微睡み。
復活!
⋯⋯私はアンナちゃん、ですわ。
「ここは⋯⋯。」
身体中が痛い。
「起キタカ。シャムシャラノ巫女。」
ラディーちゃん、だ。てことはここに逃げて来たのね⋯⋯。
「動けない⋯⋯。」
「ソレハソウデショウ。死ヌ寸前ダッタノダカラ。」
「⋯⋯ありがとう。」
「突然飛ビ込ンデキテ、何カト思ッタワ。⋯⋯何ニ、ヤラレタノ?」
「そうだ、アイツは⋯⋯!?」
あだだだだ。
「アイツ、トハ?」
⋯⋯モンスターが、居た。」
「ナニ!?⋯⋯ソウカ、良ク生キテタネ。」
「死んだかと思ったわ⋯⋯。」
そういえば街に進んでたけど、どうなったのやら。
「北の街、どうなったの?」
「潰滅シタ、トイウ話ハナイネ。⋯⋯トナルト、戻ッタノカナ?」
戻った⋯⋯?
「どういう事よ⋯⋯。」
「オ前ガ来テカラ、一ヶ月経ッテモソウイッタ報告ハナイカラネ。」
「一ヶ月経ってるのね⋯⋯。」
あちゃー。
「まあ、いいや⋯⋯。わからないものは仕方ない、か。」
ひとまず、お腹すいた。
「マッタク⋯⋯。チョットマッテテネ。」
待つ。
「ホラ、オ粥ダヨ。」
「ありがとー。」
しかし痛みで動けない!
「⋯⋯⋯⋯あ、あーん⋯⋯。」
「ホレ。」
美味しい。雛鳥みたいなのが切ない!
完食。
「ホラ、モウ一回寝ナサイ。ドウセ動ケナイノダシネ。」
「はぁい⋯⋯。」
大人しく寝る。
「⋯⋯モンスターニツイテ、コッチデモ調ベテミルヨ。ワカッタラ、教エル。」
「よろしくー。」
すやぁ。
はーろー。アンナちゃんよー。
完全復活!長かった!暇だった!
「アンナチャン、無理ハシナイデネ。」
「わかってるよー、ラディーちゃん。」
仲良くなりました。
ラディーちゃん、学園にも傭兵酒場にも家にも連絡してくれたみたいで。いやあ、本当にありがたいね⋯⋯。
傭兵酒場には、ヤバいのに遭遇して寝込んでると。学園と家には、ラディーちゃんが幻影使ってる貴族の名前で少し借りる、って風に。
ありがたやー。
「それにしても、なんでモンスターの情報、無いのかしら⋯⋯。」
「オカシイネー。コウモ無イト、怪シイヨネー。」
別の所に移動したか、どこかに潜伏してるか。
「また探すのお願いする事になるけど、いい?」
「イイヨ。私モ気ニナルシネ。」
世話になります。
「サ、遅レルヨ。サッサト学園イッテラッシャイ。」
「はーい、いってきますわー。」
久しぶりの学園!いってきまーす!
「おはようございます。」
「⋯⋯アンナ様?お久しぶりですわ。」
「久しぶり。」
クラスに久しぶりに来たよ。とはいえ殆ど話してないからまあ。
「最近、アンナ様の話題で持ちきりだったのですわ。」
「お久しぶりです、皆聞きたい事がありますの。」
ん?
「何かしら⋯⋯。」
「何、って。ディロア公爵ですよ!あの滅多に表に出てこないのにかなりの力を持っている、幻の公爵家ですよ!?」
あー。ああー。
「どんな方だったのですか!?お会いした事があるのは陛下くらいだとか⋯⋯!」
「古くから女性当主だとか!」
ラディーちゃんが幻影使ってる公爵だね。
「んー。そうね。かわいくてお茶目な方だったわ。」
「そうなのですか!」
「女性ですか!」
「そうね、女性だったわ。」
幻影使ってる所見たことないけど。
「ディロア公爵様と何を為されていたのです?」
それ聞いちゃう?
「ふふ、秘密。」
企業秘密だよ!
「そうですよね⋯⋯失礼しました。」
「まあ、あの人は大体王都に篭ってるからね。もしかしたらどこかで会えるかもね?」
森の中だけどね!
「さ、そろそろ授業よ。」
「またお話聞かせてくださいな!」
今日は流石に出席するかぁ。
授業!
お昼。
「アン⋯⋯グリムディア嬢。」
第三王子。
「何用ですか。」
あっちいけ。
「⋯⋯教師から伝言だ。学長室に来るように、と。」
「わかりました。要件は以上で?」
「あ、ああ。」
「では失礼。」
残念、帰っても対応は変わらないわ!
という訳で学長室に。
「アンナ・グリムディア。入りますわ。」
「来たかね。まあ座りなさい。」
「用件は。」
問いながら座る。
「ふむ。そうだな⋯⋯。君の出席について、だ。」
あーはい。
「君はどうやら、学友やクラスにはあまり興味が無いみたいだね。」
「興味、ね。あまり無いですわ。それがどうかしたのですか?学舎だというのなら、試験は通っている筈ですが。」
オール満点でね!
「まあ、そうなのだが⋯⋯。」
⋯⋯何を言いたいのやら?
「学友は将来、必ず為になるものだ。それを疎かにしてはいけないよ。」
あー。
「御忠告痛み入ります。⋯⋯ですが。」
もう決めてるんだー、このループをどうするか。
「私には目指すべき未来がありますので。この道を進ませていただきます。」
うふふ。
「用件は以上で?では、失礼致します。」
立つ。
「ま、待ちなさい。」
「まだ何か?」
「君の目指す道が何かはわからないが⋯⋯。これだけは言える。隣人を大切にしなさい。」
「ありがとうございます。」
退出!
ああ、時間を無駄にした感じ。
お昼ご飯も食べてないし。
食堂に行こうかしら。
いくわよー。
ご飯!
「やっぱり美味しいわね。」
一人で食べてます。周りはもう食べ終わりかけ。はー、時間無駄にしたわ。
「まあいいけど。」
「グリムディア、様⋯⋯?」
ん?誰。
「何かしら。」
光神の巫女⋯⋯今は候補!
なんなの。
「あ、あの、えっと。」
何用だよ。
「午後の実技、必ず出る様に、という伝言です⋯⋯。」
「誰から?教師?」
「え、ええ、そうです⋯⋯。」
「そう、わかったわ。もういいわよ。」
「え、えっと、失礼しますっ!」
逃げた。
それにしても、出席ねぇ。今日、試験とは聞いてないけど。
しょうがない、行くか⋯⋯。
ああ面倒くさい。
面倒くさいったらありゃしないわ⋯⋯。
アンナちゃんが無双するか遊びまくる未来しかみえないよねぇ。