四人連れて、草原!
ぽちぼちと。
はーぁーい。アンナちゃんですわよー。
近くの街で馬車降りて、少し歩いて。着いた、北にある森近くの草原!
魔術、探査。んー。近くには何もいないね。
「よーしお前ら。まずは周囲の確認からだ。」
「周囲……には、何もいないですね。」
「そうだな。じゃあ、装備の再確認だ。防具はしっかり着けてるか。武器は問題ねえか。荷物は落ちねえか。歩きにくくねえか。しっかり確認しとけ!」
「再確認。……よし。」
「よし。では探索だ。今回は角うさぎが目標だからな。狼だとか、ヤベェのや身の丈に合わねえのに出くわさねえとも限らねえ。周囲は目ぇ皿にして見ろ!」
「は、はい!」
「よし、行くぞテメエら!」
うーん、初々しいわねぇ。私は後ろで見守ってます。
探索探索。
探索。だいたい20分くらい経ったね。
「見つかりませんね……。」
「ああ。だがいきなり出てくる事もある、良く探せよ。」
周り、何もいないねー。
探索。始めてから大体、一時間かな?
「テメエら、休憩だ。こういうのも珍しくねえ、何せ相手は獣だからな。」
「見付からないなぁ……。」
見通しのいい所に座って、休憩。
んー。探査の範囲、広げてみよう。
……。
向こうに、沢山の獣がいる反応。
「なあ、グリディナ。」
「なぁに?」
小声で話しかけて来た。
「こうも居ねえのはおかしくねえか?嫌な予感しかしねえ。」
「そうだねぇ。ついでに言うと、向こうに沢山いるよ。」
「沢山……?」
「そう、沢山。こっちに進んできているね。」
「……そっちは森じゃねえか。どういう事だ……?」
んー。結構な速さで来てる。もう少ししたら鉢合わせるかもね。
「そうね、少し警戒したほうがいいかもね。」
精査しよう。んー。
角うさぎ、狼、ワーム、鳥、猪……ごっちゃ。それが同じ方向に。
「ここは危険かも。」
「そうだな、さっさと逃げるに越したことはねえ。……テメエら、移動するぞ!」
「はい!」
通り道を避ける。……避け切れるかしら。結構広がってるわ。
「……ふーむ。」
遠くに集団を確認。
「あ、あれ!」
「なにあれ……!」
見つけたか。
「ヤベェな、急ぐぞ!」
ダッシュ。あー、駄目ね。集団の端っこにぶつかるわ。
「クソが、広がり過ぎだろう!テメエら、戦闘準備!」
「……っ!」
集団にぶつかる。
「う、わあああっ!」
「このぉっ!」
「せいっ!」
「おらァ!」
「うーん……。」
三人組、頑張ってる。おお、いっこ倒したじゃん。けれど。
「……なんだかおかしくないですか?通り過ぎていく……。」
「こいつはヤベェ。全速力で撤収するぞ!」
「……もう遅いみたいよ?」
「何だと!」
集団の奥に、反応。
「おいおい、やっぱりそういう事かよ……!」
「……ンフフ。アレは私の獲物よ。」
魔獣の、亀!
「ハッ、なるほど魔獣ハンターな!なら……後は任せたぜ!」
「ええ、任せられた。気を付けてね。」
「わかってらぁ!」
さて、亀の解体と行きましょ。
オジサンは三人組を連れて安全な所に離れて。……うわ見られてるわー緊張するわー。
さてさて。
「亀さん亀さんよー。遅いのがウリなのになーに速い移動してるのかしらぁー?」
「GHAAAAAARRRRR!!!」
「うるさいわー。」
大体2mはあるんじゃないか、っていう丸甲羅の亀。
ドタドタと脚を動かして、見た目に似合わぬ俊足っぷり。
「まずはその脚、潰しましょうか。」
双剣構えて。
一歩、高速接近!すれ違い様に脚を斬る!
「チッ、硬いわ。」
キズしか入らん。なら。
魔術発動。風の刃!
同じ所で回転させて。それを剣の先端に来るようにして。
「これはどうかしら!」
ガリガリガリッと!回転する刃で削り取る!
「GAAAAA!」
「おおっと。」
反撃してきますよね!口から炎吐いてきた!……炎?
「そんな攻撃あるのね……。」
うわ、脚引っ込めて、首も引っ込めて、回転して突っ込んできた!
面倒ね。
「ならこれで。」
魔術発動、結界。一方通行のやつ。強度増しで。
亀を閉じ込めて。
魔術発動、大瀑布!
水を結界の中にだばー!
「さてさて、これで溺れるかしら?」
結界の上に立って、観察。おー、慌ててる。あれ、浮けないのね。
「結構持つなぁ。なら、これで。」
魔術発動、ストリーマ。
電気!感電!死ぬ!
あ、死んだ。よーし、終了ー。
魔術を解除して、確認して。
コアは……あった。なかなかおっきいね、拳より大きいよ。
「うふふ。終わりましたよ。」
「すご……。」
「お前の戦うところ、初めて見たが……魔術師だったのか。」
「剣も使えますけどね。」
両方、訓練しましたし。実戦で。
「それにしても……この亀からアレらは逃げて来てたのか?それにしては……。」
「ですわね。」
奥に、反応あり。かなり、デカい。
「……オジサン。」
「わかってらぁ。テメエら、さっきの集団から角うさぎ拾って、さっさと帰るぞ。」
「さっきの集団から、ですか。」
「ああ。見ていたが、お前達なら無茶さえしなけりゃいけるだろう。」
「狼とワームに気を付けてね。」
「が、がんばります。」
「お前はどうするんだ?」
私?そうね。
「奥を調べて……いや、ここで待つ。そろそろ来るわ。」
「……そうか。気を付けろよ、相手はわからんがヤバい可能性がでけえ。」
「でしょうね。これほどの獣が逃げてくるのだし。」
「お気をつけて!」
「街で待ってますわ!」
「頑張って。」
「ありがと。」
行ったね。
さて、と。
装備確認。魔力は充分。
「さーぁ、何が出てくるかしらァ……♪」
いざ、目標は之に。
初仕事でイレギュラーな状況に出くわした三人組、ドンマイ。オジサンと一緒なら何とかなるけどね、きっと。