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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
142/204

孤児院にて。

最近アンナちゃんいい子すぎない?

どうもー、アンナちゃんですわ。


孤児院で、魔獣の本を読んでた子。あの子とご対面。


あの子、なんだか違うニオイがするのよね。


「⋯⋯し、失礼します⋯⋯。」


「はい、ようこそ。さ、座りなさい。」


私の対面に座らせる。メアは少し離れてる。


「さて、貴女のお名前は?」


どう出るかしらー。


「⋯⋯人に名前を尋ねる時は、自分から名乗るものだと思います。」


「こ、こら!この方になんて口を⋯⋯!」


警戒心高いね、まあ、そりゃそうか。子供達の前に出てないし。


「っふふ。いいのよー。うん、ごめんなさいね。」


さて、なんて名乗ろうかしら。


「そうね⋯⋯私の名は⋯⋯、リディナ。」


グを抜いただけ!!!!!簡単!!!考えるのが面倒だっただけ!


「⋯⋯偽名ですね。」


「わかる?っふふ。」


「はい。完全に考えてましたから。」


「ま、わかるわよねー。とはいえ、名前の一部ではあるけど。さてさて本名はなんでしょうねー。教えないけど。それで、名前は?」


「⋯⋯ロフェシー。偽名じゃ、ないです。」


「ロフェシーちゃんね。うん、よろしく。」


誠実。


「それで、私に何か用ですか⋯⋯。」


「いえね。ここから広間が見えるでしょう?なんとなく目に止まって、お話したいなぁー、なんて。」


「お話、ですか。⋯⋯一人でいる事ですか。」


「どちらかというと、何の本読んでいるのかなー、って。」


「本ですか。」


「ええ、本。なんでも、本が買いたいとかいう話じゃない。何の本が好きなのかなって。」


「⋯⋯色々と。」


「色々、ねぇ。」


「⋯⋯よく読むのは、その、神話とか⋯⋯。」


神話。確かに魔獣は神話の存在でもある。


「神話かぁ、どこら辺?」


「えっと⋯⋯精霊王の所をよく⋯⋯。」


「いいわねぇ。あの破茶滅茶ラブロマンス。」


「そ、そうです⋯⋯。」


「精霊王だと、どれが好き?」


「え、と⋯⋯青、を。」


「何かと冷徹を司る青のシエルかぁ。どんな所が好きなの?」


「⋯⋯知識。冷静さ。それでもって、力を持ってる。」


知識ね。


「色々な事が知りたいの?」


「はい⋯⋯。知識があれば、見えない事もなんとなくわかります⋯⋯。」


「知識と経験、大事よね。」


「はい。」


「じゃあ、何で同じ様な本ばかり読んでいるの?」


「え、と、それは⋯⋯。」


「なんて、ね。読み返したくなる本ってあるからね。」


「そ、そうです⋯⋯。」


ふぅん。なんだか、隠したい感じよねぇ。


面倒になってきた、ぶっこもう。


「延々と魔獣に関してばかり読んで、楽しいのかは私にはわからないけれど。」


「っ⋯⋯。い、いいじゃないですか!私の勝手です!」


「ええ、そうね。⋯⋯ねえ、一つ。貴女に問うわ。」


「⋯⋯何でしょう。」


「今の知識で、先を読むとしたら。どういう形になると思う?」


「っ⋯⋯!」


驚きと、強張る顔。へぇ。そういう反応。


「それとも。」


顔をぐっと近付けて。


「貴女、違うものが見えているわね?それも、先に関するモノが。」


「ひっ。」


席に戻る。


「やっぱりね。私との会話の中で、何度視た?3回くらいかしら?」


「な、何の事で⋯⋯。」


「貴女、右眼だけ焦点が合わなくなる特技でも持ってるのかしら?しかもいきなり会話の途中で。トカゲ系の種族でもないのに。」


「⋯⋯。」


「何、取って食おうって訳じゃないのよ。⋯⋯貴女のね、その力。それを与えたモノに興味があるだけよ。」


「与えた、モノ⋯⋯?」


「ええ。⋯⋯その反応だと、まだ邂逅してはいないみたいね。」


「あ、あの、何の事ですか⋯⋯。」


「貴女、夢はみる?」


「え?⋯⋯みます。」


「何故だか知らないけど、よく覚えている夢とかある?」


「それに何の意味が⋯⋯。」


「いいから。」


「⋯⋯水晶を覗いている夢です。」


「水晶?⋯⋯詳しく。」


「森の中に、木の洞に埋め込まれた水晶の鏡があって。それを覗くと、中で映像が。振り返ったら、荒野で。眺めていると、さっき水晶で見た光景が⋯⋯という夢です。毎回、違う映像で⋯⋯。」


木の洞に水晶の鏡、ねぇ。


「⋯⋯ロフェシー。」


「な、何でしょう。」


「なんというか、その、妙なのに目をつけられたわね⋯⋯。」


「妙なの、とは。」


木の洞、水晶の鏡、先を視る力。まだ覚醒してないけど、過去も視れるかしら。


「そうねぇ。色々な人を視てみるといいわ。沢山、ね。」


そうすれば。


「貴女にその力を与えたモノの名前が知れるわ。ついでに、多分水晶もね。」


「えっと、どういう事でしょうか。」


「ふふ。⋯⋯ある日突然、見たこともないモノが手元にあったら。連絡しなさい。いいわね。」


「えっと、あの⋯⋯?」


「自分の事はみえないだろうけど。じきにわかるわ。なにせ⋯⋯。」


「話がみえないのですが、あの。」


「ふふふ。⋯⋯おめでとう、そしてご愁傷様。貴女がこちら側に来る事を、楽しみにしているわ⋯⋯。話は以上よ。」


意味深に終わらせようじゃあないか。なあに、直ぐにでもわかるでしょう。


「あ、あの、よくわからないですけど、私に、何かがあるのですよね。」


「ええ。」


「⋯⋯危険な事ですか。」


「はい、であっていいえ、よ。」


「⋯⋯そうですか。ありがとうございます。」


「頑張ってね。っふふふ。」


ロフェシーを帰す。


「グリディナ。」


「何かしら?メア。」


「私にもわからないのですが。あの子、何があるのですか。」


「さあ?でもきっと、良い事よ。あの子次第ではあるけどね。」


成長に期待すべき子。ああ、どうか。


ヴェルスナーヴィの加護を。








知予神。



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