研究、研究、自分自身。
自分の事は、知らないとね。
やっほう、アンナちゃんよ。
あれから魔王ご一行が戻ってきて、確認が取れたとかで褒美を貰ったり。
上半身肌蹴てたの忘れて迎えたら魔王に視姦されたり弟子共が顔真っ赤にしたり。
魔王は殴っておいた。
その後は何事も無く。
冬を越えて、暖かくなってきて。
ツインテに頼んで、テルシエを学園に。あとボサロリも。で、付き添いでツインテと、細マッチョと、インテリも一緒に行かせた。皆、学園には行ってなかったらしい。びっくり。
なので行かせた。顔繋ぎは大事よー。どこかのおっさんも言ってた。
夕方には帰ってくるけどね。
「皆学園に行かせて良かったのか?」
「そういうのも大事よ。この城以外にも、使える奴らは沢山居る。そういったのは大体上を目指すからね、学園ってそういう所でしょう。」
「まあ、そうだな。⋯⋯たまに変なのもいるが。」
「そういったのを見極めるにも、学園みたいな集団は重要だから。」
「そうだな。」
他の意図もあるけどね。
「それで、何を企んでいる。」
「次期魔の将、それの選定。」
「⋯⋯早すぎないか。」
「あら、私は次期までの繋ぎでしょう?」
村を出る前、そう言っていたよね。
「⋯⋯テルシエは。」
「アイツらが色々教えているわ。私の所に、あまり来ないわよ?」
教えるのも見直す切っ掛けになっていい、って言ったら色々教える様になったのよね。お陰様で手がかからなくて済むわ。
「⋯⋯それで、誰にするつもりだ。」
「⋯⋯そうね。ツインテか⋯⋯インテリか⋯⋯。」
細マッチョは一度武の所に行かせた方が良さそう。
ボサロリは練の所に。
テルシエはそのままツインテに付かせるか、技の所。
インテリは呪術でならかなり強くなった。
ツインテは大規模魔術。
この二人なら、あと数年もしたら十分やれるでしょうね。
どちらかがハズレを引く形で。
「ま、途中で辞めたりはしないわよ。」
何も無い限りは。
「⋯⋯そうか。」
「そうよ。それに。私は人間でね。寿命を考えると、早急にやって損は無いのよ。」
選定する前に死にました、なんてシャレにならんわ。
「まだお前は若いだろう。」
「あら、命短し征けや乙女ってね。」
ここを出て、やりたい事もあるし。
「⋯⋯わかった。それがお前の進む道ならば。」
「ま、アイツらが一人前になるまでは居るから。まだまだ、宜しくね。」
「ああ。」
さて、自分の事をやりましょ。
自分の右腕に色んなもの突き刺して、測定。
⋯⋯やっぱり、全然痛くないのよねぇ。痛覚自体が、無い感じ。
「⋯⋯何をしているのだ。」
「魔力の流れをね、確認してるのよ。」
間違ってはない。
「⋯⋯痛そうだ。大丈夫なのか?」
「問題ないわ。⋯⋯それより、気が散るのだけど。」
「気にするな。」
「色々肌蹴るからあっち行けっつってんのよ変態。」
「先日は」
「くたばれ変態。」
突き刺す針をぶん投げる。チッ、キャッチしたか。
「危ないだろう。」
「シッシッ。」
「お前なぁ⋯⋯。一応俺、魔王だぞ?」
「一応なのね、シッシッ。」
「うむむむむ⋯⋯。」
あ、出ていった。
⋯⋯それにしても。
「やっぱり、私の魔力を喰い続けている⋯⋯。」
服を肌蹴る。
右腕で喰って、線に沿って左胸、そこで回転。そして溜まっていく。
「⋯⋯しかも、回転の中心には小さな⋯⋯石の様なものが出来始めている、と。」
残滓の様なものと、魔力が混ざって。
「どう見ても魔石⋯⋯。」
いよいよ魔獣に近付いてきたかも。
「⋯⋯纏めましょう。」
右腕は完全に魔獣。液体状で、魔力によって形成。
右腕から魔力が喰われて、左胸に。
身体には線、魔力が通る道。右腕と左胸を繋ぐもの、左胸から身体中に伸びるもの。
右腕から左胸への道と、左胸付近に伸びるものは、線が黒く。
魔術を使用すると、少しだけ伸びる。
左胸には魔力と、魔石や魔獣の靄に近い残滓の様なものが渦を巻く。
渦を巻く中心には、魔石が形成されている。
魔術を使うと、ここに少し喰われる。
「⋯⋯なんともまあ、面倒な身体になったこと⋯⋯。」
黒い線、一本だけ一番伸びてる。そこが向かうのは⋯⋯左眼。
「目が赤くなる時には、ここを出る必要があるわね。」
その時にはきっと、隠せなくなりそうだからね。
「討伐される訳にはいかない⋯⋯。」
⋯⋯。
少し、休憩しましょう。
服を着て。
ソファーにでも座って、お茶でも飲みましょ⋯⋯。
自分のケツは、自分で拭こう。