ここをキャンプ地⋯⋯というかもう拠点にする!
のんびりまったり。
やっほ、アンナちゃんよ。
この浜辺に来てから早三ヶ月!
え?時間の進みが早い?
だってだらだらしてただけなんだもの。
いやぁ、何も無い日々って本当に大切。
とうとう洞窟に、家を立ててしまったし。倉庫に、何に使おうか迷ってた石材と木材が沢山あったから⋯⋯。
魔石を使って、洞窟の入口に結界を張ったから嵐も大丈夫。ああ、とりあえず強風と海水だけ遮断ね。
たまに近くの町に行って買い物したりするけど、基本的にはここでずーっとのんびり。
ただ、少し暇。読書ばかりじゃ身体も鈍るし。
毎日剣を振るのは忘れてない。
けれど、それだけじゃあね。
なので、近くで採れる薬草とか。
漁師が網にかかって邪魔だとかで、捨てる変な海藻とか。
色々なものを貰ったり買ったりしながら、調合したりしてまーす。
そうそう、この前の話なんだけど。
海の魔獣に噛まれたとかで、大怪我してた漁師がいてね。いつも色々貰ったりしてる人だったからさ、治してあげたのよ。
調合したやつで。
めっちゃ効いた。いやまあ効果は確認してたけど。めっちゃ効いた。
全快した。
そしたらなんか、町で噂が広がったみたいで。
薬師なのか、とか。
魔術師様なのか、とか聞かれ始めたのよねー。
魔術師です、はい。
それからたまに、薬を売ったりしてる。簡単なやつだけね。傷薬とか、頭痛薬とか。あと、滋養強壮とか。
私としても、ここの人達が居なくなったら色々面倒くさいし。
なので。
たまに来る美人薬師としてこの町の一員みたいになってまーす。
美人だって。ふふふ。当たり前よ。だって私ですから。
ぐふふふふ。
イヤラシイ目で見るんじゃないよ。
まあいいや。
とりあえず、今日はゆっくりと。
「最近は日差しが強いから、日焼け止めがよく売れてるわねぇ。」
昨日、売ってきたのよ。
「はした金ではあるけれど。ま、これもまた一興かしらね⋯⋯。」
暇つぶしには丁度いいかな⋯⋯。
「あ、この草使うと紅茶が美味しいわ。」
ほんのりフルーティな甘みがー。
「これは売らずにいようかしら。どうせ、紅茶なんて高級だしね。」
貴族に売るのはとても面倒な事になりそうだから。関わりあいにならないように、ね。
変なのが来ても、魚の餌になるだけではあるけど。
「有象無象が元魔の将に適うはずもなし⋯⋯なんてね。」
まあいいや。
椅子に寝そべって、ゆったり、のんびり。
この生活も、悪くない。
隠居生活⋯⋯。