学園にひょっこりと。
ようやく行動開始。
はろはろろ、アンナちゃんよー。
朝っ!あれから飲みまくってラディーちゃん所に帰ったのよー。
で、国を出る事にしたので、一応実家に手紙を書いた。
で、とりあえず学園に顔出すよ。
尚、学園には出る事を伝えません。面倒くさいもの。
「おはよーう。」
⋯⋯あれ?
「お⋯⋯おはようございます、アンナ様。」
皆私の顔見てビクッと。なによこれ。
「⋯⋯私の事で何かあったのかしら、ねぇ。」
「い、いえその⋯⋯。」
⋯⋯挨拶してくれた娘の瞳を覗き込む。ふーむ。
「私が恐いぃ?」
にっこりと。
「あ、いえ、その⋯⋯っ!」
ふふ、こわいかー。
「まあいいや。恐がられるのは慣れてるしね。アハハハハハッ!」
よし、ならばイメージを強めてやろうー!適当に端っこの席について、剣を出して。
「ふんふふん〜。」
剣を磨くだけ!
やべー、皆近寄ってこない。ウケるわー。
「⋯⋯グリムディア嬢。」
第三なんとか。⋯⋯来たね。
「何用でございましょうか、殿下?」
ぎろりと。
「う⋯⋯その、な。」
なによ。
「教室で剣を出すのは⋯⋯やめてくれ。その、皆が、な。」
「⋯⋯日課なんだけど。」
「別の場所で⋯⋯まさか何時も居ないのはそれか!」
「そうですけどなにか?」
しゃーない、しまうか。
「もう少し勉学を⋯⋯。」
「試験の結果、ご存知で?」
一位ですがなにか。
「皆との関わりを⋯⋯。」
「必要性を感じないわ。」
どうせ国を出るし。
「どういう事だ、お前とて貴族だろう。」
「まあ、そうね?」
面倒くさいけど。
「ならば貴族同士、いやそれだけではない、あらゆる者との関わりが必要だろう!」
「そうねぇ。貴方みたいに1人の娘を数人で囲い込むみたいなのもできるしねぇ。」
「っ!何を言っている!」
「あら、私から乗り換えたのかと思ってたけど。」
「婚約者は貴様だろうに!」
「ああ、それで?」
「私は婚約者として、貴様がまともな貴族となるように⋯⋯!」
「いらないわ、そんなもの。さらに言うと、貴方もいらないわ。鬱陶しいわね。」
「アンナ、貴様っ⋯⋯!」
「婚約破棄、是非ともして欲しいわ。その方が双方共に有益だと思うわ。」
「有益⋯⋯?」
「ええ。貴方は私に縛られなくなる。私よりもっといい娘がいるはずよ?」
「⋯⋯何故お前は自分を卑下する!」
「卑下なんてしてないわ。むしろ逆。私は貴方がいらないの。でも立場的に考えるとね、貴方から破棄してもらわないと後々貴方も面倒な事になるのよ?」
こいついらねえ、ってぶった斬ってやってもいいけどね。私にもコイツに対する情は残っていたみたいよ。ケッ。
「⋯⋯何故、だ。理由を教えてくれ。」
「私は貴方が嫌い。それで十分だと思うけど?」
「その理由を言えと!」
そうねぇ。
「貴方の心が嫌い。その純粋さ、コンプレックス、価値観、見聞の狭さ、性格、情熱、思想、理念、頭脳、気品さ、優雅さ、勤勉さが嫌い。」
「な⋯⋯。」
「ついでに言うと、遅い。遅いのよ。何よりも速さが足りないわ。」
行動の速さがね!
「⋯⋯⋯⋯そう、か。」
「ア、アンナ様!流石にそれは言い過ぎですっ!」
⋯⋯光神の。
「貴女に関係があるのかしら?貴女に、口出しする、権利があって?」
ニタリと嗤いながら。
「ひ、っ。」
「ねぇ、殿下。さっさと破棄してくれない?とっても動きづらいったらありゃしないわ。」
「⋯⋯。」
⋯⋯おい。聞いてんのか。
「しってる?私、今日はこの為だけにここにいるのよ。わざわざ面倒くさいここに来て。面倒くさい事に嫌いな奴と話して。それで、だんまりかしら?」
「⋯⋯アンナ。」
なにかしら。
「これから、どうするつもりだ。」
「そうねぇ⋯⋯。」
大サービスといこう。
「私を殺しかけたアレを⋯⋯。一ヶ月も止められたアノヤロウをブチ殺す。蠱毒ノ王をブチ殺ス。喰らうモノを喰らい尽してやる。私が、全てを喰らう。」
「っ⋯⋯!その道は、地獄へ行く様なものだ!」
「ッハ!地獄か、地獄!ハハハハハハハハ!!!」
「な、なにを笑って⋯⋯。」
忘れたのかい?
「忘れた?私はね、輪廻神の巫女なんだよ。地獄なんざ立ち寄らない。天国すらも通らない。」
出血大サービスっ!
「私が廻るのは世界のみ。同じ時を廻るのみ。同じ時を、永遠に廻り続ける亡霊。それが、私の輪廻だ。」
「な、なにを、言って。」
「詳しく聞きたかったら、私の親にでも聞いたら?かなり詳しく話しておいたもの。」
面倒くさい。
「さて、と。婚約破棄、しといてね。私は⋯⋯行くわ。」
魔術発動。隠蔽、無しにして。転移。
でっかい魔法陣が足元に出る。
「目標設定。⋯⋯彼方へと進まん。」
「ま、待て!アンナ!」
「ごきげんよう、皆様。そしてさようなら、サースリィル・グラスゴーラ。ッヒャハハハハハハ!サーヨウナラァーー!」
転移!
よし、ラディーちゃんとこ行こ。
バイパイ!
ようやく出てきた、第三王子の名前。