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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
138/204

なんかわらわらと。

魔術談義。

はーあーい、アンナちゃんよー。


読書中。主に魔獣に関しての本を。


周り?なんか弟子共が、向かいと横のソファー、並んで本読んでるわ。私のソファー?テルシエが座ってる。


ていうか、何で私の近くで読むのかしら。


ソファー以外にも本棚の所に幾つか椅子置いてあるじゃないのよ。


まあいいけど⋯⋯。


侍女に紅茶をおかわり頼んで、読み進める。


読み終わったら、また次の本。幾つか持ってきてるから、動かずに。


部屋の中、本をめくる音しかしないわ?


さて、次の本。


テルシエ、よく見たら寝てるわ。まあ、旅終えてその日だからねぇ。疲れも溜まってるでしょうし、寝かせておきましょう。


本から目を逸らさず指をくるくる。


魔術で浮かせて、横にさせて。あー、長さ足りてない。まあいいや、膝枕で。


毛布を出して、かけて、と。


弟子共が驚いた顔で見てくる。何よ。


「い、今魔術を使ったのですか⋯⋯?」


「⋯⋯?そうだけど。」


「発動が全く分からなかった⋯⋯。」


そりゃあ、私は魔術の隠蔽が得意ですもの。誰だろうとわかりゃしないわ。


「魔術をもっと良く観測しなさい。どういう形をとって発動まで行ってるのか。どんな魔術だろうと、その過程はあるからね。」


「は、はい。」


「魔術として成っているものはね、どんな物も最初は同じ。そこからどう辿って発動するか。⋯⋯そうね、最初は何かしら?はい、ボサロリ。」


「エ、と。詠唱、ですか。」


「はい、ツインテ。」


「ええと⋯⋯魔力でしょうか?」


「はい、細マッチョ。」


「⋯⋯充填、ですか?」


「はい、インテリ。」


「⋯⋯周囲にある魔力の吸収?」


ふむ。


「全員、違うわ。」


「なら、何なのですか⋯⋯。」


「そうねぇ。今言ったものは全部途中にあるものよ。何かがあって、自分の魔力を使って、周囲の魔力を吸収、充填。詠唱して、また何かがあって、発動。最初と発動寸前は二つとも同じ事、必ず入るものがあるわよ。」


「ええ、と⋯⋯?」


「ふふ、これは頭を空っぽにするとわかるかもね。ああ、そうそう。魔法陣はまた別の発動手順よ、あれはね。けれど、ここにも同じ事が入るわ。」


「ううむ⋯⋯。」


と、ここでノック。


「入りなさい。」


「入るぞ。⋯⋯また、面白い講義をしているな。」


おや、ゼルノとメアと、他の将。全員集合とは珍しい。


立とうとする弟子共をそのままにさせて、と。


「ああ、立たなくていい。邪魔をしたな。⋯⋯それで、答えはなんだ?」


「答えたら勉強にならないわよ。これは考える事に意味があるのだから。」


「そうか。」


「ところで、ぞろぞろと何の用かしら?」


「なに、少し将同士で交流を、と思ったのだが。」


「そう。⋯⋯椅子を用意なさい。」


「畏まりました。」


「感謝する。」


「貴方達は、そこで考えてなさいな。思考の邪魔をしてるのはこっちだからね、いいでしょう?」


「うむ。」


ソファーを少し後ろに下げて、机をもう一つ置いて。新しくソファーならべて、四角に。これでよし。


「さて、紹介しよう。まずは私、魔王のゼルノだ。」


「ええ、知っているわ。私は魔の将のグリディナ。」


「うむ。こいつが、側近のメア。」


「先程もお会いしましたが、メアと申します。」


「ええ、メアちゃんね。」


「メアちゃん⋯⋯。」


「このおっさんが、武の将、ギセン。」


「宜しく頼むぞ。⋯⋯俺はおっさんじゃない。まだ300と少しだ。」


「私からしたらジジイね?」


「じ、ジジイか⋯⋯ううむ、これが種族差か⋯⋯。」


「⋯⋯このじいさんが、練の将、グランダル。」


「よろしくのう。ギセンがジジイなら、私は骨董品かの?」


「一周回ってもはや遺物。」


「遺物⋯⋯まあ、そうなるかの⋯⋯。」


「⋯⋯⋯⋯で、この若いのが、技の将、ヒスト。」


「宜しく。⋯⋯これ、私はどうなるのだ?」


「そうね、貴方こそオッサンね?」


「⋯⋯これ、かなりダメージがくるのだが。」


「皆からしたら、私は赤ん坊みたいなものでしょ。いいじゃない。」


「確かにのう⋯⋯。」


「幾つなのだ?」


「乙女にそれを聞くのかしら?」


「言ってみただけだ。」


15です。まだ15です!!!!!


わたしあんなちゃんじゅうごさい!!!!!


はい。よく年上に見られますわ。


「それはそうと、先程の問い。皆も考えてみない?」


「そうだな。魔術に関して、さらに知ることが出来るかもしれん。」


「確かに、そこまで考えた事もなし。」


皆で頭を捻る。


「ううむ、魔術とは魔力を込めて詠唱をすれば良いのではないのか?」


「流石にそれだけではないじゃろう。」


「詠唱を短縮する、というテクニックもあるからな。」


「魔力、詠唱、発動。それ以外にも何かがある、ということですか。」


「ううむ。何だ?」


皆がうんうん唸っているのを、寝ているテルシエの頭を撫でながら見る。


というか、起きないわねこの子。


「⋯⋯なあ、グリディナ。ヒントをくれないか。」


「ヒント、か。そうねぇ⋯⋯。」


うーん。


「そうねぇ。ねえツインテ。」


「は、はい。なんでしょう。」


「貴女、詠唱はどこまで短くできる?」


「ええと。簡単なものであれば詠唱しなくても。頭の中で詠唱しては居ますが。」


「へえ、なかなかやるじゃない。」


「まて、無詠唱だと?」


「ええ、無詠唱よ?とはいえ、脳内詠唱だけど。」


「その様な事が出来るのだな⋯⋯。」


「まて、脳内詠唱、というのなら、本当の無詠唱というものも存在しているのか?」


「ええ。私は大体それよ。」


「⋯⋯この前詠唱していなかったか?」


「する時もあるわ。毎度違うけれどね。」


「待ってください、毎度違う、というのは、詠唱がですか?」


「ええ。例えばそうね。」


火の玉。


「はい、これは火の玉。」


「詠唱してない⋯⋯。」


「詠唱してみましょ。んー。」


「燃える玉、ここに出る。」


火の玉。


「⋯⋯あれ、俺の知っている詠唱とは違いますね。」


「ええ。⋯⋯炎よ炎よ炎さん、ここに浮かんで下さいな。」


火の玉。はい。


「ううむ?これでも出るのか。」


「そしてこれ。うぃるおーうぃぷすー!」


火の玉。はい。


「それはもはや種族だ⋯⋯どういう事だ?」


「うふふ。これができるのも、とある何かを使っているから。」


考えなさいな。


「火の玉の、詠唱が複数ある、という訳ではないのだな?」


「複数あるわよ?けれど、そのどれでもない。」


四つの火の玉を、お手玉しながら答える。


「簡単な事なんだけどね。皆も、必ずしている事。難しい事考えずに、頭空っぽにして考えなさいな。」


「⋯⋯⋯⋯なるほど、そういう事かの。」


「解ったのか!」


「ああ、言わないでね。これは自分で考えて導くものだから。」


「うむ、心得ておる。⋯⋯儂も、いつもやっておるのう。」


「でしょうね。特に、錬金術なんてそうでしょ。」


「うむ。錬金術と魔術は近しいものであるからな。」


「魔術が出る前は錬金術が栄えていた、って話よね。」


「そうじゃの。」


「⋯⋯わからん。」


「ま、ゆっくり考えなさいな。」


紅茶でも飲もう。










グランダルじいさんは解るでしょうね。

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