待ち時間はのんびりと。
マイペースなアンナちゃん!
こんばんばんはー、アンナちゃんよーっ。
水面に寝転がって待ってます!
あの娘が囲まれて、根掘り葉掘り聞かれてる。けど、ちょいちょい口を閉ざしてるね。
それにしても、お腹空いた。なんか適当に食べよ。
倉庫から肉を出して、魔術の炎で焼く。うん、いい匂い。
肉汁はフライパンで受けて、そこに塩とコショウ、バジルの刻んだのとオリーブオイルを少し。
野菜も出して、パンも出して。
パンに切れ目いれて、肉を挟んで。
葉っぱものをちぎって挟んで。
作ったタレをかける!
そして、かぶりつく!
「ん〜、美味しいわぁ。」
もぐもぐと食べ進める。うーん、視線を感じるね!
「あ、あの、何をしてるのですか⋯⋯?」
娘ちゃん。
「え?料理して食べてるだけよ?見ればわかるでしょう。」
食べ進める!
「お、美味しそうですね⋯⋯。」
「食べる?」
「⋯⋯今でなければ頂いたのですが⋯⋯。」
剣を見るか。ま、知り合いが死んだの見たのならそうなるか。
「ところで、まだなの?」
「えっと、今お客さんが来てるみたいで⋯⋯。」
「あ、そう。アレが腐らない程度には早くしてねー。」
首。
「う⋯⋯はい⋯⋯。」
もぐもぐ。
戻っていったわ。んー、ふむふむ。
腐りやすいものがあるから早めに、って話してるね。話してる時の顔は悲痛だけど。
ごくん。ごちそうさま。
紅茶でも飲もう。もちろん、お湯を沸かすよ。
魔術の火でお湯を沸かす。一気にやらずに、ゆっくりと。
いい感じの所で葉っぱいれてー、しっかり開いたの確認してー。
カップに。うーん、いい香り。
美味しいわぁ。流石私。
あ、そうだ。寝椅子でも出そう。あと本も。
寝転がって紅茶を楽しみながら、読書。視線を感じるけど気にしない!
「あ、あの、その、何をして⋯⋯?」
「読書。」
見りゃわかるよね?
「く、寛いでますね⋯⋯。」
「そうねー。」
本から目を逸らしません。
「⋯⋯もう一度急かしてきますね⋯⋯。」
「んー。」
この本あまり面白くないわねぇ。
読み切って、次の本。結構溜まってるのよねぇ。
それも読み切って。
次の本。あ、これ面白い。
紅茶がなくなった、淹れないと。もう全部魔術で動かす。
うん、いい感じに出たわね。
「あ、あの、お待たせしました、長が来ました⋯⋯。」
「今いい所だからちょっと待って。」
タイミング悪いなぁもう。
「お待たせしたのう、客人殿。」
「⋯⋯!こいつは。」
長の声?と、聞いたことある声。うん?
キリのいい所でやめて、と。
「⋯⋯へぇ。客人ってのはお前かい。」
「⋯⋯貴様は。」
「お知り合い、なので?」
「いや。」
「私としては、久しぶり、かしら。」
「そうだろうな⋯⋯シャムシャラの亡霊。」
「ええ、そうですとも。魔王ゼルノ。」
ハーヴェスタの魔王があらわれた!
なんで魔王ここにいんのよ。