転移先の戦闘!
敵、発見!
っはー!アンナちゃんよ!
転移させられて、遺跡に戻ってきた!
「向こう、騒がしいわね。」
さっき言ってた、お仲間がピンチってのかしら。
向かいましょ。
「っ、グリディナか!手を貸せ!」
「どうしたよ魔王!」
焦ってる感じね!
周りには何も居ないけど!
「ていうか魔のは?」
「上だ、来い!」
縦穴の上か。
急上昇!縦穴を抜けて。
「わぁお。」
「アレは危険すぎる!ここで倒すぞ!」
「魔王様!これはかなり⋯⋯!」
魔のが大苦戦してるね!
黒竜。目が赤い。
「竜の魔獣、しかもほぼ完全になってるわね⋯⋯!」
魔術、探査。反応検知。
「しかもモンスターかよ!アッハ、いいねぇ!」
三つ持ってるわね!
「よくないだろうが!」
「ぶっ殺してやるわぁ!アハハハッ!」
いざ、目標は是に!
「かなりの速度で再生します、お気を付けを!」
「了解よ!」
「応よ!」
魔術発動、風の刃!その場回転、それを多数!
「そうら、切り刻まれなァ!」
「くらえ、闇の刃!」
私のを見て、魔王も刃で。無数の刃が黒竜に!
「ッチ、硬いわね。」
「しかも半数を避けるか⋯⋯!」
あの翼、邪魔ね。
「近接用意!魔術発動待機!」
ドッグファイトと洒落こもうじゃあないか!
「あはははっ、こっちよトカゲ!」
顔に爆発を数発叩き込む。ほうら、こっち見た。
「トカゲがイキってるんじゃあないわよ、遊んであげる。」
挑発。おお、効いた。挑発だってわかる頭はしてるのね。
「グリディナ!あまり舐めては⋯⋯!」
「わかってるわよ。」
お前も挑発にかかってんのかい。
おっと、竜が突っ込んできた。
「遅い、遅いわ、ノロマなトカゲ。」
空中をくるくると。追いかける竜、ブレスもくる。
「そんなに遅くちゃ、当たりませんわぁ?あっははははっ!」
魔術発動、コンセントレート。
反転、接近。
「こっちよ、トカゲ。」
黒い靄の中を通り過ぎる。あ、やべ、少し吸った。まあいいや問題ない。
通るついで、通りすがりに、風の刃を数発叩き込む。うん、再生するわ。
ちょっと遅れて、追い掛けてくる。私は少し待って、逃げる。
「あっははははは!捕まえてご覧なさいな!」
トカゲよりイイ男に追いかけられたいけどね!あっはは!
「さて、そろそろかしら。」
魔術発動、コンセントレート。
再度、コンセントレート。
追い付くか、追いつかれないかのギリギリな速さで。
「こっちよ、トカゲ。」
地上に向かって飛ぶ。
追い掛けてくる竜。
魔術発動、コンセントレート。
地上に近くなったところで。
「それじゃ、その邪魔なものは切り落としましょう。」
禁術発動!ブラスティラヴァ!
魔術発動、制御に!炎の刃!
「喰らいな、ラヴァ・ブレイド・マグナ!」
溶岩の刃で、その翼を焼き切る!魔獣といえど、これは耐えられないでしょう!
ましてや避けようにも、突然噴き出した刃に、反応は出来ないでしょうね!
翼をもがれ、落ちるトカゲ。地上に向かって飛んでいたから、勢いのまま地面に。
魔術発動、アーススパイク!
落ちる先にでかい刺を!串刺しだ!
頭から貫かれるトカゲ。根本の太いところで引き裂かれて。
「っふ、あははははははははははっ!!!汚ったない開きねぇ!」
禁術発動、ブラスティラヴァ!
「再生するのなら、灰にしてしまえばいいのよ。」
焼き尽くす。黒い靄が燃えて、真っ黒な炎に。うわぁ。
「⋯⋯やるじゃないか。」
「なるほど、そういう、倒し方もあるのですね⋯⋯。」
「⋯⋯大丈夫?満身創痍じゃない、魔の。」
「⋯⋯少々、手酷くやられましたよ。」
「そう。⋯⋯しばらく休息が必要じゃない?」
「そうだな。ここを離れて、安全な場所に行くか。」
「すみません⋯⋯。」
さて、移動し⋯⋯!
「魔王!」
「なっ⋯⋯!」
「いけませんっ!」
炎の中から、竜の⋯⋯頭っ!
魔王に向けて飛んで、よけられない!
「が、は⋯⋯。」
「なっ⋯⋯!」
「ッチ!」
庇う魔の将、顎に喰らいつかれ。
「魔王、様⋯⋯ご武⋯⋯運、を⋯⋯。」
瞳から光が消える。
「ブラスティラヴァ!」
魔の将ごと、今度こそ焼き尽くす!
「グリディナッ!」
「あれで生きれると思ってんのか、アァ!?」
忠誠者だ、ゆっくり寝かせてやれ。
「っく⋯⋯!」
禁術発動、ブラスティラヴァ。⋯⋯火焔葬送。
「⋯⋯ゆっくりと、おやすみなさい。」
はぁ、くそ。まさか頭だけで動きやがるとはね。
「⋯⋯っ。貴様の忠誠、見事であった⋯⋯!」
さようなら。
全部燃えたのを確認して。
「さて、魔石を回収したら戻るわよ。」
「っ、何故貴様は⋯⋯!」
「こんな敵地のド真ん中で嘆きたいのなら、どうぞご自由に。喰われたいのならどうぞ、どうぞご自由になさってくださいませ。私はまだ食われたくないですから。」
優先事項を間違えるなよ。
「⋯⋯⋯⋯っ、クソッ!」
フン、若いね。
さ、戻るわよ。
あーあ、死んじゃった。