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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
3180周目!
102/204

昔話をしようか。

アンナちゃん、お話する。

どうも、アンナちゃんですわ。


王都の屋敷で、絶賛家族会議中ですわぁ。


「何を落ち込む必要があるのやら。」


「アンナ、貴女が巫女になったという事もあるけれど……。」


「やはり、3000回以上も同じ時を廻っているというのは、な。」


「何か問題でも?」


「貴女の事が心配なのよ。」


……そう。


正直言うと、私に親だとか家族だとか、そういった情はもう、あまり残ってないのよね。


「御心配ありがとうございます。ですが。」


瞳の奥に宿るモノを見透す。


「憐れに思われる筋合いはありませんわ。」


「アンナ!」


「これは私の人生。私の道。数多の世界を垣間見ようと、それは私が決めた事。」


それが例え……だったとしても。


「故に、そのような目で見られる筋合いはありませんわ。」


だって。


「終わりの無ェ人生、楽しまなきゃ損だろうがよォ?」


瞳孔開いて、少し首傾げて、ニタリと嗤う。


「ナァ?」


あーあ、両親固まってらぁ。


「まあ、そういう理由ですので。暫くの間ですがよろしくお願いしますね。」


「……おねー、さま?」


おや、妹。話がわからずうとうとしてたけど起きてたのね。


「おねーさま、いろんな世界を旅をしてきたの?」


「そうよ?」


……お?目キラキラしてる。


「なら、どんな世界があったか聞かせて!楽しかったんでしょ!」


おおう……まあ、そうね。


「そうね……なら、少し長くなるけど……。」


簡単に、少し嘘を織り交ぜて。御伽噺といこうか。


「むかーしむかし、そう、一万と八千年ほど前……。とある国に少し性格の悪いお嬢様がおりました。」


昔はね。


「その国の事を憂いながら、けれど力はなくて。婚約者を取られまいと必死になっていた娘でした。」


あの時は本当に。


「けれど、人を惹き付ける才能を持った娘が現れて。婚約者を取られてしまいました。」


よくあるお話。


「お嬢様は取られまいとしていた行動が仇となって、国外追放となってしまいました。」


ここまではよくある。


「追放された先、行く宛もない森の中で。お嬢様はとある人と出会いました。」


「とある人?」


「ふふ。その人は、人の形をしていながらも人間ではなくて。翼の生えた、少々お堅い方でした。」


「魔族か……。」


「ええ。その方は言いました。ここで死ぬか、私と共に来るか。……お嬢様は、魔力だけは人一倍強かった為、それならばとついて行く事にしました。」


ここからおかしくなる。


「ついて行ったその先で、人では無い方達に教わりながら、翼の生えた方の助手の様な事を始めたのです。」


弟子とも言う。


「そこで数年を過ごし、魔術について少々詳しくなった頃。」


ここから。


「元居た国が、良く分からない理由で、人では無い者達の国に攻め込んで来ました。」


あれは難癖だったね。


「どうも、人では無い者達の王が色々な事の元凶である、という名目で。」


そんな訳ないのに。


「精鋭を集めた少人数の者達が、王を殺すべく来た訳です。」


「ふぅむ……。」


「その中に、お嬢様を追放した者達……そして、元婚約者と奪った娘がおりました。」


あれは傑作。


「人では無い者達の強い者達が、それを止めようとして。あえなく殺されてしまいました。」


問答無用の。


「説得に行って殺された者達の中には、翼の生えた方もおりました。」


負けるんかい!ってなったね。


「お嬢様はその方の後釜として、選ばれて。相対する機会を得ました。」


もう一度、話をしたいと。


「しかし、彼等は言いました。貴様、我等を愚弄した上、国にまで敵対するか!と。」


傑作だよ。


「お嬢様は、その言葉で落ち込みながらも。この戦いに意味などないと説得を試みました。」


本当に。


「しかし、彼等は聞く耳を持ちません。集団で襲いかかってきます。」


あの時は大変だったわ。


「仕方なしに、お嬢様は迎え撃ちます。相手は見知った顔。けれど、お嬢様を殺しに来ています。仕方なし、仕方なしに。一人、焼き尽くしました。」


クソガキを。


「彼等は激昂します。見知った顔すら殺すのかと。攻め込んでいるのは彼等なのに。」


理不尽ね。


「そうして襲いかかり、集団で斬りかかり。お嬢様は倒れます。」


「っ……!」


「お嬢様は、暗転する視界の中で思いました。次があるのなら、もっと、と。」


次があるのなら。


「神でも悪魔でも精霊でも、なんでもいい、次の機会を、と。」


もっと。


「もはや視界も感覚も無くなったその時、声が聴こえました。」


うまくやる。


「汝、永遠の時を過ごす覚悟はありや?」


永劫を。


「汝、同じ時を廻る覚悟はありや?」


生きてやると。


「お嬢様は、その言葉に頷き。」


輪廻の果てまで。


「ふと、気付いた時。神殿で祝福を受けた時に戻っておりましたとさ。」


ここから、お話が始まっていく。


「これは、永遠、永劫を廻る者の物語。」


幾多の世界を。


「数多の世界を、旅するお話。」


幾百、幾千、幾万と。


「ここから掻い摘んで、お話致しましょうか。」


どーれーにーしーよーうーかーなー。


「長く、永くなりますが。よろしいですか?」


「……聞こう。」


「聞きましょう。」


「聞く!」


「……では、お話致しましょう。世界を、自分を、壊す物語を。」


さあ、はじまりはじまり。

















これ、一話かな???


尚、今は書かない。この周が終わったらぼちぼちとね。

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