止まらぬ災厄。
未だ至らぬ、亡霊。
ッチ、私だよ、アンナだ!アンナちゃんだよ!
現在、モンスターと交戦中!
コイツ、一撃一撃が危険なのよ!
どれだけ斬っても再生するし!
交戦しながらコイツ移動しやがるし!
こっち、街の方向。
こいつ、たまに街の方向確認してるみたいなのよね!
このまま行ったら、街にぶつかって。
人が沢山死ぬわね。むしろ、喰われるかも。
「それはとても……ムカつくわね……!」
テメエが喰らう魂じゃあない……!
「さっさと止まってくれないかしら、コイツ!」
全体をそこら中攻撃しまくってるけどね!どんどん抉って、どんどん再生する!
キリがないわ!
「もういっそ、ド真ん中ブチ抜いてやろうかしらね!」
発動、コンセントレート!
さらに発動、コンセントレート!
そして発動!風の刃!回転させて、鏃のようにして!
「貫け、削れ、ぶち抜け風よっ!」
ド真ん中、風穴開けてやるわ!
「GARRRRRRRR!!!」
あ、おお?
腕で守った?右腕が肘から千切れたね!
「そこが弱点かしらっ!」
もう一回、いっくよー!
「って、あっぶなぁっ!?」
左腕、伸びたっ!?さっきまでいた所、抉れてーら。
「なんなのよも……っ!?」
右腕、目の前。生えて……っ!?
横薙ぎの一撃。
「ぐ、ぼぇっ……!」
いっ、たい……!
ぶっ飛ばされる。右の視界が赤く染まる。あー……骨色々逝った……。しばらく動けないかも……。
「GRRRRRR……。」
こっちを見る、化物。左腕を向け、見つめる。
「……ヤベェ、かしら……。」
魔術発動、リフレッシュ。ギリギリ、無理矢理、動かないと。
左腕が飛んでくる。右に避ける。……あー、これは、避けきれない、かな……。
「っぎ、アアアアアアッ!!」
左の脇腹を抉られる。
「クソ……テメェなんぞに……喰われるなんてゴメンよ……!」
乱れる思考、集中を!
「魔術発動……転移……。」
ひとまず、どこでもいい……!
「GRYOOOOO…………!」
左腕を開いて、何を……?
黒い何かを飛ばしてくる、化物。
私にまとわりつく、その寸前。
転移が発動。
少し被ったけど……撤退、成功かしらぁ……。
転移先。ここ、は。森?
黒い花……。黒い森……。
「誰ダ、オ前ハ。」
……そうかい、ここに来たのね。
「私を助けろ……ラディー……!」
螺旋のイメージ。今出来る限りの、力を込めて叫ぶ。
「……シャムシャラノ……!」
あ、だめ、今ので気力尽きた。
あー、視界がー……。がくっ。
「……イイデショウ。助ケテヤルワ。」
サンキュー……。
アンナちゃん!どうした、応答しろ!何があった!アンナちゃん!アンナちゃーーーーーーーんっ!!!!!でっでーでっでーれんれん!でれれっでっでれーん!