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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
103/204

お話したー。

色々なお話。

どうも、アンナちゃんですわ。


「……アンナ。」


「おねーさま、凄いね……。」


「大変だったでしょう……。」


昔話が終わったんだけど……何故泣く。


「大変というより……楽しかったですけどね?」


「しかし……。」


「しかしも何も無いですわ。これは私が楽しかった思い出ですの。悲劇ではなく、喜劇ですわ。」


だから、憐れむんじゃない。


「憐れまないでくださいな。悲しまないでくださいな。私の旅路を愚弄しないでくださいまし。」


「……すまない。」


まったく。


「まあ、いいですけど。ところで、お腹が空きましたわ。」


「そうか、もう昼か……食事にしようか。」


「おねーさま、一緒に食べましょ!」


「ええ。」


家族と食べるのも、久々な気がしますねぇ。


食事。うん、ここの家のご飯は美味しい。


「そういえばおねーさま、お話の中になかったけど……この世界に来る一つ前はどんな感じだったの?」


それを聞くかー。


「……ふふ。そうですね……。」


くろーい笑み。


「沢山暴れて、遊んで、暴虐の限りを尽くしましたわ……。お姫様を攫ってみたり、勇敢な戦士を弄んだり、国を滅ぼしてみたり。パブリックエネミー、というのをやってみましたとも。」


「う、うわあ……。」


ドン引きですよねー!


「物語に出てくる悪い竜みたいでかっこいい……!」


「えっ。」


えっ。


「おねーさま、そのお話もっと聞かせて!」


「えっと……。」


目ェキラキラしてやがる。目線で両親に助けを……うわ、目逸らされた。


「し、食事中だからね、後で……ね?」


「約束!」


「わかりましたよ……。」


まさか食いつかれるとは思わなかったですわ……。


ええ、ええ、ご飯が終わったら速攻でせがまれましたがなにか!


まったく。




で。


ようやく本題の、魔獣について勉強する事に。妹も一緒で。


教師役は母上。


「では、魔獣について簡単に話しましょう。……アンナは、魔獣がどんな物かわからないのよね?」


「ええ。名前は聞いたことあるけど、それも神話でしか。見た事は一度もないわ。」


多分。


「なら見た目からね。魔獣は……基本的には、真っ黒な体に赤い目をした獣よ。」


「基本的には?」


「ええ。たまに、獣の体に黒い靄が纏わり付いているだけだったりするわ。目は赤くなっているけど。」


「既存の獣に……ふぅむ。」


「おねーさま、どうかしたの?」


「いや、なんでもないわ。」


なかなか危険な感じね。


「次は能力について。基本的には姿をとった獣と同じ様な行動、攻撃をするわ。けれど、魔獣以外に対して好戦的で、普通の獣とは段違いの力を持っているのよ。」


「それはなかなかたの……大変そうね。」


「……おねーさま。」


「なにかしら?」


しれっと。


「コホン。まあ、いいわ。先程行動が普通の獣と同じだと言ったけれど、一つだけ違う事があるわ。」


ふむ。


「方法は不明なのだけれど……獣を襲って魔獣を増やす、という行動ね。」


「……で、その獣がさっきの靄が纏わり付いた魔獣になるわけね。」


「ええ。そんな力を持っている訳だから、危険だと判断されているのよ。」


「そうなのね。……ところで、そうね……角付きうさぎの魔獣を倒すのに、どれだけの人がいるのかしら。」


「それは……。」


「それについては、私が。」


おや、父上。書斎に行ったと思ったら。


「そうだな、角付きうさぎの魔獣で……兵士一人二人程度だな。」


「それは訓練された兵士?新兵?」


「訓練された兵士だ。」


「狼のなら?」


「一頭で小隊はいるな。」


「ふーん……なかなか強いのね。というより面倒な脅威、ね。」


「ああ、とても面倒だ。しかし。」


しかし?


「強い個体から、魔石が取れる。かなり純度の高い奴がな。」


……ほう。


「最も、一体につき一つあるかないか、だがな。」


「もしかして、一攫千金を狙った奴らが。」


「ああ、いるな。それもかなり。犠牲者も、かなり。」


ふーむ……。


「ああそうだ。先程書斎からこれを取ってきてな、見せよう。」


「なにそれー?」


「魔獣の姿を写した、魔石だ。一攫千金を狙う奴らがな、撮ってくるんだよ。」


「高く売れるのね。」


「ああ。」


さてさて、みせて。


「では、いくぞ。魔石よ、記録せし世界を開け!」


魔石から出る光、壁に映る映像。


「……草原?」


「何もいないよー?」


「まあ、まて。もうすぐだ。」


しばらくして、うごめくモノ。


黒い体躯、赤く光る目。


狼の姿をとるそれは……。


「…………。」


どこかで見た。黒い獣、赤い目、靄、島に住む、妙な獣、北、北、北……!


「絶島の獣……!」


あれと同じ!ということはやっぱりヤバいやつだわ!


「アンナ、今、なんと。」


「聞き間違いじゃなければ、絶島、と聞こえたのだけれど……。」


「え?絶島がなにか……?」


問題あったかな?


「どこにあるのか、知っているのか!?」


「教えなさい!」


え、なに。


「教えるのはいいけれど……船では行けない、世界の果てですよ?」


最初に行った時は、転移だったかしら。しかも魔力切れて戻れなかったなぁ。


「そう、か……。」


「絶島に行きたいのですか?何故?」


「魔獣を止めるための何かが、絶島にあると言われているのだ。」


「うーん……。」


あったっけ……わかんね。


「そこまで見てなかったわ……。」


「そうか……。しかし、絶島が本当にある事が分かっただけでも良しとしよう。」


「そうね。」


……絶島、魔獣が沢山居たけどね……。まあ、いいや。


「魔獣について、基本的には以上よ。何か質問はあるかしら?」


「いや、今はないわね。」


「なーい!」


「そう。なら、終わりにしましょう。」


おわったー。

















そろそろ暴れたい……。

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