南国を堪能する!
バカンス!
やっほーーぅ!アンナちゃんよー!
海!浜辺!ときたらもう、あれしかないでしょう!
「とぉりゃあ!」
果物割りー!硬いのを沢山、剣の腹で割りまくるー!
「よし、これで食べられる。」
大きな日除けの傘を浜辺に突き刺して。
寝そべって座れる、風通しの良い椅子!
服は快適に、白いワンピースと、なんか気に入った麦わら帽子!赤い花がついてて可愛い!
え、ワンピースの下?はれんちー。
下着に決まってるでしょ、海に入っても大丈夫なやつ。
これだけ着けて、泳ぐ人もいるけど⋯⋯そんなの私はやーよ。脚を浸けるくらいはするけど。
あくまで浜辺、のんびりとね。
割った果物をくりぬいて、紅茶と一緒に冷たく淹れて。
「うん、美味しい。やっぱりここの果物だと最高ね。」
海を眺めて、波の音を聴きながら、読書。
ああ、至福⋯⋯。これぞ優雅な一時⋯⋯。
何時間、ここで過ごしていたかしら。
日も落ち始めて、空と海が赤く染まる。
「ここ、夕日も綺麗だわ⋯⋯。」
ここを見つけててよかったわ。
「さて、夕食にしましょ。」
この浜辺、洞窟があってね。
そこがひんやりとしてて、いいのよ。
何処かに繋がっているみたいだけど、それも水の中だし。
何かの気配も、痕跡もない。
とても安全なのよね、ここ。最高。
「いっそここに住もうかしら?」
嵐が来たら大変だけどね、ここ。
さて、今日の夕食は!ここら辺で育成されてる家畜の肉!
これがまた美味しいのよ。
コショウで簡単に味付けて、直火焼き!岩塩と、さっぱり系の少しピリリとする野菜をすりおろしたもので頂きます!
「んー、美味しいー⋯⋯!」
ジューシー、柔らか!けど噛みごたえもあって!ほんのり甘い!
「やっぱりこれは直火焼きに限るわぁ⋯⋯!」
堪能して、ご馳走様!
さてさて、夜もいい時間だし。
「星は出てるかなぁ、っと。」
おお!満天ってやつ!
「綺麗ねぇ⋯⋯。」
天球の向こうには空間が広がっているのを、私は理解しているけど。
「天上の世界ってのは、あそこには無いのよねぇ⋯⋯。」
近くて遠い、世界なんだろうねぇ。
右腕を空に翳して。
「いつか行ってみたい、なんて思わないけど。」
私はこの、世界でいい。
「人間、出来る事なんてたかが知れてるし。」
だからと言って、人ならざるモノにはなりたくないわ。
「本当に、ね⋯⋯。」
まだ、まだ私は人間だ。
「⋯⋯感傷に浸るにはまだ早いわ。」
さっさと寝てしまおう。
波音が子守唄、ってね。もう子供じゃないけど!
おやすみー!
魔術を使わなければ多分大丈夫だと思うよ!
⋯⋯きっとね。