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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
111/204

学友で遊ぼう!

だるだるアンナちゃん。

ちわーっすですわ、アンナちゃんですわー。


真に面倒くさいながら午後の実技の授業に来ております。


「今日は剣術と魔術を併せた戦闘の訓練を実戦形式で行う。最近じゃ魔獣が少しずつ見掛けられる様になったからな。」


へー。


「最も、魔獣専門に狩りをしている傭兵も居るらしいが、ここ一ヶ月は動きが無い様だしな。」


へー。


「君達にも、魔獣と戦わざるを得ない場面が出てくると思う。その為にも、より実戦に近い形で訓練をさせよ、という上からのお達しだ。」


へー。


「そこでだ、実際に魔獣と相対した事のある者を手本にしようと思う。そういう訳だ、グリムディア嬢。」


へー⋯⋯えっ?


「手本、とは。」


「アンケートをとったらな、獣とも戦ったことがない者が大半だった。だからそうだな、とりあえず獣と」


「面倒くさいのですが。」


「⋯⋯そう言うな。やらないと実技の成績が無くなるぞ。」


「それは貴方の一存?」


「上からだ。」


うへぇ。


とりあえず成績だけでも取っておかないと後々面倒くさいしなぁ⋯⋯。


「はぁ⋯⋯わかりました。で、相手は。」


「この角うさ」


「却下。弱過ぎ。」


「亀。」


「却下。動かない相手を苛めるだけになりますが。」


「⋯⋯狼。」


「却下、脆い。」


「とはいえ生徒の安全を考えるとこのくらいしかないのだ。」


「⋯⋯⋯⋯まあ、いいでしょう。生徒の方に行かないようにしてくださいね。」


「いいだろう。」


という訳で狼を倒せ、ということで。


檻に入った狼が来た。あー、うん。


「弱ってるわね⋯⋯。」


げんなり。


「ほら、行くぞ。準備は。」


「いつでもいいわ。」


剣すら抜きませんが。


「結界よ、生徒を守れ!」


観戦する生徒に、結界が張られて。


「檻を開けろ!」


開く檻。狼は軽くあたりを見渡して、結界に気付いて。


んで、私を見ると。


「お前も大変ね。ほら、本気をみせてみなさい。」


魔術、リフレッシュ。ほら、元気になったでしょう。


んー、驚いてるね。


「ほら、私と戦うのよ。来なさいな。」


手招き。


状況が解ったのか、戦闘態勢に入る狼。


ヤル気になってくれて悪いのだけど⋯⋯。


「一撃で終わらせてあげるわ。」


少し逡巡、力の差を分かっているのかしらね。それでも意を決して、突っ込んで来る狼。


「おやすみなさい。」


なんか可哀相になってきたし、気絶で済ませようかな⋯⋯。なので!


その頭を、蹴り上げる!


吹っ飛ぶ狼。頭が揺れて、もう立ち上がれない。


はぁ。


「これで満足かしら、センセイ?」


「う、ぐ⋯⋯。手本にならん⋯⋯。」


だから言ったのに。


結界の向こうでは、クラスの奴らが唖然としてる。はいはい、そういうのいいから。


「獣程度じゃつまらないわ。態々私にやらせるくらいなのだから、何かないのかしら。」


「ううむ⋯⋯。」


無いのね。


「魔獣くらい捕まえて来なさいよ。」


「⋯⋯⋯⋯わかった。少し待ってろ。」


あるの!?


とりあえず、待つ。その間どうしようかな⋯⋯雲でも見てるかなぁ。


「グリムディア嬢!」


誰。


「かなりの強者と見た!俺と一戦お願い致す!」


あー、武人君だ。


「⋯⋯暇潰しにはなる、かしら。いいでしょう、相手致しましょうか。」


暇潰し決定!


構える武人君、私は⋯⋯そうね、双剣の⋯⋯片方だけで。


「では、行きます!」


突っ込んでくる。あー、こいつ最初から肩を借りる感じかしら。


⋯⋯ふふ。わかったよ。


「せりゃあっ!」


「甘い。」


剣で受け流す。ほう、よろめかない。


「せいっ!」


横薙ぎ、これは避ける。


縦振り、逸らす。


袈裟斬り、流す。


その場でくるくる、受けて流して避けて逸らして、くるくると。


「やっぱりやりますね⋯⋯これならどうだっ!」


割と速い突き!んふふ。


「こうすれば動けない。」


ジャンプ!


突き、その剣の上に⋯⋯乗るよ!


「なっ!」


案の定止まる。


で、胸を蹴り飛ばす。よろめく武人君。


「ふふ、まあまあね。」


「⋯⋯やるッ!」


再度来る武人君。今度は剣で軽く相手。


というか、私はもはやダンスしてますけどね!


回って、ステップ、回転して、身体を反らして。


「ふんふふんふふーん。」


「くっ⋯⋯!」


「ころ?」


男のくっころはころころされるだけよー。


という訳で、ころころします。


剣を振った所を引っ掛けて、態勢崩させて。


ついでに勢いをつけて、転ばせる。


「うわぁっ!?」


おお、よく転がった。


「ほらほら、まだ時間はありそうよ。」


「⋯⋯行きますッ!」


そうね、次は⋯⋯あえて隙をつくってみよーかなー。


剣で相手、そこに一瞬の隙を入れる。


「⋯⋯!そこっ!」


受け流す。ほー、対応してくるね。


隙を突く練習、みたいな?そんな事をちょいちょいと。


で、武人君に隙があったら、そこを適当に攻撃。


⋯⋯もはやこれ、稽古じゃない?


「ま、いっか。ほら次よ。」


「せりゃあぁっ!」


流石にスタミナはあるねー。


けど、そろそろ飽きてきた。


「ほら、そろそろおしまいよ。全身全霊で一撃来なさいな。」


「いいでしょう、行きますッ!」


一瞬、息を整えて。剣を腰に、溜めからの。


「オォラァッ!」


踏み込み袈裟斬り。ほお、かなり速いね!


「なかなか良かったわ。」


剣を回して、迫る剣を飛ばす。よし、しゅーりょー。


「⋯⋯ありがとうございました!」


よし、暇潰し終了。さて。


「準備はできたのかしら。」


「待たせたな。研究用に捕獲したモノを持ってきた。研究者が観戦するが、いいか?」


「いいも何もどうせみるのでしょう。」


「まあ、な。⋯⋯では、よろしく。」


研究者がぞろぞろと。大きな檻、幌がかかってるのを持ってきた。


さて、何が出るのかしらね。


期待は⋯⋯しないでおこうかしらね。



期待のできないプレゼント⋯⋯。

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