考えぐつぐつ。
考えるんだ⋯⋯。
やっほう、アンナちゃんよ。
テルシエを撫でながら、まだ見てる。
皆は、まだ考えてる。
「ううむ⋯⋯もはや訳が分からなくなってきた。魔術とはなんだ?」
「魔術は、魔力を消費して起こす事象よ。」
「余計わからん⋯⋯。」
「ああ、くそ!煮詰まった!」
「休憩しましょうか。⋯⋯皆に、熱いお茶を。あとお茶請け。」
「畏まりました。」
「あ、私ケーキがあるのですが、どうでしょうか。」
「いいね、甘い物は素敵よ。」
メアのケーキ、いいわね!
ティータイム。美味しい紅茶、美味しいケーキ。
「美味しいわね!至福だわ⋯⋯。」
「甘い物が染み渡る⋯⋯。」
「⋯⋯むにゃ、けーき⋯⋯?」
おや、テルシエ。起きた?
「ケーキ、食べる?」
「おかーさん、わたしも食べるー⋯⋯。」
誰がおかーさんだ。
「⋯⋯ックク、また母親と間違われたな?」
「私はまだ15よ⋯⋯。」
「なん、だと⋯⋯。」
「15!?そうなのですか!?」
おい。全員揃ってびっくりしてるんじゃない。
「おいし⋯⋯。」
「まだ寝ぼけてるわこの子。ああもう、口に付いてるわ。」
拭いてやる。全く、この子は。
「⋯⋯母親だ。」
「母親だな⋯⋯。」
「⋯⋯いい、なぁ。」
誰が母親だ。そしてボサロリ、母親が欲しいのか。
まあ、ロリだしねぇ。
「⋯⋯ほら、来なさい。」
「⋯⋯!」
膝の上に乗っかるか。しょうがないわねぇ。
頭撫でる。一瞬固まったけど、すぐに頭をすりよせてくる。⋯⋯懐いたわね。
「二児の母だ⋯⋯。」
「孤児院⋯⋯。」
おい。おい。
「なんでしょう、容易に想像できるのですが。」
何故!?私ほど孤児院みたいな所と縁遠いのは居ないわよ!?むしろ孤児つくる方よ!?
「なんなのもう⋯⋯。」
「⋯⋯でも確かに、お母さんです。何だか、間違えてしまいます⋯⋯。」
テルシエェ。
「おかー、さん。」
ボサロリィ!
「なんなのもー!!!私に!結婚願望は!無い!!!」
「無いのか。」
「無いわ!」
「やはり孤児院の⋯⋯。」
そこのインテリィ!
「いっそ開いてみたらどうだ?」
「そうですね、最近は魔獣のお陰で孤児が増えておりますし。魔の将直営なら、信頼できますね。」
「どうだ、やってみないか?」
「私にゃ研究もこいつらもあるから!私何人要るのよそれ!」
「なに、人を使えばいい。お前が選んだ者をな。」
「ううむ⋯⋯。」
それならまあ出来ないこともない。
「⋯⋯グリディナ様、家からも援助、出せるか頼んでみても?」
ツインテの所か。⋯⋯かなり力持ってる所だったわねぇ。うーん。
「何故そんなに孤児院を推すのよ⋯⋯。」
「今この国に必要だからだ。そして、お前なら出来ると感じたからだ。」
うぐぐ。
ぐぐぐぐぐ。
「⋯⋯おかー、さん。私も、応援する。」
膝の上から、にぱっ、と。笑顔で言われてしまった。
このボサロリほんと天使か。
「あーもう、わかったわよ!どうなっても知らないからね!」
「助かる。」
なんなのよもーー!!!!!
「おかーさん孤児院⋯⋯。どんなふうになるのかな⋯⋯。」
どんなふうにしようかしらね?
「魔術の得意な子が増えそうだな。」
「子供の無邪気さが凄まじい力を引き出しそうだな。」
「想像力も豊かですからねぇ⋯⋯。」
「そうだな⋯⋯。」
⋯⋯グランダルと目配せ。
(なあ、何故こいつら自分で言って気が付かないのよ?)
(そういうものじゃろ。)
「⋯⋯⋯⋯ああ、そういう事、なのね、ああ、ああ!」
お?ツインテ。
「グリディナ様!私っ⋯⋯!」
「言わなくていいわ、その答えは貴女だけのもの。」
「⋯⋯っ、はいっ!」
「え、解ったのか?」
「なんと⋯⋯。」
「おかーさん、私もわかった。」
ほう、ボサロリも。
「言ったら駄目よ?」
「わかってるー。」
とりあえず頭撫でる。
「何の問題だったのですか?」
「魔術を出す時にね、必ず必要な事よ。皆やってる、魔術じゃなくてもやってる事よ。」
「⋯⋯歌でも?」
「ええ。歌っても、聴いてもね。」
「それって、聴いてる時の方が多い?」
「そうねぇ。その方が多いわねぇ。」
「⋯⋯なるほど。わかりました。確かに、大事ですね。」
おう今ので解ったのか。
「ふふっ。」
あ、こいつ解ってるわ。
「ぐぬぬぬぬぬぬ⋯⋯。」
わからない奴らは、頭を抱えると。
あー、可笑し。
わからない奴等はそのまま頭抱えてろ!
私が孤児院とかさぁ、無理ー。
はー。
お茶が美味しいわねー。
⋯⋯いやほんと、どうしましょう。
煮立ちすぎて被害を被るアンナちゃん!




