70話 訓練 知らないって怖いよね
久々に2話目を1日で投稿できました。
内容は薄いですけど・・・・・・
P90から打ち出された弾丸は、100m位に設置されている的のほぼ中央に命中していた。
そのまま、少し感覚を空けたまま合計10発ほど撃ち続けた。
撃ち終わった俺はP90を下す。撃ち終わった結果をみて、まあこんなもんかと思っていた。
「流石、ソーマさみゃ!・・・さんです。
ほぼ中央に全部命中しています!」
さみゃって何ださみゃって、殆ど様って言ってるだろ。
「いや、どうなのかな?
新しくなったステータスはまだ見てないけど、感覚的にまだまだと思うんだ」
「ソーマさん的にはこの結果でもまだまだ何ですね」
「そうだな。
例えばだけど、今回は的に撃っているよな?でも本来なら的ではなく魔物や人に向かって撃たなければならない。そしてそれらは当然動いてるよな?だから的ではなくて撃たなければならない本来の対象に当てられるようにしてないといけないんだよ。
それに、ココは外でも風がない。標的が遠ければ遠いほど風の影響で弾が飛んで行く道筋、弾道が変化してしまうんだ。そう言ったモノも頭の中で計算し無いといけないんだよ」
「頭を使いながらですか。私には無理そうですね」
イエイヌの犬耳がへにょり、尻尾が項垂れている。
この子は脳筋では無いはずなんだがな。本能的なものが先行してしまうのか?
「そうとも言い切れないな。
これも例えだけどな?10m位の近さで、撃つべき対象がある程度大きいとする。
それだけ近ければ、撃った時の反動とかを気を付ければある程度は当たるもんなんだ。
要は慣れと経験なんだよ。
今は準備してないから無理だけど、今度撃ってみるか?」
俺の提案が功を奏したのか、元々興味があったのかは分からないが。イエイヌのテンションが上がったらしく、犬耳がピンっと伸びて尻尾もブンブンと振られていた。
「ハイ!是非に!」
「分かった。今度って言っても何時かは決めてないけど。きちんと準備しておくよ。
準備できたら教えるから」
ホントは今からコンビニに行けば良いんだけど、余計な3人が居るから行きたくても行けない。
「お待ちしてます!!!」
やたらテンション高な。
「じゃあ続きをやるから、また離れていてくれ」
イエイヌが下がったのを確認して、今度は物体操作で右手に持っていたP90と腰に残っていたP90を操作して空中に浮かせる。そのままターゲットロックで複数の的をロックオンして一気に撃ち始める。
的から的に狙いを移す時は、引き金は引きっぱなしにはしないできちんと離しておく。
撃つのは的のみにする。
1つ1つ撃つのは面倒だが、これも確認や訓練の為だと思ってサボらず続けた。
蒼真が的に向かって撃ち続けている頃、見学していた者たちは皆驚愕していた。イエイヌを除いて。
「何じゃあれは、何故あの様な事が出来るんじゃ?!」
「それは御しゅ・・・ソーマさんだからです!!」
「ソーマ君だからです!!っじゃ答えになってないよイエイヌ譲。
王よ、あれは多分無属性魔法の1つの物体操作で動かして居るのだと思われます。それも相当高レベルのものです。」
イエイヌの若干可哀そうな答えにツッコミながらもベルガ王に答えるオイバザード。
それに続くようにゼルフも答える。
「えぇ、オイバザード殿の言うと通りかと。
それにそれだけではなくMPの高速回復のスキルも持っているのかと。でなければMPの消費でいつ倒れてもおかしくないと思いますが、彼はその様な気配を微塵も感じさせません。おそらくは間違いないかと」
「って事は・・・何じゃ?ソーマ殿は儂らが思っているよりも強いんじゃないかの?」
ふと思いつきました的に言ったベルガ王の言葉に、オイバザードとゼルフは無言で頷く事で答えた。
そして評価された男は、あーでも無いこーでも無いと練習を続けいた。それも異常なまでのスピードでその射撃や魔力操作の正確さを高めていき、その感覚を無意識のレベルにまで落とし込んでいった。
そんな異常性を本人は無自覚で行っているとは知らないままに・・・




