76話 安心してください、バレてますよ
ゆっくりとですが更新を定期的にできように頑張ってます。
遅くならないようにしますが、遅れたら申し訳ございませんがお待ちいただけると嬉しいです。
さて、試合は開始したが俺はまず周囲の確認から始める事にした。
すっと、見回してみるだけでもこちらの不利が伺える。
自分の近くには身を隠せそうなものが無く、あっても何か怪しい気がする。多分、何か仕掛けがあると思っていいのかも知れない。
信用できるのは自分の装備位か。
審判も、隊長さん以外の2人はオービスの息がかかっていると思っておいた方が動きやすいか。
誤魔化しが効かない位に勝敗をハッキリとさせれば良いんだろうし。
俺が行動を開始すると早速向こうから動きがあった。
俺から見て1時の方角の建物から狙撃された。足元の着弾だし、割と見えていたから驚きも少なかった。
って、言うか俺は何時の間に弾丸の弾道が見えるようになったんだ?看破の眼の御蔭か?
一応身を隠しながらオービスに近付く事にした俺は隠れるための物陰ではなく、進行方向にある壁等を利用して身を隠す事にした。すると今度は10時の方角からも狙撃があった。奴が移動して撃ってきたにしては速過ぎる。どう言ったトリックを使ったんだ?
「・・・あぁなるほどな。分かれば簡単な事だったか」
結論から言うと奴では無かった。何があったかと言うと数人のお仲間が隠れ潜んでいるらしく。それらが俺が狙いやすい位置に来ると撃ってくるみたいだ。
明らかに不正だが、この試合は一対一でとは誰も言っていないから咎められない。ルール確認の時も言ってなかったし。
こうなってくると隊長さんもあてにならないかな。残りの審判が判定に同意しないだろう。
ここで分かりやすいのは殲滅か?
殲滅してしまえばぐうの音も出ないだろう。
一番近い10時の方向に、タボールを構えて狙いを付けオプションのグレネードの引き金を引く。
ポンっと発射されたグレネードが10時の方角にある開け放たれた窓の中に消え、ボシャ!っとインクを炸裂させた。看破の眼で確認するとインクまみれの兵士が悪態をついていた。
続てその屋上で狙撃の体制を取っていた兵士を逆に狙撃し黙らせる。向こうは確実に狙撃出来る距離を待っていたんだろうが、あっちとは違いこっちは元々の有効射程が高いから丸出しの顔めがけて撃ってやった。
俺が建物内に居る奴と屋上の奴を倒すと、此方が複数居る事が分かっていると知って慌てて移動を開始したようだ。待ち伏せから人数とその機動力を使っての電撃戦をするのだと思う。
こっちは1人だし、有効と言えば有効なんだろうな。視界も外に比べ狭いから物体操作を使っての誘導射撃も使えないしな。
2・3人の奴らが、一番奥に居るオービスと他の兵士たちの間を行ったり来たりしている。
多分伝令役なんだろうな。
俺は俺で向こうの位置が看破の眼で把握出来ているので、見逃しが無いようゆっくりと余裕を持って進んでいく。
結局向こうは此方の射程距離を警戒しているのか、比較的狭い所で待ちかまえたり誘導しようと誘いをかけて来る。
その誘いに乗っても大丈夫なように。俺は一旦コンビニに寄り、準備を整えておく。コンビニに行っても時間の経過は無いから何度移動してもバレはしない。
コンビニに寄った際、神爺さんにニヤニヤと俺の姿を見て笑われたので、頭の毛を鷲掴みにして「剥げてしまえ!」と言って何度も引っ張ってやったのは御愛嬌だ。今度何かしでかしたら毛根を確実に死滅させると脅しておいたから安心だろう。神爺さんも頭を押さえながら何度も頷いていたからな。
準備の1つである、買い直したシグP2009を左右の手に一丁ずつ持ち再度行動を開始した。
シグを買い直したのは、以前使っていたから慣れてるのとオイバザードさんたちと一緒に拉致られた時に失っていたからで、特に意味はない。だったらデザートイーグルでも良かったんだが、多少の違いだがシグの方が取り回しが良く反動も少ないしサイレンサーやフラッシュライト何かのオプションも使えるからこっちの方がお得だ。金も少ないし。
試合会場の頭上に居る審判の1人が、俺が銃を持ち替えると右手で小さく何かしらの合図を送っているのに気が付いた。やはりグルか。
それに合わせてか、先程まで動いても誘いをかけて来るだけだったのにこちらに近付きつつある。ものは試しにと、タボールに再度持ち帰ると審判が動き出し兵士が止まる。こちらの情報が筒抜けではあるものの、それを無視する事にした。情報の事で言えば、俺も声は聞こえはしないものの看破の眼で見えているからお相子だろうな。
向こうが数で攻めてきて、審判も向こうの味方何だったら俺も自由にやらせてもらおうかな。
そう考えた俺は、ある意味開き直った考えが浮かび。それを実行することにした。
如何だったでしょうか?
御意見御感想等御座いましたら是非教えて頂ければと思います。




