力がギリギリだとか。


傭兵も駆り出されて、探索者も駆り出されて。


ある意味戦争状態みたい。


戻ってこないか聞かれたけど⋯⋯この身体では、ね。


残念そうにしてた。⋯⋯いつか、一度あの国に帰ってもいいかもしれないわね⋯⋯。


私の方は、なんともなく。


のんびりまったり、継続中。


ああでも、この前大きい魔獣が出てね。


海に棲む、でっかい魚。洋上ではたまに、ブシャーってやってるらしいけど。


ブシャーって何かは知らない。


とりあえずあれが港まで来て、暴れたからまあ⋯⋯。大騒ぎよ。


私、丁度その場に居合わせたので⋯⋯。


討伐した。割と簡単だったわ。図体だけの木偶の坊。


魔石はあったけど。


色々話しかけられたけど、別に気にする事でもない。


そんなことより、薬はいりませんか、ってね。


そんな事をしながら、毎日遊んでる。


「それにしても、今日は暇。」


ラディーちゃんも通話、出ないし。


薬のストックはあるし。


今日は町の人も元気。


「こういう日は⋯⋯浜辺でのんびりするに限るわ⋯⋯。」


ワンピースに着替えて。いつもの麦わら帽子。


果物を入れた冷たい紅茶。


いつものパラソル、いつもの椅子。


本も、結構読んだわねぇ⋯⋯。まだ、沢山あるけれど。


今日も、読書。


のんびりした時間。


まったりした空気。


読み終えたら、次の本。


そんな大切な時間。けれど、それを邪魔するモノもいる訳で。


「走れよっ!」


「人居ないの!?」


子供の声。男女。


「え、こんな所に浜辺が⋯⋯。」


「おい、人が居るよ!」


「あのっ!そこの女の方!」


まあ、私よねぇ。


「⋯⋯。」


「助けてください!」


何を。


「海の上で⋯⋯友達が戦ってるんだ!」


「⋯⋯海の上?」


「あそこ!あそこの船!」


洋上の小船、遠くてわかりにくいけど。


子供が二人。これも男女。


その周り⋯⋯海の中、何かいる。


⋯⋯チッ。


魔術発動、探査。


魔獣か。魔石持ち。


⋯⋯面倒な。


「貴方達、保護者は。」


「居るけど⋯⋯その⋯⋯。」


「振り切って来た、と。」


はぁ。


「エリーが先に行くから!」


「それを言うなら私じゃなくてアウルに言いなさいよこのバカロイ!」


「俺の名前はアクロイだ!」


⋯⋯五月蝿い。


魔術、風。


「きゃぁ!?」


「ぶわっ!?」


「五月蝿い。保護者が居るなら、どうせ叱られるでしょうから言わないでおくわ。それで、喧嘩するのとアレをどうにかするの。どっちがいいのよ。」


「レーネを助けて!」


「アウルもだ!」


はいはい。


「依頼料は、高くつくわよ⋯⋯?」


行くとしようか。


魔術、先ずは浮いて。


目標、小船。とりあえずあの子供二人を回収しましょ。


高速で飛んで、小船。


「な、なんだ!?」


「援軍!?感謝するよっ!」


「残念、回収よ。」


二人を脇に抱えて、と。


はい、浜辺に戻るわー。


「あっ、何するのさぁ!あいつはエリューシャの大事な⋯⋯!」


「到着。子供が一体何してるのよ。」


「⋯⋯あいつがエリューシャの腕輪を取っていったんだ。」


「それで追いかけたんだよ!」


「二人で?魔獣相手に?」


「最初は俺達四人で行ったんだ。けど途中でアイツが暴れだして⋯⋯。」


「レーネの魔術で、二人を岸に。」


「魔術じゃなくて錬金術⋯⋯。」


「それで戦ってたんだけど⋯⋯。」


へー。


「ね、ねえ!あれ、こっち来てるよ!?」


「⋯⋯腕輪を取った、なんて言ってたけど。どうやって?」


「魚かと思いきや、腕がある!奇抜な魚だよ!あっはは!」


「笑ってる場合じゃないでしょうっ!」


⋯⋯賑やかな四人組ねぇ。


⋯⋯魔術反応。あの魚モドキの魔獣から。


「加速したぁ!」


「すごいねあの魚!腕は確かなようだよ!腕生えてるし!」


とくにこの⋯⋯レーネとか呼ばれてる娘。確実に人生楽しんでるわ。


ま、とりあえず。


「あれは食べられるのかしら⋯⋯。」


食料候補、決定。


「え、お姉さん食べるのあれ⋯⋯。」


「離れてなさいな。」


突進してくる魚モドキ。


魔術反応。


「と、飛んだぁー!」


「危ない!」


⋯⋯へぇ、誰が一番強いか、判っているみたいねぇ。


私に突撃してきた。


当たる寸前、回避して。


双剣、抜いて。


すれ違いざまに。背骨に沿って。


「三枚おろし、と。」


終了。


「す、凄い⋯⋯。」


「やべぇわ⋯⋯。」


軽く振って、納めて、と。


振り返って。⋯⋯そうねぇ、とりあえず。


「ねえ、貴方達。あれだけ騒いだのですもの、お腹が空いているのではなくて?お昼はいかが?」


「⋯⋯い、いえ、大丈」


「食べるわ!」


「おいレーネ!」


「いいじゃん。⋯⋯どうせこの奇抜なのを食べるんでしょう?」


「ええ。一人じゃ食べきれないしね。」


「食べてみたくない?私は食べてみたい!」


「⋯⋯いいだろう。私も食べてみたい。」


「なら多数決で決定!」


「二人しか同意してないだろうが!?」


「全部で五人、三人賛成!問題、なし!」


「お前なぁ⋯⋯!」


「で、来るの?来ないの?」


「行かな」


「全員行きますよー!」


「レーネッ!」


「⋯⋯お腹が空きましたわ⋯⋯。」


「ほらエリーもこう言ってるし!お嬢様を待たせちゃいけませんわ。」


「うぐ⋯⋯!」


「賑やかねぇ⋯⋯。さ、ついてきなさいな。」


この浜辺に、初めての来客ですもの。饗さないとね。



















こいつらを出すまでにここまでかかるとはね⋯⋯。ははは。

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