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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
143/204

寒季!

王領の冬!

やっほう、アンナちゃんよー。


あれから孤児院も軌道に乗って。沢山の職員と、沢山の孤児。十分問題なく動いてますわー。


その中から将来使えそうな子を数人見繕っておいた。


あのなんていったっけ、ロフェシーだっけ?もその中に。


ま、どちらにせよ成長してもらわないとねー。


それより、大事な⋯⋯というかある意味重大な案件が一つ。


「寒い!!!わかっちゃいたけど寒過ぎるわ!!!」


外、吹雪!


速く速くなんとやらーとは違う!


「こんな日は中でゆっくりするに限る⋯⋯。」


暖炉の前で、ゆったりと。


「グリディナ様。」


「ん?」


ツインテ。色々魔術試してる。結構成功してるみたい。


「寒いのは、お嫌いですか⋯⋯?」


あー。


「ツインテ、氷系だっけ?」


「雪女とイフリートのハーフですから、まあ⋯⋯半分は。」


「どんな組み合わせだそれ。溶けねぇのかよ。」


「⋯⋯ご想像にお任せします。」


目を逸らすんじゃない。


「⋯⋯自然の寒さや熱さなら、例え大雪原や砂漠でも充分耐えられますわ。」


「魔術は駄目なの?」


「ええ。あれはちょっと。」


へー。便利なんだか不便なんだか。


「それは置いておいて。⋯⋯この雪なんですけど。」


「雪がどうかしたの?」


「毎年、雪を連れてくる竜がおりまして。このような吹雪はこの季節多いのですが⋯⋯今日のは。いえ、ここ数日、少し様子がおかしいのです。」


うん?


「微妙に、ほんの少し、魔力が混ざっている様な⋯⋯。魔術にしては弱過ぎますし⋯⋯。」


「⋯⋯それまた、面倒な。」


何があるというのよ。


「採取して、確認はしているのですが。これがまたよくわからなくて。」


「ふぅん。見せて?」


「これです。」


小さな瓶、そこに雪。⋯⋯ううん?


「確かに魔力があるような、ないような。」


「なんとも微妙でして⋯⋯。気の所為と言われればそれ迄なのですが。」


「何か違和感がある、と。」


ふーむ。


魔術、探査。範囲縮小、精査。


魔力感知。


雪の中にある魔力、なんだか何処かで見たというか感じたというか。


類似する反応、何かあったっけ。


うーん。


「グリディナ様ー!」


おうどうした細マッチョ。


「先程魔獣を狩りまして!魔石が取れたので何かに使えませんかね!」


「粉にしてみたら?それを溶かして魔法陣書いてみるとか。」


「試してみます!」


にしても魔石ねぇ。魔力が沢山入っているけど、使い道、彫り入れて魔道具的なのにしか使えないのよねぇ。綺麗だから高値で売れるけど。


⋯⋯ん?魔石?


「細マッチョ!ちょい待ち!それ見せて!」


「え?もう粉に⋯⋯。」


「速いわね!?⋯⋯粉でいいから!」


どんな速さで削ったんだよ!!!しかも細かい!!筋肉か!マッスルか!!!!!


⋯⋯魔石粉。


「ねえツインテ。」


「⋯⋯はい。」


雪に魔石の魔力。これは。


「普通の雪、ある?」


「え、ええ。出せますが⋯⋯。」


「出しなさい。はやく。」


ツインテの魔術、粉雪。


見比べる。


「⋯⋯雪は毎日採ってる?」


「ええ。⋯⋯これが変化に気が付いて一日目。これが二日目。」


一週間分か。見比べる。⋯⋯気が付いたら、インテリもボサロリも来た、テルシエもいる。全員集まってるわ。


「ねえ、これを見てどう思う。」


「日毎に、色が濃く?」


⋯⋯。


「全員、各将に連絡。ツインテはメアに。細マッチョはギセンに。インテリはヒストに。ボサロリはグランダルに。テルシエは、侍女長に連絡を。連絡は一つ。今降っている雪を、大量に持ってきなさい。伝えたら、お前達も雪を掻き集めて。」


「わかりました。」


「私は準備をするわ。さあ、行きなさい!王領中の雪を掻き集めろ!」


「はい!」


さてさて、どうなるかしら。






城の前、広場。


使うモノをここに持ってきて、と。


「うー、さっむ⋯⋯。」


沢山の人が雪をここに集めている。⋯⋯アイツら領民も巻き込んだな。


「グリディナ。」


「ああ、ゼルノ。貴方も集めてるの?」


「ああ。何でも重要な実験に必要なんだってな。」


「⋯⋯ええ。実験というより、観測だけど。」


「観測、か。雪に何かあるのか。」


「ええ。」


それにしても、本当に王領中の雪をかき集めたのね。


「お前が必要だと言ったら、皆協力してくれた。流石だな。」


「⋯⋯ありがたいわ。」


本当に、ね。


「あら、あの子⋯⋯ロフェシーじゃない。」


「ああ。孤児院の子達も楽しんで手伝っている。」


「そっか。」


「皆、お前に恩を感じているようだ。」


「そう。気にしなくていいのにね。」


「俺からも感謝している。これで、ここの孤児問題はほぼ解決した様なものだ。⋯⋯この冬を越せるのだから。」


「そうね。⋯⋯外では、この寒さは厳しいものね。」


彼等の未来が繋がったと思えば、まあ。


「グリディナ様。この量で、いかがでしょうか。」


「充分。さ、やりましょうか。皆、雪の山から離れなさい。」


とんでもない量の雪。これを、溶かすよ!


魔術発動。結界。密閉!


「で、これを。」


禁術発動!ブラスティラヴァ!


「液体にするわ。」


どんどん溶ける!観衆は、禁術の方に目を奪われてるわね。まあ、そうよねぇ。


結界の中、全部溶けたら。


魔術発動、結界!細長いのを、横に幾つか接続!繋げた所に穴あけて。


「さ、回しましょ。そうらっ!」


高!速!回!転!


要はアレ、巨大な遠心分離器!


雪の中にあったモノ、それが分離されていく。


「なあ、なんだ、あれ。」


「⋯⋯やっぱり、ね。」


黒いモノ。


大体分離したら、上に穴開けて。


ブラスティラヴァ。水を蒸発させて。


残った、黒いモノ。それを大鍋に。


「ドロッとしとるのう。」


「そうね。」


グランダルが覗き込む。


「これを煮沸。」


ぐつぐつ。


さらにドロッと。


「⋯⋯これは、なんです。」


「それを、今から確かめるのよ。」


ヒストが聞く。


「触りたくはないモノだな⋯⋯。」


「触らない様にね。私の予想が確かなら⋯⋯。」


ギセンが忌避する。


火を止めて、冷ます。


冷めている。けれど、ボコボコと。


「これは⋯⋯っ!」


来る。


「全員退避!やっぱりかクソっ!」


黒いモノ、蠢き象り、飛び出る!


「KYGEEEEEEEEEAAAAAAAAAAAAAGGGGG!!」


「っ!魔獣かっ!」


「雪に、だと!?」


「違う!これは集めて活性化させただけよ!」


魔術発動、結界!腕に貼り付けて。


「暴れるなよ⋯⋯っと!」


掴みますわ!


腕に絡み付いてくる。


「魔力はいかがかしらね!」


大量に流し込む。動く為のエネルギー。


「GRrrrr⋯⋯。」


ドロドロが、形を得る。元の個体の形を。


「⋯⋯これは。」


「氷雪竜⋯⋯。」


「⋯⋯馬鹿な。あれはどれだけのモノだと⋯⋯。」


成体だと、山の様な巨体になる、動く雪山。小さいながら、その形をとるモノ。


「⋯⋯グリディナ。」


「やめておきなさい。魔獣は元の生物、その行動をとるわ。刺激さえしなければ問題はない。」


「しかし、このような⋯⋯!」


「なら問うわ。倒すのに、どれだけの犠牲が必要かしら。」


「ぐ⋯⋯。」


それほどのモノなら。監視して、警戒するに止めるべき。


「王として、正しい判断を願うわ。」


さて、と。


「皆、協力ありがとう!助かったわ!」


「あ、あの!グリディナ様!」


「何かしらー!」


「腕!まとわりついてますよ!?」


「大丈夫よ!問題ないわ!」


私の魔力で動いているからね。親と勘違いする。


元の個体に会うまでは、ね。


さて、部屋に戻るわ。














さあ、物語を進めよう、アンナちゃん。

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