第一王子をごしょーたーい!
アンナちゃんとラディーちゃんに振り回される第一王子(名前未定)。
ちわっす!アンナちゃんだよ!まだ仮面被ってます!今私は第一王子の馬車にいるよ!
「……シャムシャラの亡霊。」
「なにかなー?」
「君が言う、我らが神とは、何者だ。」
「えー、貴方も知ってると思うんだけどー。ま、会ってのお楽しみ?」
ラディーちゃんです。
「……そうか。」
ものっそい堅いなぁ。ま、命狙われてからの100人ぶっ殺した血染めの仮面女が目の前にいるわけだしそうもなるか。……私、第一王子と城でたまに会うんだけどなぁ、気付かれんね。
「さて、そろそろ着くかなー。」
ラディーちゃんがいる所とは別の、森の入り口に来ました。……ラディーちゃん、森なら何処でも跳べるらしい。すげー。
「ここが、か?」
「んー、そろそろー……。」
そう言った瞬間、地面がぼんやり光って、風景が歪み。
「……ここは!?」
「ヤッホウ、来タネ。」
「よーっす、連れてきたよラディーちゃん。」
「オツカレー。」
黒い花の咲き乱れる、深く暗い森。そこにある秘密の花園に聳え立つ、邸宅の前にはラディーちゃん!
「……貴女は。」
「招待状、受ケ取ッテクレテアリガトー。私ハ。」
そう、こいつは。
「私ノ名前ハ、トレイル・ドライアーディ。ヨウコソ、私ノ、黒ノヘ。」
「なん、と……。」
「守護神様……!?」
すげーびっくりしてらぁ。ま、しょうがないよね!ラディーちゃんも神々しいオーラ全開にしてやがらぁ。
「デ、仮面取ラナイノ?」
「あー、そだね、取るか。」
仮面脱ぎ捨てます。あー開放されるー。
「お久しぶり、でいいかな?どうも、アンナ・グリムディアだ。」
「グリムディア侯爵……!?」
「なん、と……。」
お前ら同じ反応しおってからに。
「アンナチャンノ評価ノトオリ、堅実ダネー。デモ、ココマデ来ル博打モデキルカー。イイネ。」
「だろ?バカとクソと比べるまでもないわ。」
「アッハハ、ソウダネー。」
「……グリムディア候爵と、守護神様は仲がよろしいのですか?」
「ソーダヨー。」
「うっわラディーちゃんと仲いいとかうっわ。」
「キャーヒドーイ!アンナニ愛シテクレタノニ!」
「何時だよ!」
「イマダヨ!」
「今かよ……。」
「……本当に、仲が良いのだな。」
ま、ラディーちゃんとの仲だし?
「ソレハオイトイテ。君達は暫クコノ屋敷ニ居テネ。アア、連絡ハ取レルカラ心配シナイデ。」
「……ここにいる間、王都は。」
「なあに、心配するな。」
「というと。」
「これから第二王子が王になるって宣言する訳よ。だがアレは守護神に認められない、つーか拒否される訳。そこに第一王子が守護神に認められて出て、第二王子を叩く。守護神に認められる為に森で学んでいた、っつー理由でな。その後に貴方が王になるわけ。そーいう筋書きで進んでるんだよ、おーけー?」
「……貴女は、一体。」
一体、と言われてもねぇ。
「色々試してるだけだよ、私については深く考えないでくれ。」
「楽シンデルダケダモンネ。」
「人生、楽しまなきゃ損ってな!あっはっはっはっは!」
「アハハハハハ!」
「……そう、だな。」
「ま、しばらくはここの生活を楽しんでくれ。ここの花は綺麗だよ?それに、欲しいものがあればラディーちゃんか私に言ってくれれば持ってくるさ。」
「私ガツクッタ侍女モイルシネー。」
「マジ?やるじゃん。」
「フハハー、アガメヨー。」
「ははー、かみさまおーさまラディーさまー。」
「ハッハー。」
話が進まん!
「……さて、私はそろそろ行くよ。また来る。」
「……まて、一つ聞きたい。」
「なにかな?」
「シャムシャラの亡霊、とは何だ?」
……。
「他称、さ。」
「シャムシャラハ輪廻神ノ事ダネ。」
「輪廻神の巫女だしな。」
「デモナンデ亡霊?」
「そう言われた事がある、ってだけよ。」
「…………ソウ。マアイイヤ。」
……ラディーちゃん、私から何の情報を取った。
まあいい。
「そういうわけ、いいかな?」
「……理解は出来んが、そういうものだと思っておこう。」
「そうしてくれ。」
にげよ。
「それじゃ、ラディーちゃん。後宜しく。」
「ハーイ。マタネー。」
「またなー。」
さ、領地に行こう。ラディーちゃん、宜しく。
「トンデケー。」
ひとっ飛びだぜ!!!ヒャッホゥ!
「……これで一つ関門を乗り越えましたな。」
「そうだな。」
「私……守護神様初めて見たのですが……。」
「そうだったっけ……今度行ったら喋ってみる?」
「い、いえ、滅相もありません……。」
残念。
「さ、領地で休んで、王都に帰ろうか。」
「ええ。」
「主の望むままに。」
とりあえず、シャワー浴びたい。
騎士は静かに佇んでます。