探索にいこう!
変態と行く探索。
おはよう、アンナちゃんよー。
朝ごはん作って魔王が起きるのを待ってます。
「⋯⋯おはよう。」
「よう変態、よく眠れたか。」
「本気ですまなかった。」
変態魔王め。
「次はないからね。⋯⋯朝ごはん食べましょう。」
「うむ。⋯⋯これは、貴様が?」
「他に誰が作るっていうのよ。」
「⋯⋯⋯⋯戴こう。」
「いただきます。」
うん、我ながら美味い。
「⋯⋯なんと、これは。城のシェフにならないか?」
「遠慮しておきますわ。」
暇になったら考えておきましょう。
「それで、遺跡探しと行くんでしょう?」
「ああ。もう少ししたら索敵していた奴が帰ってくる筈だが⋯⋯。」
「そう。ならそれまでゆっくり待ちましょう。」
紅茶でも飲んで。
「⋯⋯⋯⋯なあ、城のシェフか侍女にならないか?」
「遠慮しておきますわ。」
「むしろ私専属の料理人に⋯⋯。」
「お断り申し上げますわ。」
どれだけ気に入ってるのよお前。
「むう⋯⋯。」
「変態に仕える趣味はありませんので。」
「うぐっ⋯⋯。」
反応が面白い。
「む、来たようだ。」
「あら。その様ね。」
ドアが開いて、入ってくる魔族。
「魔王様、只今戻りました。」
「うむ、ご苦労。して、どうだった。」
「幾つか、怪しい場所が地下に。又、その付近にてかなり大きな反応を複数感知致しました。」
「ふむ⋯⋯魔獣か?」
「いえ、そこまでは。」
翼の方。ローブ。
「ねえ、コイツって魔の?」
「ああ、そうだ。」
「魔王様、この方は⋯⋯?」
「探索を共にする事になった、亡霊だ。傭兵のな。」
「その言い方だとレイスか何かみたいじゃあないの。これでも人間です。」
「人間⋯⋯役に立つので?」
「少なくともそこらにいる同胞よりかは役に立つな。」
「比較対象が酷いですわねぇ。これでも数回前は魔の将やってたのよ?」
「ほう、そうなのか。」
「⋯⋯過去に人間の将は居なかったと思われますが。」
「ああ、こいつは別の世界から来ているからな。」
「別世界を旅する輪廻神の巫女ちゃんですわぁー。」
「輪廻神⋯⋯ふむ⋯⋯。」
「そういう理由だから、宜しく、魔の。」
「⋯⋯解った、宜しく頼む。」
「では、行くとしよう。」
「稼がせてもらうわよぉ。」
出発!
村の縦穴、その上から出て。山脈の中腹、森の中ー!
「へぇ⋯⋯ここに出るのねぇ。」
歩きながら、喋る。
「ここなら、外敵も来ないらしい。だからあの様に世間から外れても生きていけるのだろうな。」
「辛辣ですな、魔王様。」
「一応魔族じゃあないの?アレ。」
「エルフィはなぁ⋯⋯。」
「ある意味サキュバスより酷いしな⋯⋯。」
「ああ⋯⋯なるほど⋯⋯。」
色んなのとズッコンバッコンしまくって大量の派生作り出してるからなぁ⋯⋯。
「この前また新しいのが出てきたらしいぞ。」
「それはまた⋯⋯お盛んな事で。」
「今度はなにとナニしたのよ。」
「ロックゴーレム。」
「は?」
「え?」
「ロックゴーレム、だ。身体が岩で出来ている、アレだ。」
「⋯⋯どう、繁殖した、のか。」
「無機物⋯⋯。もはや種族特性でもあるんじゃねぇのかしら⋯⋯。」
「有るのだろうな⋯⋯ところでグリディナ、その時折口調が変わるのは何だ。」
「秘密。」
「秘密、とは⋯⋯。」
「色々あんだよ、色々とさぁ。」
ケッ。詮索すんな。
「もしや、そちらが素なのか?」
「そうでもありませんわ。元々はこちらですし。」
「⋯⋯人間の貴族、か?」
「正解、魔の。最近になって口調が崩れてきた感じはあるわね。」
「傭兵などしていてはそうもなるだろう。」
「周りが荒々しいしな。」
「私としては、魔のが口調変わるの気になるのだけど。」
「これはコレで素だ。よく変わる。」
「そうだとも。こればかりはな。」
「ああ、そう⋯⋯。」
「ま、口調などどうでもいい事です。それより、さっさと進みましょう。」
速度速めて、歩く。もういっそ飛ぼうかしら。
よし。
「面倒ね、これでいくわ。」
地面から浮いて、ふわふわと!
「ほう、飛べるのか。」
「確かに、魔の将をしていたと言うだけはある様だな⋯⋯。」
三人とも浮く!一人は翼だけど。
「これなら速いな。」
「どんどん行くわよ。」
目的の場所まで、ごー!
エルフィをディスる三人。