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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
129/204

銀の扉。

扉に入ろう!

はろはろ、アンナちゃんよぉ。


扉、くっっそ重い!なんなのよこれ!


「うぐぐぎぎぎぎ⋯⋯!」


ちょっとは動くけど、ぜんっぜん開かない!


「⋯⋯押してダメなら引いてみる、かしら!」


引く取っ手がない!


「こんの、なんなのよこれっ!」


蹴っ飛ばす。揺れるけど開かない!


「あー、もー。吹き飛ばすか。」


爆破するか!


魔術発⋯⋯!


「それは引き戸ですよ。」


⋯⋯?


「誰?」


とりあえず、引き戸ってことで⋯⋯。


あ、開いた⋯⋯。


がっくし⋯⋯。


「完全にアホやったわね⋯⋯。」


こういう扉って普通押し扉なのに⋯⋯。


お恥ずかしい限りで⋯⋯。


「ま、まあいいや、開いたし入りましょ、うん。」


さっきの声も気になるしね。


さ、さあ、さっさと入ろう!




銀の扉、その内部に侵入!


銀色の通路だ。けど、眩しくはない。


後ろ、扉が閉まる。⋯⋯戸袋の所、なにか模様があるわね。


なにこれ。これも銀色で書かれた⋯⋯眼?


怪しいわね⋯⋯進めばわかるかしら。


てくてくと進む。


なんか、空気が変。澄んでいるというか⋯⋯清浄というか⋯⋯。


ここ、地下深くよ?


警戒しつつ、進む。


壁、銀色だけど、何か書かれてる。模様?絵?


見にくい⋯⋯。銀に銀で書くんじゃないよ!


うーん、よく見えない、これ、竜?


わからん。


あ、奥に開けた場所があるね。


そこまで歩く。


「到着、かしら。」


開けた場所。銀色の広間。止まった歯車、止まった色々なよくわからない機構が壁を覆い尽くしてる。


天井には、扉みたいなのがついてる。開くのかしら。


そして目の前、あれは⋯⋯祭壇?


そして、祭壇の前で何かをしている女。


青い髪の、女。


「扉は開けられた様ですね。」


振り返り、こちらを向く。


「ええ。⋯⋯先程の声は、貴女?」


「そうですよ。神に見出されし者。」


ぞわり。


「貴女は、何者かしら。」


「私は⋯⋯そうですね。レイラ、とでも。」


偽名か。


「私は、グリディナよ。」


偽名で返す。


「存じております。シャムシャラの巫女。」


ぞわぞわ。


「何者よ。」


近づいてくる。青い髪、青い眼、眼鏡。


「そうですね。知の探求者とでも。」


白いブラウスに黒のネクタイ、青い斜めに切れたドレスのスカート、細身の黒いパンツスーツ。


「ああ、それほど警戒はしなくても宜しいかと。今はまだ、相対する時ではないので。」


「今はまだ⋯⋯?」


パンツスーツが見える左脚の根本。斜めにベルト、そこに剣が挿してある。


反りのある、剣。


「ええ。それについては、教えられません。今はまだ。」


何者よこいつ⋯⋯。


「それよりも、ここが何なのか知りたくありませんか。」


「⋯⋯そう、ね。それは知りたいわ。」


ここで何かをしていたのだから、わかるのでしょうね。


「ええ、では教えて差し上げます。」


はい。


「ここは、とある神の封印場所。」


「え、えぇー⋯⋯。」


神域じゃないのよ⋯⋯。


「精霊神が出現する、その前。最高神すら、居ない時。」


うん?


「全てが滅した、時の前。」


「どういう事⋯⋯?」


「世界は、数度滅んでいのです。遺跡は、その名残。」


「世界は移り変わる⋯⋯?」


さっき見た、家の中に残ってた本にも書かれてたわね⋯⋯。


「ええ。⋯⋯この遺跡に眠るのは、数度前の世界に居た神。⋯⋯いえ、神となったのはその後の世界ですので⋯⋯住民、と。」


「過去に活躍した者が神話に出てくる、っていう説もあったわね。」


「ええ、ええ。まさしく、です。」


「何故、それがわかるのよ。」


判明しているのなら、何故発表しない?


「私は、ただ集めるだけ、です。発表するのは、人が行わなければ。」


「⋯⋯つまり、貴女は人ではない訳ね。」


「さあ、それはどうでしょうか。⋯⋯少なくとも、ここに眠る神ではありません。」


そうかい。


「他に、質疑はありますか?」


「ここに眠るのは何。」


「機構神。です。」


聞いたことのない神。


「今の世界では、目覚める事は無いでしょう。」


そう。


「目覚めの時は、連鎖して他の神も目覚めるでしょう。そして、世界は赤く染まる。」


「赤く⋯⋯。」


「これ以上は、教えられません。」


「⋯⋯そう。ありがとう。」


「いえ。これもまた、私の務めですから。」


務め、ね。


「さあ、お帰りなさい。貴女はまだ、ここに来るべき時ではない。」


「来るべき時、というのは。」


「ふふ。その時は、いずれ。⋯⋯これを、お持ちなさい。」


渡されたのは、銀色の小さな歯車。


「それでは、ごきげんよう。出口まで、送ります。」


魔術!?違う、魔術じゃない!なにこれ!


「ああ、一つ教えます。着いたら、戦闘の準備を。お仲間が、危険ですよ。」


「何⋯⋯っ⋯⋯⋯⋯!!!」


転移する、瞬間。振り返り、見て。


青い髪、赤い眼。冷徹な瞳で、観る女。


レイラ、ね。


きっと、あれは天上の⋯⋯。







もしかしたら、どこかで逢っているかもしれないね?って、誰かが言ってた気がするね。

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