開始!
アンナちゃん、始める。
はろろー。アンナちゃんですわぁー。
職員教育完了、大体これも一週間。
子供、入る。最初は大体、100⋯⋯。
最初から沢山入れる訳にはいかないし。王領にいる孤児、その中でもグループがあるからね、そのグループごとぶち込んで。
慣れてきたら、また別のグループ入れるっていう感じ。
ああ、子供にも入りたいかちゃんと聞いてる。数人、嫌がったけど⋯⋯グループ内で一人とかになったら嫌だしね、結局入ってくると。
ま、そんなものよね。
で、そこからしばらくして、また子供入れて。
職員は少し減ったけど、募集したらまたかなり増えた。
「職員、まだ余裕あるわね。」
「ですね。とはいえ、想像と違ったという者もいるでしょう。現に、数人辞めましたし。」
「かなり大変だからねぇ。それより、あっちはどうなのよ。」
「なかなか難しい様です。」
あの研究者には、ゆっくりでいいからどこでどんな魔獣に会ったか聞き取りする様に言ってある。けれど、トラウマになってる子が多いわねぇ。
「ま、ゆっくりでいいのよゆっくりで。」
「しかし⋯⋯魔獣の情報は直ぐにでも欲しいです。」
「そこら辺、子供に期待はしない方がいいよ。まだ警戒してる所もあるみたいだし。」
子供にそこら辺を期待するなー。
ところで今話してる所、子供達が遊んでいる広間の上にあってね、窓から見えるんだけど。
「グループ関係無しに遊べる奴も多いわね。」
「ええ。橋渡し役になっている様にも見えます。」
成長に期待。
「おや、一人の奴がいるね。」
「確かに。あの子だけ、部屋の隅で本を読み続けてます。」
「しかも読んでるのが魔獣関連の本⋯⋯。」
つーか誰が置いた。
職員に聞く。
「あの子、よく手伝いをしてまして。駄賃を貯めて、本が買いたいと言うもので。確かに本が少ないですから、とりあえず適当にあのぐるちゃん⋯⋯ああ、えっと、研究者の方に沢山買ってきて貰ったのです。」
「そしたら魔術関連も入ってた、と。」
「ええ、幾つか。そうしたらあの子、そればかり読み始めて⋯⋯。」
ふーむ。とりあえず。
「軽くスルーしたけどぐるちゃんって何⋯⋯。」
「いつもあのぐるぐる眼鏡かけてるのですよ⋯⋯。やる事は真面目なのに⋯⋯。」
「あっははははっ!やっぱりアレ面白い奴だったのね!あはははははっ!」
ウケますわー。
「まあ、いいや。でさ。あの子と少し話してみたいわ。」
「あの子とですか。⋯⋯わかりました。呼んできましょう。」
さてさて、どんな子かしらね。
私の予想だと⋯⋯。
ところで、何で普通にいい事してんのよアンタ。