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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
135/204

道中、とある日。

馬車で進む、三人旅。

おはよう、アンナちゃんよ。


まだ、誰も起きてないみたいね。ま、いつもの事だけど。


テントから出て、周りに変化が無いことを確認。


魔術、探査。よし、周囲に危険は無し。


さて、朝ごはんでも作りますか。


焚き火、まだ火が残ってるわね、継ぎ足して、強くして。


倉庫、大量にストックしてあるコンソメ!たまに継ぎ足すあれ!


ベーコン!キャベツ!ポテト!


鍋で、煮込みます。


パンは生地を串に刺して、焚き火の周りに!


よし。あとは⋯⋯今日はコーヒーでいこう。


待つ間、水で顔を洗って。軽く化粧して。テントで着替えて。


パンの向き変えて。スープかき混ぜて。


剣の手入れして。


ん、いい感じの匂いしてきた。


テントに動きあり、あそこは魔王の。


「⋯⋯おはよう、グリディナ。」


「おはよう、ゼルノ。もうちょっとだから顔洗ってきなさいな。」


「ああ⋯⋯。」


よし、出来た。


「相変わらず美味そうだ。」


「褒めても何も出ないわよ。」


さて。


「テルシエ、朝よ、起きなさい。」


「んに⋯⋯あと五分⋯⋯。」


「朝ごはん、要らないと見た。」


「食べますっ!」


よし、起きた。


顔を洗うのを待って。さあ、朝ごはん!


「いただきます。」


「頂こう。」


「いただきますー。」


うん、我ながら美味しい。


「んむ⋯⋯。」


「はい、コーヒー。」


「ああ。」


「テルシエも。」


「あ、ありがとうございますお母さ⋯⋯あっ。」


「ブッフ!お母さんだと⋯⋯ックク。」


「誰がお母さんだ。誰が。」


「今日もありがとう、母上。っくくくははっ。」


「この野郎⋯⋯。」


一児の母になった覚えはない!


「一児、か。っくく、となると俺が父親か?」


「なっ、⋯⋯よーし、死にたい様だな!」


「ハッハッハ!」


「夫婦喧嘩⋯⋯。」


おい。おい⋯⋯。


「ッフ、いいではないか、夫婦。」


「お断りよ!」


なんなの!




食べたら片付け!


「あ、手伝います。」


「ん、ありがと。ならお皿拭いて頂戴。」


二人で片付け、ゼルノはどこからか⋯⋯もとい、自分の倉庫から出した新聞。⋯⋯今日のじゃないの。


「城の執務室にな、俺の倉庫に繋がっている魔導器があるのだよ。」


「いいわね、それ。」


「尚、新聞程度の物しか入らない。」


「ダメじゃんそれ。」


「朝刊を読むのに便利だぞ?あと、たまに報告書が入ってくる。」


「ああ、書類仕事には便利そうね⋯⋯。」


「なんなら、城に着いたら一つやるぞ?」


「頼むわ。」


「わかった。」


よし、片付け終了。


「よし、ならば出るか。」


馬車に乗って、進むわ!




御者はゼルノ。私とテルシエは、後ろ。


「⋯⋯ん。」


「どうした?」


「魔獣。二時の方向。」


「⋯⋯あれか。狼⋯⋯仕留めようか。」


「ええ。」


攻撃範囲に入るまで進む。入っても、進む。


「よろ。」


「ああ。」


御者交代。


ゼルノが飛び出て、切り伏せて。終了。


「魔石は?」


「あったぞ。」


一つ。まあまあの大きさね。


「は、速いです⋯⋯。」


「大丈夫、そのうち慣れるわ。」


「そういうものなのですか⋯⋯。」


また進む。




テルシエが御者。横に私。テルシエの練習に。


「魔獣、大きめ。正面。付近に他の反応あり。」


「あれは⋯⋯馬車の残骸か。」


「あ、一つ消えた。残り一つ。」


「ッチ、殺るぞ。」


「また消えた。残り魔獣のみ。」


「⋯⋯そうか。殺ることには変わりないがな!」


ゼルノが飛び出す。


「亀、か。悪いがここで死んでもらう!」


「援護します!活力の歌!⋯⋯〜~♪」


へぇ、歌。流石はセイレエルフィ、かしら。


「それじゃ、私も援護しましょ。」


水の刃。ほら、濡れなさい。


「そうきたか、ならば!」


ゼルノが剣を、比較的柔らかい脚に突き刺す。いいねぇ。


「離れなさい。」


「百も承知!」


魔術、ストリーマ。感電死。


「反応消失。魔石はあるかしら?」


ゼルノが叩き割る。


「あったぞ。⋯⋯一つ。」


小さめかぁ。残念。


「援護、感謝する。」


「だってさ、テルシエ。良かったわね。」


「は、はい!」


「お前もだがな。」


「ふん、さっさと進みましょ。」


馬車の残骸、遺品を回収して。遺体を火葬して、進む。


「遺品、ですか⋯⋯。」


「そうよ。旅では良くある事。」


「死んだ者を供養する事もだ。⋯⋯供養してやらないと、アンデッドになるしな。」


「そうなのですか⋯⋯。」


「ぞんびーとか、報われないしねぇ。なるべくなら、安らかに、ね。」


「旅人の義務、だな。何時かは自分もこうなるかも知れない、という戒めも含めて。」


「旅って、想像以上に大変なのですね⋯⋯。」


「この旅が楽過ぎるだけだな。普通なら、命の危険など常にある。」


「ええ。馬車なんて無し、徒歩で一人、果ての見えない旅路を進む。死神は常に傍に、首に鎌をかけて待っている。」


「しかして、旅は多くの事を教えてくれる。長き道程の先には、更なる未知を知らしめてくれる。」


「勇敢、されど臆病なれ。旅人よ、いざ進まん。」


「そして未知を求め続けよ。」


「わぁ⋯⋯。⋯⋯誰かの言葉、ですか?」


「適当。」


「即興。」


「え、えぇー⋯⋯。」


「こんなもの言ったもの勝ちよ!」


「フッ、そうだな。」


馬車は進むよどこまでも。




夜。野営!


トラップを設置して、鳴り子をつけて。


結界張って。


よし、ご飯!


肉を焼いて、塩と黒胡椒で!


それと牛のテールスープ!


パン!


「これは力がつきそうだ。頂こう。」


「いただきます。」


「いただきます。うん、我ながら美味しい。」


「お母さんには悪いですけど、断然美味しいです⋯⋯。」


「なあ、お前本当はシェフではないのか?」


「違いますー。」


「うーむ⋯⋯。そこらに居るシェフなど足下にも及ばん気がするのだが⋯⋯。」


「そんなに?」


「世辞抜きで、な。」


うーん、今度そっちあたり試してみようかしら⋯⋯。


「ところで、何を飲んでいるのですか?」


「ワイン。飲む?」


「い、頂きます。」


「俺も貰っていいか。」


「ええ。」


お気に入りのやつ。


「美味しいですねぇ⋯⋯。」


「ふむ、流石、と言うべきか。」


「美味しいわよねー。」


ストックは過去のループで沢山あるからね、減りは心配しない。


ましてや倉庫、酸化も心配なし!まあ、大抵飲みきるけど。


「倉庫、便利ですね⋯⋯。」


「あら、簡単よ?」


「ああ。少し認識を変えるだけだ。」


飲みながら、インストラクション。


「出来ましたー!やったーあぁー⋯⋯。」


ぱたり。あ、酔いも相まって寝た。


「すー⋯⋯すー⋯⋯。」


まったく。テントに運んで、と。


「⋯⋯ねえ、ゼルノ。」


「なんだ、言いたい事はわかるが。」


「なかなか筋よくない?この娘。」


「だな。⋯⋯どうだ、究められそうか。」


「それはあの娘次第ね。競い合える友人が出来れば、かなりいけるかも。」


「ふむ。同年代でなら⋯⋯アレがいるな。」


「もしかしなくてもツインテール。」


「⋯⋯まあ、間違ってはないな。ツェツィーリア嬢だ。」


へえ、そんな名前だったの。


たしか将になればツィディナ、だっけ。⋯⋯あ、そうだ。


「ねえ、確か将になったらコードネーム的なもの付けられるのよね。」


「ああ。お前は何がいい?」


「⋯⋯このグリディナって名前、元はそれなのよ。」


「そうなのか、ふむ。他の世界の俺もなかなかいいセンスをしている様だ。」


「⋯⋯出来ればこれで行きたいのだけど。」


「いいだろう。⋯⋯因みに、だが。本名、何という。」


「⋯⋯。アンナ。アンナ・グリムディアよ。」


「アンナ、か。いい名だ。」


ふん。


その後は無言で、飲み続ける。


「⋯⋯無くなったな。」


「ええ。」


寝るか。


「おやすみ、ゼルノ。」


「ああ、おやすみ。アンナ。」


テントに潜って、寝る準備して、おやすみなさい。


夜は更けていく。






何いい雰囲気出してんだこらー。

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