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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
147/204

この先の事。

アンナちゃんの起床。

っは!気絶してた!


やっほー⋯⋯アンナちゃんよー⋯⋯。


身体がとても冷たいですわ。結界がギリギリ動いてたのが生存ポイント。


自壊しながら動いてたみたいで。あー、ははは。


「⋯⋯死に損ねた、か。」


この世界、楽しいけど⋯⋯。どう考えても、先が見えないもの。


もしかしたら凄い人が現れるかもしれないけどね。


まあいいや、その前に大抵、私は死んでいるでしょ。


「さて、と。魔力は⋯⋯少し回復してるわね。」


魔術発動、リフレッシュ!


ついでに火をおこして。うー、寒い。


周りは砂になってるし。というか朝日が。うわ、よく死ななかったな私。結界すげー。


雪もちらつき始めてるわね。早いところ移動した方がいいかも。


「その前にご飯⋯⋯。」


携帯食料と、お湯にぶち込んだだけのココア。


右手にココア、左手に携帯食料。


携帯食料をココアに浸して柔らかくして、もぐもぐ。


不味い。ゲロマズ。なんで私は塩気の強い携帯食料をココアに浸した。


「⋯⋯判断能力の低下を確認、かしら⋯⋯。」


うーん、体温低下の影響かしら⋯⋯。


魔術⋯⋯あー、なんかなかったかしらー⋯⋯。


んー⋯⋯。


あー⋯⋯。


あれよー⋯⋯。


「面倒くさい⋯⋯炎の珠⋯⋯。」


弱めの炎を近くに浮かせて。


魔術、結界。少しの耐熱。


炎の珠に張り付かせて。


「あったかー⋯⋯。」


抱き込んで、暖まる。


もそもそと携帯食料食べて、たらたらとココア飲んで。


まあまあ暖まってきた。


「⋯⋯⋯⋯、あれ?」


頭が働いてきたけど、なんかとても大事な事をスルーしている気がする⋯⋯。


⋯⋯。


⋯⋯⋯⋯。


⋯⋯⋯⋯⋯⋯?


あれ?


記憶を手繰り寄せる。氷雪竜倒して。私も落ちて。あれ?


「⋯⋯なんで右腕あるの。」


思いっきり凍って砕け散ったよね⋯⋯。


右腕を見る。袖も戻ってる。何故?


「いやまて、私の服は黒くない。来る時は赤いのを着ていた筈。」


記憶を辿る。


⋯⋯あの、小さな黒いモノ。あれか?


袖を捲る。黒い。肩もか?


上半身、はだける。寒い。肩口まで黒い。


鏡を取り出す。


「⋯⋯そっか。そういう状況に⋯⋯。」


黒く、肩まで染まった右腕。


肩から左胸の方に、伝う黒い線。


そこから伝う線、身体中。今は色は付いてない。けど、少しずつ黒いのが伸びている気がする。


「⋯⋯これが全部伝ったら、私は。」


魔獣。


「どうしましょうか。」


今はまだ、私だ。けれどこの先は。


「いっそ、ここで⋯⋯。」


死ぬか。


剣を抜く。


首、そして心臓に。


「ここで死ねば、次の世界に。この世界に、残すモノはないし。」


よし。


剣を引き、自分に突き刺⋯⋯






「⋯⋯⋯⋯⋯⋯、⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯?」






まて、思い出せ。


最初、そう一番最初。


アレは何を言っていた?


ましてや、あの時。


アレに何を言われた?


シャムシャラは、なんと言っていた?


思い出せ、アレの言葉を。


そう、確か。


「スーサイド・ペナルティ⋯⋯。」


魂に、直に与えられるペナルティ。


何をされた?


「私が、壊れた、その致命傷は?」


廻り続けた疲弊。


何度も繰り返される、裏切り。


その先に自殺を選んだ時、その後どうなった?


「100回ほど、記憶に無い部分。」


自分を取り戻した時、どうなっていた?


「嘗ての私とは、乖離した私。」


あの貴族として誇りを持っていた、あの頃とは。


「そして、私は?」


魂が警告する、ペナルティ。


「⋯⋯⋯⋯ッチ、クソッ!駄目ね、何が起こるか思い出せない。」


「スーサイド・ペナルティ。クヒハハッ。どうにもこうにも、アレはダメか。」


自分で死ねない、か。


「ああ、本当に。大変な事になったわねぇ⋯⋯。」


今は、まだ、死ねないか。


「⋯⋯はぁ。」


剣をしまう。仰向けになる。


「この先私が魔獣となった時、どうなるのかしら。」


それはペナルティをくらうよりマシなのか?


「⋯⋯進んでみないと分からないわねぇ。」


はーー。


「いいわ、いい。いいだろう。いいでしょう。」


これもまた、一興。


魔術発動、幻影。この変化を隠す。


隠蔽は、しっかりと。


「さてさて、この黒いの。時とともに進むのか、それとも何かを切っ掛けに進むのか。」


戻ったらそれを調べないと。


「やる事は山積み⋯⋯。っふふ。」


今はこの状況を、楽しもうじゃあないの。


「よっし!戻るわ!」


片付けて。王領、凱旋よ!




っとと、魔石回収しとかないとね。


今度こそ、凱旋!



「スーサイドには、ペナルティがあるよ?」


「そう、自分で死ぬなんて許さないよ。どこまでも足掻け。どこまでも進め。這いずり泥を啜ろうとも。そして私を楽しませてくれよ?ッヒャヒャ、ヒャハハハハハハハ!!!」


「もし、それでも自ら死ぬのなら。」


「きっと、アンナちゃん。どうしようもなく。」


「大変な事になるのを、覚悟してね。」



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