74話 気が付いたら
お待たせしました。毎度毎度遅くて申し訳ありません。
「隊長殿には悪いが、私は此奴から学ぶべき事は何もないと思う!
第一、何故この様な正体も分からぬ者に我々が教えを乞わなければならんのか?!」
何事かと一瞬思ったけど、案の定俺に対する不信感からの文句が出てきた。
まぁフードを深く被った顔も見えない正体不明な奴に教わるって言うのも、普通なら不信感が出て来るよな。俺でもそこは分かるわ。
「オービス!貴殿はソーマさんに対して文句があるんですか!
この方は私が直にお願いして、わざわざ時間を作って来てもらったんですよ!!
それにこの方は国王陛下やゼルフ殿とも関わりを持つ方なんです、ただの一般人だと思わないで下さい!!」
俺は、一部を除いて完全に一般人何ですけど。
「い、いくら陛下と関わりがあっても、顔も見せない得体の知れない者に。ハイそうですかと教えを乞える訳がない!」
「しかし、先ほどのソーマさんの射撃を見たでしょうが!
あれ程の力は我々には出せないでしょうに」
「アレは、コヤツが持っている銃の性能の御蔭に違いない!
連射の出来る銃など、見た事も聞いた事もないのだからな!」
「では貴殿は、ソーマさん自身の力を信じて居なく。教えを乞うに値しないと言うのですね?!」
「その通り!!隊長殿には悪いが、他所の者は空気を読んで出しゃばらす、とっとと去って欲しいものだ。
皆口にはしないが、疑いの気持ちは持っているに違いないですぞ!」
オービスって奴の言葉が切っ掛けだったんだろう。目に見えた変化はないが、薄っすらだが同調するような空気が出てきた。
「・・・・・・・皆も同じ意見なのか?」
隊長さんが、銃士隊の隊員を見渡しながら聞くが返事がない。いや、出来ないのかもしれない。
この空気を支配しているのは、隊長さんでは無くそこのオービスだ。多分だが、隊長さんの口調からも少しだけ分かるのは。こいつがある程度の地位のある役職か、貴族って事だ。
そいつに対して反対意見は出しにくいだろう。
「ほら見ろ!皆同じ意見だ!
どうしても我々を賛同させたければ・・・そうだな、こいつの力を正式に示させれば良いのだ!」
こいつの狙いはこれか?俺と誰かを勝負させて、負けさせよって事か?
「つまり、銃士同士の打ち合いをさせろと?」
「そうだ!
そうだな・・・言い出したのは私だ!この私が直々に相手しようではないか」
「貴殿はこの隊でも1・2位を争う腕前ですからな。
その貴殿にソーマさんが勝てば、確かに皆さんも納得しますね」
そこまで言って隊長さんが、俺にすっごく期待した眼差しで振り返ってきた。
あえて言おう、俺はやらんぞ。
「ソーマさん!この自意識過剰な男を懲らしめて上げて下さい!」
この人はストレスでも溜まっているのか?
「俺はそんな面倒事はやらない。
元々そんな話は無かったんだし、それに訓練の話も今日急遽決まったんだからな。そもそもそんなにやる気が俺にも有った訳じゃないしね」
「そんなぁ。
頼みますよ。皆にも、努力すれば貴方みたいに成れると見せたいんですよ!
それとも何ですか?ソーマさんは男じゃないんですか?玉無しなんですか?」
流石に今の一言にはイラッとした。
「何だと!!
良いよ!やってやるよ!そこのポンコツ野郎を玉無しにしてやるよ!」
言い切ってからハッとした。しまった!上手く乗せられた!
現に、隊長さんはニヤっと笑っているし。
「そう言ってくれると思っていましたよ。
オービス殿もやる気のようですよ」
オービスに目線を向けると、ワナワナと震えていた。
あ、これキレてるよね。間違いなく俺の言った事が引き金だったよね。
「平民風情がよく言った!
良かろう、実戦形式で試合・・・いや決闘だ!貴様を切り刻んでやる!!」
あれ?いつの間に命のやり取りをする決闘になったんだ?
売り言葉に買い言葉|(隊長さんと俺との)で試合という名の決闘が決まってしまった。
新しく、モンスターパークへようこそ! と言う小説を始めました。
更新が遅いのに何をやって居るんだと思われるかも知れませんが、温かく見守って頂ければと思います。
新作も含めて宜しくお願いします!




