あるーひー森の⋯⋯
脳内補完ヨロシク。
ごぼがはばっ!?!?
「ぶっふぁ、げぇっほ!っぶねオエッ!」
寝てたわ!溺れかけたわ!!!
っちわーっす⋯⋯アンナちゃんだよー⋯⋯。
全裸で浮いて寝てたら溺れかけたのですわ⋯⋯。
「うー、さむ⋯⋯流石に身体冷えた⋯⋯。」
火、まだ生きてるね⋯⋯魔術、火の玉、弱めで。
魔術、風の刃。そこら辺の木の枝、切って。
魔術、えーと⋯⋯乾燥。燃えやすくしてと。
火を強く。暖を取るよ。
「服は⋯⋯乾いてないわね⋯⋯。」
というかもう陽、落ちかけてるわ。
とりあえず暖かいものでも⋯⋯ミルク、あったかしら。
倉庫の中を漁って、ミルクを見つけて、あと手鍋。
火にかけて、あっためよう。
「なんで私、全裸で森の中いるのかしら⋯⋯。」
せいぎのみかたぜんらーまん⋯⋯。ぜんらーうーまん?
「とりあえずコート⋯⋯。」
コートを羽織る。うん、ちょっとは暖かくなった。
「ミルクおいしい⋯⋯。」
やべ、ちょっとこぼした。やべやべ。
胸にかかった⋯⋯。熱い。
「タオルタオル⋯⋯。」
しかも上澄み、どろっとしてるわ!はぁ。
「⋯⋯今の状態、男に見られたらヤバイ気がするわ?」
なんか、こう、ヤバイ。
⋯⋯物音!
ガサリと、鳴り子よりまだ外!
ささっと胸を拭いて、身構える。
鳴り子は⋯⋯鳴らない。何か来るか⋯⋯?
何時でも動ける様に構えながら、けど座って暖をとる。
「⋯⋯そろそろ身体も乾いたし下着着るか。」
流石に全裸コートで戦うのはちょっと。ぱぱっと下着つけて。
視線。
魔術発動。隠蔽最大。風の刃。
「覗き魔は斬られても仕方が無いと思いませんこと?」
「っきゃああっ!」
⋯⋯⋯⋯女の悲鳴。
「ほら、出てきなさい。出てこなければ、森ごと斬ってやるわ。」
魔術発動、展開、重複、風の刃。
「っつぁ⋯⋯ま、まっ、て⋯⋯!」
「⋯⋯もしかして、動けない?」
「あ、脚が⋯⋯。」
あらららら。チッ、仕方がないわ。
魔術発動、シュトゥーム。声がする方から、こっちに飛ばす。
「っきゃああああ!?」
あ、飛んできた。
「こんばんはぁ、覗き魔さん。」
転がり倒れた女の首筋に剣を。双剣、鋏みたいにしてね!
「ひ、の、覗き魔じゃないですっ!」
「じゃあ、なによ?」
耳尖ってるからなんとかエルフィかな。
「何時もここに来ているんですっ!そしたら貴女がいてっ⋯⋯!」
「で、覗いてたと。」
「け、警戒してたんですよっ!」
あ、そう。
「それは失礼。けど、何故こんな所に。」
「ここは私達の聖地なんですよ。巫女と長以外立ち入り禁止の。貴女こそ、何故ここに?」
「適当に来たらここに。」
「適当にって⋯⋯ここ、結界が張って⋯⋯。」
「なくね?」
「そんなわけ⋯⋯ないっ!?なんで!?」
こいつ、面白いわね。まだ剣を首に当てられてるのにわたわたしてるわ。
「とりあえず落ち着きなさい。首、斬れるわよ。」
「わわわ!?」
さらにわたわたと。はぁ。
剣を引っ込めるか。
とりあえずこいつが落ち着くまで待つか⋯⋯。
尚、未だ下着にコートです。