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69話 何故ここに?

異様に眠いです・・・・・・









「おぉ!!ココはかなり良い場所なんじゃないか?!」


「そうであろう、そうであろう。

ココは王城でも一番施設が整っている訓練場だからであるからな」


 見えない。俺には見えていない。ここにベルガ王が居るのは見えない。


「あそこに居るのは軍の銃士か?」


「そうだね、あそこに居るのは軍の組織としては歴史が浅いし数も少ないけど彼らも立派な銃士隊の兵士たちだね。

同じ銃士として気になるのかい?」


 そしていつもの様に気さくに話しかけてくるオイバザードさんも見えない。きっと幻だ。


「イエイヌ、イエイヌ!あそこで剣の打ち合いしてる人は珍しいな。軍人で双剣をしてるなんて。

基本的にはロングソードとかショートソードなのにな」


「ここで現在訓練している者たちの約半数は、元冒険者にて構成されている。

基本、本人たちには当時のまま使いやすい武器防具で装備してもらっている。一から揃えたりすると予算が掛かってしまうし、本人たちも使ったことのない装備を渡されても疲れるだけだろうからな。

・・・それと申し訳ない、私は来るのを止めたんだが王とオイバザード殿を止められなかった」


 幻と透明人間の後ろで、やや疲れた表情のゼルフがそこに居た。


「はあぁぁ、良いですよ別に。それで、何でお3人が揃ってココに居るんです?

まさか訓練をしに来たって訳じゃないんでしょ?」


「私はイエイヌ譲から君たちが訓練をしたい聞いてね。

君たちがどんな訓練をして、どんな実力なのかが気になってね。来てしまったよ!」


 思い付きにも程がある、仕事はどうした?


「儂はそれをオイバザード殿から聞いて面白そうだから来た」


「そしてそれを止めきれず、私も来てしまいました。

まだ公務が沢山残ってますのに・・・」


 ゼルフは止められなかった事をかなり気にしているのか、俯いたままポツリと残っている仕事の事を独り言の様に呟いていた。


「それは大丈夫じゃ、代わりの者をきちんと立てといたからのう」


「はぁぁ、それはアイゼン殿の事ですよね?

いくらあの方が財務と外務を兼任している大臣とは言え、国王の代わりは務まらないのですよ。

それにあの方自身の仕事が滞ってしまうじゃないですか」


 ベルガ王の一言により俯きが深くなっていくゼルフ、最初の印象は悪かったが今でのこの姿が本来の彼の姿なんだろうか。頑張れゼルフ、きっとそのうち良い事があるさ。顔も知らないアイゼンって人もな。


「それよりもソーマ君、君たちはこれから訓練をするのだろう?

君たちがする訓練を見てみたくてね。見学させてもらっても良いかな?」


「良いも悪いも、始めっからそのつもりなのでしょ?

俺は、今の自分の状態を確認するだけだし、基本的にはイエイヌの訓練が中心になりますよ?」


「私たちはそれで構わないよ、イエイヌ譲も良いかな?」


「ソーマさんと訓練が出来るのでしたら、私は構いません」


 表情はいつものままだが。若干、尻尾が垂れ気味になったまま答えるイエイヌ。

分からなくもないか。周りに余計なのが居ると、やり辛いものな。


「じゃあ気にせずにやろうか。

俺からやらせてもらうから、俺の周りから離れてくださいよ。危ないかも知れないので」


 俺の言ったと通りに3人とイエイヌが周りから離れて行く。

俺自身はP90を右手に持ち、射撃用の的の前まで移動してハンドガンを片手で構えるように構える。

本来はこんな構え方をして狙って撃っても的に当たらないモノだが、今の俺はステータス的にかなりの力が有るから当たり易いだろ。構えたまま、P90に備え付きであるダットサイトで狙いをつける。

そしてそのままゆっくりと引き金を引いて行った。

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