旅立ちだー。
国を出るよ!
こんちわー、アンナちゃんよー。
第三王子にボロクソ言って、その足でラディーちゃんに挨拶!
「そういう訳だから、後よろしく。」
「マッタ面倒クサイ事残シテ⋯⋯モウ。」
いやあ、すまないね!
「ハァ。デ、モウ行クノ?」
「ええ。善は急げって言うしね。」
善な行動した覚えはないけどね!つーか善ってなに。
まあいいわ。
「⋯⋯アンナチャン、コレヲアゲルワ。」
黒い花のブローチ。⋯⋯ラディーちゃんの匂いがする。
「ソレガアレバ、私ト何時デモ連絡ガ取レルカラネ。魔力ヲ養分ニシテルカラ、少シズス吸イ取ッテクケド⋯⋯アンナチャンナラ気ニナラナイ程度ダカラネ。」
「んふふ、ありがとラディーちゃん。大事にするわ。」
「ツイデニ私ノ加護モツイテルカラネ。守護モ。森ノ中ナラカナリ動キヤスクナルヨ。」
「いいわね、これ。」
助かるわ。
「フフ。⋯⋯気ヲツケテネ、良イ旅路ヲ祈ッテルヨ。」
「うん、ラディーちゃんも元気でね。」
さて、行くか。
「それじゃ、またねラディーちゃん。」
「ウン、マタネアンナチャン。」
転移。北の森近くに!
さて、旅の始まりよ!
⋯⋯。
⋯⋯⋯⋯。
転移かんりょ⋯⋯うわっぷ!
「ぶっは!水の上かよ!」
いきなりやっちゃったね!ははは!
水に浮きながら、周りを見る。んー、ここは?
探査。⋯⋯森の中。どこ、ここ。
「北の森⋯⋯かしら?」
探査。うすーくひろーく遠くまで広げて。
「⋯⋯⋯⋯広くない?」
かなり伸ばしたのにまだ端はない、北の森ってこんなに広かったっけ?
もう一度、周りを見渡す。森の中の、泉。
「上から見てみようかしらー。」
ふわふわと、上に。木々の高さを越えて。
見渡す限り、森、森、森。陽はあっちにある、時間的には⋯⋯夕方近く。陽があっちって事は南はあっち、その反対側は⋯⋯⋯⋯。
「⋯⋯山脈。しかも、かなり近い。」
もはや麓近くにいるみたいね。あ、一番高いあの山があそこにあるってことは。
「北の森過ぎて、大森林来ちゃったみたいね⋯⋯。」
うーん、精度が甘い。すっごいズレてるわ。確かに北にある森だけどさ⋯⋯。
「まあ、いいわ。道程が短縮したと思えば。」
東に少し行ったら、森の中にある谷、というか山脈の切れ目がある。そこから北に行きましょ。
その前に、軽く補給ー!というか服濡れて寒い!
ドレス脱いで、簡単に作った竿に干して。下着のみ!
「そこら辺に獣は居ないかな、と。」
んー。角うさぎ、発見!風の刃!
よし。簡単。これを血抜きして。
その間に火を起こしてと。あ、そうだ。時間的にもう野営の準備もしておこう。
周りに鳴り子を仕掛けるのよー。
血抜き終わるまで適当にぼーっと。で、抜けたら捌いて。
焼く!味付けは豪快に、塩と胡椒のみ!
いただきます。うん、美味い!
やっぱり、新鮮な肉は美味いわ。柔らかいし。程よく歯応えあるし。
完食。ごちそうさまでした。
さて、夜まで待つかー。
その前に水浴びでもしよう。ちょうど泉もあるし。
周りに何もいない事を確認して、下着もぱぱっと脱いで干して。水に!
「ひゃあ、冷たい!」
いやあ、服着たまま突然飛び込むより普通に入った方が断然いいね!
「気持ちいいわー。」
そのままぷかぷかと。ああ、なんか平和ね。
このまま浮いていよう⋯⋯。
だらーんと⋯⋯。
胸がでかいから浮力もかなり⋯⋯。